《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第23話 突然変異コカトリスがどう見ても味しそうなニワトリでしかない

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「ザッハーク伯爵。これが、我々が品種改良したコカトリスです。」

「……ただのデカいだけのニワトリではないか!」

――メルキスの村の近く。

魔族の男とメルキスの父ザッハークは、次なる企みの準備をしていた。

魔族の男が、モンスターの群れをって集結させている。しかし、集まってきたのは、一見すると大きくなっただけのニワトリである。

「上半がニワトリで下半が蛇のモンスター、コカトリスの弱點は機力です。どうしても蛇の下半では速度が出ませんでした。そこで、機力の高い鳥モンスターと配し、下半を鳥にしました。副次効果として、蹴りによる強力な攻撃を行えるようになりました。フフフ、このモンスターは人類の脅威になりますよ」

「上半がニワトリで下半が鳥なら、それは単なるニワトリであろうが! 馬鹿か貴様は!」

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「まぁまぁ。おや、丁度近くに通常種のコカトリスがいますね。戦わせてみましょう」

魔族の男が、手をかざして通常種コカトリスを洗脳する。通常種コカトリスと、品種改良コカトリスが1対1で向き合い、戦い始める。

『コケー!』

品種改良コカトリスが宙へ飛び上がり、目にもとまらぬ速度で蹴りを叩き込む。通常種コカトリスが吹き飛び、木に叩きつけられる。通常種コカトリスは、即死していた。叩き付けられた木も衝撃で真っ二つに折れている。

「なんと……! これは見た目によらず強力なモンスターではないか……」

「おや、丁度良く近くにミノタウロスがいますね」

「ミ、ミノタウロスだと!? いくら俺が王國騎士団副団長と言っても、ミノタウロスはとても手に負えん! 今すぐ逃げ――」

「ミノタウロス程度なら、十分魔族のモンスター支配能力が効きます。が、せっかくなので突然変異コカトリスをけしかけてみましょう」

魔族の男が指をパチン、と鳴らす。

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『コケー!』

品種改良コカトリスが猛然と走り、ミノタウロスに迫る。品種改良コカトリスの目が怪しくり、線が飛び出す。線をけたミノタウロスのきが止まる。ミノタウロスは、石になっていた。

「馬鹿な、石化しているのか!? 線を一瞬けただけで!? 通常のコカトリスは、対象を數十秒見ないと石化効果させられないはずだが?」

「フフフ。品種改良によって、石化効果もパワーアップしています」

品種改良コカトリスが石化したミノタウロスに蹴りを叩き込む。ミノタウロスは、木っ端みじんに消し飛んだ。

「どうですかザッハーク伯爵、品種改良コカトリスと一戦えてみますか?」

「いや、遠慮しておこう……。そ、それより、例の玉を食わせねばな」

ザッハークは、懐から取り出した黒い球を近くにいた品種改良コカトリスの口に押し込む。

「これで準備完了ですね」

「さぁ行け、コカトリス共! メルキスの村へと向かうのだ!」

『『『コケー!!』』』

品種改良コカトリス達が、一斉にメルキスの村へ駆けだす。

「さぁこれでよし……む、あれは……!?」

ザッハークは、気配をじて振り返る。そして、し離れた木々の間から、メルキスが見ていることに気付いた。

「マズイ、メルキスに見られた。すぐに撤収するぞ!」

ザッハークは、慌てて森の奧へと逃げ込んでいく。魔族の男もそれに続く。

――――――――――――――――――――――――――――

――ある日のこと。村の近くをランニングしていた時。

「さぁ行け、コカトリス共! メルキスの村へと向かうのだ!」

突然、森の中から父上の聲がした。聲のしたほうをみると、確かに父上だ! 木が邪魔でよく見えないが、となりにもう一人いるようだ。

父上が、村に遊びに來てくださったのだろうか!? どうしよう、嬉しいがもてなしの準備が全然できていない!

しかし父上は、僕を見つけるや否や森の奧へ走って行ってしまった。

「村に遊びに來て下さったのでは無かったのですか……!?」

そして、父上が差し向けたモンスターを見る。父上は”コカトリス”と言っていたが、あれはどう見ても巨大なニワトリだ。恐らく、コカトリスの突然変異種だろう。

ニワトリは、立ちふさがる木々を倒しながら村へ疾走していく。すごいパワーだ。

「こうしては居られない……!」

僕は急いで村へ戻り、冒険者ギルドへ向かった。

「皆さん大変です、今この村に、大量の突然変異種コカトリスが向かっています!」

「「「なんですって!?」」」

冒険者さん達が、全員臨戦態勢になる。

「本來コカトリスは上半がニワトリで、下半が蛇の姿ですが、この突然変異コカトリスは下半もニワトリです! コカトリスの視線には石化効果があるので、気を付けて下さい。そして一番大事な報ですが……コカトリスのはとても味しいらしいです!」

