《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第33話 【源魔法】が進化し新たな能力が覚醒する

王冠を被ったミノタウロスが、猛然と突進してくる。

「発、”ファイアーボール”!」

火球がミノタウロスの顔に直撃する。だが、

「噓だろ、無傷!?」

王冠を被ったミノタウロスは、突撃の勢いを落とすことさえしなかった。時間稼ぎくらいにはなると思ったのだが、これは完全に予想外だった。

ミノタウロスが、禍々しい黒の大斧を振りかぶる。

問題ない。斧の軌道というのは単純だ。振り下ろしをかわしてカウンターをれられる。

そう確信していたのだが――

『ブモオオォ!!』

ミノタウロスはなんと、僕ではなく倒れているシノビに向かって斧を振り下ろした。完全に想定外の攻撃に、僕の反応が一瞬遅れる。

“ギイイイイィン!”

僕はシノビをかばって剣でその一撃をけ止める。だが――

「重い! なんて腕力だ!」

通常種のミノタウロスとは比べにならないパワーだ。とっさのことだったので剣で上手くけ流せず、僕は吹き飛ばされる。

「がはっ……!」

衝撃で、に十分に力がらない。なんとか勢を立て直そうとしているところへ、ミノタウロスがまた黒い斧を振り下ろして追撃してくる。

「ぐっ――」

”ギィン! ギィン!”

僕はなんとか、王冠を被ったミノタウロスが繰り出す超重量級の攻撃をいなし続ける。

普段なら、戦って負ける相手ではない。

だが今は、連戦で魔力が減って切り札の“サファイアブルーフレア”が使えず、シノビをかばってけたダメージでに十分に力がらない。

そしてミノタウロスの攻撃をいなしているうちに、腕へのダメージも蓄積されてきた。

しかも、こうしているうちにシノビはどんどん毒で死に近づいていく。もう時間がない。

「このままだと、負ける……!!」

――――

メルキスと王冠を被ったミノタウロスの戦いを、遠くから見守る影があった。

メルキスの父親ザッハークと、魔族の男だった。

「フフフ。我らの最高傑作”キングミノタウロス”は、耐久・パワー・スピードの全てが通常種を遙かに超える。流石のメルキスも、手も出ないようですね」

「最初に小型モンスターの群れで消耗させたのも効いているだろう。くく、いい気味だ。良いぞミノタウロス、そのままメルキスを切り刻め!」

「王都を落とすための戦力、小型モンスター1萬とミノタウロス100が消えてしまいました。これは痛い。フフフ、ですがあれだけの戦闘力を誇るメルキスを潰せたのなら、安いものでしょう」

「ようやくメルキスを叩き潰せる。ハハハ! ハッハッハッハ! くたばれぇ、メルキス!!!!」

勝利を確信したザッハークのびが森に響く。

「ザッハーク伯爵。あまり大きい聲を出すと、メルキスに聞こえてしまうかもしれませんよ」

「構うものか、奴はもう蟲の息。聞こえたところでどうにもなるまい」

2人は、完全に勝利を確信していた。しかし――

――――

僕とミノタウロスの死闘が続いている。

なんとか攻撃をいなし続けているが、流石に限界が近い。押し切られそうだ。

「ここまでなのか……!?」

僕が諦めかけた、その時だった。

『メルキス!!』

どこか遠くから、はっきりと父上の聲が聞こえた。

「……そうだ。遠い実家から父上が見守ってくれているんだ! こんなところで諦めるわけにはいかない!」

たとえ距離が離れていても、父上が僕を応援してくれる気持ちだけははっきりと伝わる。僕は、父上に最初に教わった家訓を思い出す。

――ロードベルグ伯爵家の教え其の1。『どんな逆境でも、絶対に。絶対に諦めるな』。

「僕は諦めない。ロードベルグ伯爵家の一員として! 絶対に! 絶対に諦めない!」

心がい立ち、から力が湧いてくる。その時だった。頭の中に聲が響く。

『使い手の神的長により、【源魔法】が進化しました。新たな能力が覚醒します』

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