《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第15話 巨様が、ベッドの上で夜戦を仕掛けてくる試練

ある晴れた日。今日は、冒険者の皆さんと一緒に訓練場で練習する予定だ。

鍛錬場所に著くと、冒険者の人達が村の口の方を見ている。

「どうしたんですか?」

「いやー、なんか変わった中年の男がきましてね。どうも剣を習いによその村からはるばる來たらしいんですが、急に走り出してどっか行っちまったんですよ」

「だからタイムロットさんが厳しく教え過ぎたせいですって」

若い冒険者さんが、タイムロットさんの脇腹をつつく。

「いやいや、俺は優しく教えてたじゃねーか」

なんだかわからないが、どうやら変わった男が來たらしい。

「父上にもいつか、この村に遊びに來てほしいなぁ……」

僕はそうつぶやいた。

「そういえば、領主様の父上ってどんな方なんです? 領主様の父上は、この村の元領主でしたが、村は領主代理を置いて一度も來たことがありやせん」

「話したことがありませんでしたね。父上は、とても偉大で優しくて……」

僕は、父上の偉大さや、僕が子供のころのエピソードを話す。

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「へぇ、領主様の父上はそんなに立派な方なんですねぇ。是非一度お會いしてみたいもんです」

僕も、次に父上に逢う日が楽しみだ。

その日までに長しておこう、と僕は訓練場でより一層熱心に鍛錬に打ち込むのだった。

––––その日の夜。

「ねぇ、メルキス」

甘い囁き聲で僕は目が覚める。目を開けると、僕の上にマリエルがまたがっていた。

「ねぇメルキス・・・婚約者らしいこと、しよ?」

「僕としたことが、こんな自分に都合良すぎるふしだらな夢を見るとは・・・煩悩にまみれすぎだ。もっと修行しなくては」

「げ、現実だよ! それより今、自分に都合良すぎるって言った? メルキスもこの狀況、嬉しいの?」

「もちろんだ。マリエルみたいな可の子がってくれて、嬉しくない男なんていないよ」

「かわいい!? メルキスが可いって言ってくれた!?」

マリエルの顔が、いつかの日の様に真っ赤に染まり頭から蒸気が噴き出す。また風邪を引いたのか。を大事にしてくれ。

しかしこの嬉しい狀況で、恥ずかしながら、僕の下半が元気になってしまっている。

「メルキスも喜んでくれてるんだね……嬉しい」

マリエルがえへへ、と笑う。そして、

「じゃ、いただきまーす!」

突然僕のズボンを下ろそうとする

「ちょ、ちょっと待った!」

僕は必死でマリエルの手を押さえる。

「え、なんで? メルキスも嫌じゃないんでしょ?」

冷靜になれ、僕。

なぜマリエルは、こうまで『親が無理やり決めた婚約者』である僕に対して積極的にアプローチしてくるのだろうか。

……そうか、わかった。

僕は、大きな勘違いをしていた。

この村に來てから、マリエルが一緒にベッドにって、くっついてくるのは決して『父上の試練』などでは無かった。

––––マリエルは、王家の娘としての務めを果たすために、僕に積極アプローチしているんだ!

全く対象として見れない、『親が無理やり決めた婚約者』である僕にくっつくことで、僕を異として好きになろうとしてくれているのだろう。

それなら全ての辻褄が合う。

これが正解だろう。

何一つ間違えていない、という自信がある。

「マリエル、君が王家の娘としての務めを果たそうとしているのはわかった!」

マリエルのきが止まる

「僕は君の、自分の意思を押し殺し、王家の娘として行するところを尊敬する。だけど、だからこそ待ってほしい。今焦ることはないんだ。せめて、正式に結婚するまでは……」

「わかった……」

マリエルがしゅんとして、僕のズボンを下ろそうとしていた腕の力を抜く。

「と見せかけて! 手がったー!!」

次の瞬間、マリエルがまた僕のズボンを下ろそうとする。

危なかった、あと一瞬反応が遅れていたらがされていた。

やっぱりこれは、反神経を鍛える父上の試練なのでは?

このままではマリエルに強引に一線を超えられてしまう。僕は神を統一する。下半っていた力が抜け、平常モードへと戻っていく。これでマリエルに強引に一線を超えさせられることは無くなった。

「えー、なんでー! なんで元気なくなっちゃったのー!?」

マリエルが、僕にまたがったまま、上下に飛び跳ねて駄々をこねる。やめるんだ、その姿はかなり下半に響く……!

僕はさらに神を集中させる。

なぜマリエルは、こんなにも積極的なのだろう。『王家の娘としての務めを果たそうとしている』では、説明できない。

そのとき、僕の頭に稲妻のように閃きが降りてくる。自分で言うのもなんだが、僕は乙心がわかる方だ。

そしてマリエルは子供の頃からの付き合いだ。考えていることは手に取るようにわかる。

マリエルは、マリエルは––––

「マリエルは、男だったら誰でもいい超ドスケベなの子だったんだな!」

「ちっがーーーーーーーーーう!!」

自信満々の僕の説は、村中に響くような大聲で否定されてしまった。

「メルキスがどんな勘違いしててもいいけど、それだけは違うから!! それだけは! 違うから!」

見たことないほど怒りながらマリエルが否定する。

そうか、違ったのか……。かなり自信があったんだけどな……。

「だけど、よかった。マリエルが僕以外とそういうことをしていないってわかったからな」

「えっ」

マリエルが驚いたような顔をする。

「まだ正式に結婚していない、婚約者の分際でこんなことを言うのはわがままかもしれないんだけど、マリエルには、僕以外の男と一緒のベッドで寢たり、一線を超えたりはしてしくないんだ」

「……今日のメルキスの勘違い、全部許す!」

マリエルが僕の元に顔を埋めて、突然そんなことを言い出す。なぜかは知らないが、急に機嫌が治ったようだ。

訳がわからないが、これで安心して眠ることができる。

僕は、元に顔を埋めたまま寢息を立て始めたマリエルの頭をでながら眠りにつくのだった。

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