「「「うおおおおお!!」」」

父上が何故、突然変異コカトリスを村に向けて放ったのか。考えられる理由は1つ。

僕と村人へのプレゼントだ。

僕はロードベルグ伯爵家を追い出された事になっているので、表立って加工済みのをプレゼントすることはできない。なので、野生のモンスターがたまたま僕の村を襲った、というにする必要があるのだ。

父上は、本當にやさしいなぁ。

「さぁ、突然変異コカトリスを狩りに行きましょう!」

僕は村の冒険者さん達と共に村を出る。

「居ました、突然変異コカトリスです!」

門を出ると、丁度突然変異コカトリス達が森から飛び出してくるところだった。

その數、30いや40といったところか。

突然変異コカトリス達の目が怪しくり、線を発してくる。

「視線で石化させるんなら、かわせば良いだけだろ?」

村の冒険者さん達が、線をすべて超高速でかわすか武け止めるかしている。普通はあの線は避けられないはずなのだが、僕の“刻印魔法”で強化された今の村人さんたちは、コレくらいのことは苦もなくやってみせるのだ。

もし誰かが石化したら、僕の狀態異常回復魔法”ローキュアー”で回復させようと思っていたが、その必要もなさそうだ。

『コケー!?』

突然変異コカトリスたちが、驚きながら逃げようとする。が、タイムロットさん達が捕まえる。突然変異コカトリスの石化線を防ぐために目隠しをして、腳を縛り上げる。

「なんかこの突然変異コカトリスたち、俺たちのきを見て驚いてませんか?」

「バカ言え。音速で間合いを詰めるくらい、普通のことだろ? それくらいでモンスターが驚くかよ」

最近の村人さんたちは、覚が麻痺していると思う。音速で間合いを詰めるなんて、Sランク冒険者でも出來ないぞ……。

『コケー!』

「キャアアアアァ! 助けてくださいメルキスさん! おっきいニワトリが追いかけてきますううううぅ!」

ナスターシャが悲鳴を上げながら、突然変異コカトリスに追いかけ回されている。ドラゴン形態に戻れば、ナスターシャの方が遙かに大きいんだぞ……?

「おっきいニワトリが見れるって言うから面白そうだと思ってきただけなのにいいいぃ!」

泣きながら逃げるナスターシャが転ぶ。突然変異コカトリス達がナスターシャを囲んで蹴りを浴びせるが、びくともしない。どころか、足の踵に生えている爪が折れてしまった。

『コケー!?』

「食べないでください、食べないでくださいいいぃ!!」

ドラゴン形態に戻ったらナスターシャが食べる側になるんじゃないのか……?

コカトリスの石化線をけてもナスターシャには全く変化がない。コレも、レインボードラゴンの鱗の防効果なのだろう。僕はナスターシャに群がる突然変異コカトリスを全部縛り上げて、助けてやる。

「あ¨りがとうございまずううううぅ! ニワトリ怖かったですうううぅ!」

抱きついてくる。らかいものが、らかいものが押し當てられる……!

そうこうしているうちに、突然変異コカトリスを全て捕まえ終わった。

「よし、さっそく帰って、ニワトリ小屋を増設しましょう!」

”ズシン”

そのとき、地響きがする。

木々を踏み倒しながら、巨大な影が現れた。

『コケエエエエエエエエェェェェェェ!!』

現れたのは、超巨大な突然変異コカトリス。

「なんて大きさだ……!」

まるでドラゴンだ。が家一軒以上の大きさがある。足の指一本だけでも人男より大きい。

「ド、ドラゴン形態の私よりも大きいですぅ……キュウ」

ナスターシャは恐怖の余り気絶してしまった。

『コケエエエエェ!』

超巨大コカトリスが、蹴りを繰り出してくる。その一撃で、大地がえぐれ、木々が倒れる。

「うおおお!? これは流石にキツイぜ!」

村の冒険者さん達が、超音速で攻撃をよけて下がっていく。捕まえたコカトリスも忘れずに回収している。だが、とても反撃までは出來ない。一撃一撃の攻撃範囲が広くて、避けるだけで一杯なのだ。

「皆さん、下がっていてください。あの超巨大コカトリスは、僕が相手をします」

僕なら、あの攻撃をかいくぐって超巨大コカトリスに攻撃を當てられる。

「おお、久しぶりに領主サマの本気が見られるぜ!」

村人の皆さんに貰った”寶剣ドルマルク”を試してみたいと思っていた。これは丁度いい相手だろう。

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