《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第24話 ドラゴンに匹敵する突然変異モンスターを楽々倒す

先にいたのは、超巨大ニワトリ。

羽ばたいて宙へ舞い上がる。それだけで、吹き飛ばされそうなほどの風が吹き上がる。そしてそこから、鋭いカギ爪を使って蹴りの連撃を繰り出してくる。

一撃一撃が、地面を深く抉る破壊力。木が元から掘り起こされて吹き飛んでいく。僕は左右に飛んで、カギ爪と吹き飛ばされた土を回避。

僕は戦闘態勢にると、常に能力魔法”フォースブースト”を発している。この狀態の僕は、パワーとスピードが、平常時の數十倍に上昇する。”刻印魔法”で強化された村人さん達の、更に數倍のパワーとスピードだ。

僕は森の木々を蹴って、速度で超巨大コカトリスを翻弄する。そして、超巨大コカトリスの足元に潛り込んだ。

「見えたか!? 今の領主サマのき!」

「ギリギリ殘像だけ見えたぜ! 流石領主様、強くなった俺たちの、更に遙か上を行っているぜ……」

「メルキスさん、速すぎます! 私、ドラゴン形態に戻っても絶対メルキスさんに勝てないですぅ」

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超巨大コカトリスも、普通のニワトリと同じくずっと飛んでいることはできない。羽で滯空時間をばしてはいるが、飛んでいるのではなくジャンプしているだけだ。

超巨大コカトリスが著地する。その瞬間を、僕は見逃さなかった。

「ロードベルグ流剣11式、”流星斬”!」

走り込みから放つ、橫なぎの一閃が超巨大コカトリスの右腳を斬り落とす。

能力強化魔法”フォースブースト”を使えるようになってから、実のところ僕は本気で剣を振るった事がなかった。本気で戦える相手がいなかったというのもあるが、剣を壊してしまうからというのが最大の理由だ。

並の剣では、僕の本気に耐えられなかった。だが、この”寶剣ドルマルク”は、僕の本気をけ止めてくれる。

……本當に、素晴らしいものを貰った。村人さん達には謝するばかりだ。

『コケエエエエェ!?』

片腳を失った超巨大コカトリスが、勢を崩して地面に倒れる。

「畳みかける! 土屬魔法”ソイルウォール”!」

地面が盛り上がり、土でできた巨大な腕が出現する。そして、超巨大コカトリスのを摑んで抑え込む。

『コケエェー!』

超巨大コカトリスが暴れて拘束を振りほどこうとする。10秒ほどで抜け出してしまうだろうが、問題ない。これは時間稼ぎだ。

僕の前に、新しい魔法陣が出現する。

魔法陣が更に展開・連結していく。複雑に連なった魔法陣が、魔力の流れを形し極大の魔法を描き出す。

「――発、龍炎魔法”サファイアブルーフレア”!」

魔法陣から迸るしいサファイアブルーの炎が、超巨大コカトリスの頭部に直撃。跡形もなく吹き飛ばす。炎の勢いは止まらず、背後にあった木を焼き払い、空へと駆けていく。

頭部を失った超巨大コカトリスが、完全に生命活を停止する。

「――よし、戦闘終了!」

村の皆さんに貰った剣も、新しく覚えた”サファイアブルーフレア”を実戦で試せてよかった。どちらも、期待以上の威力を発揮してくれた。

「では、早速村に新しくコカトリスの飼育小屋を作りましょう! このコカトリスを村でニワトリと同じように飼育できれば、安定してを供給することができます!」

「「「うおおおお! 夢にまでみただ!!」」」

僕らは、一旦超巨大コカトリスは置いておいてニワトリの飼育小屋を作り始める。

「普通の木で作った小屋だと一瞬で壊されてしまうので、レインボードラゴンの炎で焼いた『奇跡のレンガ』を使います。ナスターシャ、レンガを焼いてくれるか?」

「分かりましたぁ、すぐに焼いてきますぅ~」

焼いてもらったレンガを、村人さん達が分擔して積んでいく。

「領主様の魔法のおかげで、重いレンガでも全然運ぶのが苦にならないぜ!」

こうしてあっという間に、突然変異コカトリスを飼育する小屋が完した。

「飼育する數はないですが、一羽からとれるの量が普通のニワトリより遙かに多いですから。繁出來れば、きっと鶏を毎日食べれるようになりますよ」

「おお! なんて週に一度、いや月に一度しか食べられませんでした。毎日を食べられるなんて夢みたいです!」

「子供の食事の栄養が偏ってしまうのがずっと心配だったのですが、やっと必要なだけのおを食べさせてあげられる……よかった、本當に良かった!」

「毎日が食えるなんて、天國にいるみたいだ!」

村のみんなが、心底嬉しそうな顔をする。極まって泣き出す人までいた。

「ニッワトリ! ニッワトリ! 味しいニワトリ大量ゲットー!!」

そんな中、シスターのリリーさんが異常なテンションではしゃいでいる。

「リリーちゃんはな、おが大好きなんだよ。村の中で間違いなく一番味しそうに鶏を食べるんだ」

タイムロットさんが、僕の耳元でそっと囁いて教えてくれる。ニワトリを前にしてはしゃぐ姿は、村のみんなを病から救おうとしていた獻的なシスターと同一人とは思えない。

「こんなに沢山味しそうな鶏が手にったのは、メルキス様のおかげです。やはりメルキスサマは神アルカディアス様の使いで間違いありません」

「違います。それから、コカトリスの視線には石化効果があるのであまり近づくと危ないですよ」

「わかりました、気を付けます。ああ~可いねぇ鶏ちゃん達! 早く食べてあげたいね~!」

シスターのリリーさんが満面の笑みを浮かべると、コカトリスが羽を広げて威嚇する。本能的に危険をじているのだろう。

「ああー、可いねぇ威嚇なんてしちゃって。ほんと食べちゃいたいくらい可い~! ジュルリ。あら、なんだかが重くなってきた……?」

「リリーさん、石化攻撃をけています!」

僕は慌てて狀態異常解除魔法”ローキュアー”で石化を解除する。

この日以來、村人さん達が毎日コカトリスに餌をやったり卵を回収するようになった。回収した卵は、しばらくは繁用に回すが、余裕が出れば食料用にも回したい。

偶にコカトリスの視線を避け切れず、石化してしまった村人が僕の屋敷に運び込まれるようになった。そのたびに僕は”ローキュアー”で石化を解除する。

……そして、コカトリスを眺めていて石化させられたリリーさんも偶に運び込まれてくるようになった。

毎回、とても良い笑顔のまま運び込まれてくるのである……。

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