《【書籍化!】【最強ギフトで領地経営スローライフ】ハズレギフトと実家追放されましたが、『見るだけでどんな魔法でもコピー』できるので辺境開拓していたら…伝説の村が出來ていた~うちの村人、剣聖より強くね?~》第47話 伝説の大賢者を打ち破る

投稿前の私「誤字チェックヨシ! 見落としなんて

あるはずもナシ!」

誤字報告を見た私「昨日の私の目は節か」

いつも誤字報告助かっております、ありがとうございます

僕は大賢者エンピナ様の待つ闘技場へと降り立つ。向かい合うと、凄まじい圧力だ。

「オーラでわかるぞ。去年よりも実力が跳ね上がっておる。強力なギフトを手にしただけでなく、日々の鍛錬も怠っていないとみえる」

エンピナ様が、悪戯っぽく微笑む。

「お褒めに預かり栄です」

僕は剣を構える。

『さぁ、今大會最注目の対戦カード、メルキス選手VSエンピナ選手、試合開始!』

「まずは小手調べだ。この程度でくたばってくれるな? 氷屬魔法“アイスニードル”、5重発

さっきダニエルさんを瞬殺した、5本の氷の杭が襲ってくる。“アイスニードル”は下級魔法だが、達人でも3重発が限界だ。平気な顔で5重発するエンピナ様はやはり別次元だ。

だが、僕には氷の杭のきは全てスローに見えている。

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“キキキキン!”

僕が氷の杭を全て剣で弾き落とすと、観客席が沸き立つ。

「ダニエルを瞬殺したあの技が、全然効いてねぇ!」

「今何にも見えなかったけど、全部弾き落としたぜ!」

「これはどっちが勝つかわかんねぇぞ!」

エンピナ様もし満足そうな顔をしていた。

「我はギフト【五元素魔法マスター】発。これで我は、5屬の魔法を扱える」

基本的に、魔法は1人1系統を極めるのが限界だ。達人が2つ目の屬を覚えることも、なくはない。だが、それはあくまで補助的なものであって、とても実戦レベルにはならない。

だが、エンピナ様のギフト【五元素魔法マスター】は基本5屬全ての魔法を扱えるようにする力がある。これが、エンピナ様の圧倒的な強さを支える要因の一つだ。

「ゆくぞ。

氷屬魔法“アイスニードル”

風屬魔法“ウインドカッター”

火屬魔法“ファイアーボール”

地屬魔法“ロックエッジ”

雷屬魔法“ライトニングスパーク”

同時発!」

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の魔法陣から、氷の杭、風の刃、火球、地面から迫り上がる巖、そして眩い電撃が一斉に襲いかかってくる。

「地屬魔法“ソイルウォール“発!」

僕は足場を作り、天高く飛んで猛攻をかわす。僕がさっきまでいた地面は、5つの元素の魔法によって大きく抉れていた。直撃すればただでは済まない。

「地屬魔法を取得していたか。しかもこの威力。なるほど、そうでなくては面白くない」

再びエンピナ様が攻撃魔法を放とうとする。

しかし僕は、見たことで新しく魔法を習得していた。

〇使用可能な魔法一覧

・火屬魔法”ファイアーボール”

・狀態異常回復魔法”ローキュアー”

能力強化魔法”フォースブースト”

・回復魔法”ローヒール”

・土屬魔法”ソイルウォール”

・植魔法”グローアップ”

・永続バフ魔法”刻印魔法”(ギフト)

・龍炎魔法“サファイアブルーフレア“

・氷屬魔法“アイスニードル”[New!!]

・風屬魔法“ウインドカッター”[New!!]

・地屬魔法“ロックエッジ”[New!!]

・雷屬魔法“ライトニングスパーク”[New!!]

「氷屬魔法、“アイスニードル“発!」

エンピナ様のものよりはるかに巨大な、太さが木の幹ほどの杭を打ち出す。

対するエンピナ様は、炎屬の“ファイアーボール“の5重発で迎撃。相で勝る“ファイアーボール”でも、5発で迎え撃たないと打ち消せないとの判斷だろう。冷気と灼熱がぶつかり合い、蒸気をあげて両者が消し飛ぶ。

「汝、2屬の魔法をこの威力で使うだと? 私と同じく【五元素魔法マスター】を……いや違う。それだけではその威力は説明できぬ。……まさか汝、魔法の源を修めたのか!?

「はい。僕のギフト【源魔法】は見た魔法をコピーできます」

「なんと、素晴らしい……。それは、魔法使いであれば誰しもがする、間違いなく最強のギフトである」

エンピナ様は、うっとりとした表を浮かべる。そして、とんでもない提案をしてきた。

「メルキスよ、我の弟子になれ」

「……え?」

「汝であれば、我が生涯を捧げた魔法研究の果を継ぐに相応しい。常人であれば一生かけても學びきれぬ我が研究果を、汝であれば20……いや10年あれば學び切れるであろう」

「なんて羨ましいんだ!!」

聲がする方を見ると、宮廷魔法使いの皆さんが控えている席だった。國で最高位の魔法使いさん達が、ハンカチを噛んで悔しがっている。

「エンピナ様、どうかわたくしもついでに弟子に弟子にしていただけませんか」

「私も! 雑用でもなんでもします!」

「俺もです! 弟子にしていただけるなら全財産差し出しても構いません!」

「汝らは黙っておれ」

エンピナ様は、振り向きもせずにアイスニードルを発。弟子りを希した魔法使いさん達の顔の真橫を氷の杭が掠める。

「エンピナ様。本當にありがたいお話なのですが。殘念ながら、僕は修行中のであり、同時に村の領主でもあります。10年もの間弟子りすることはできません」

「なんと……まさか我の弟子りを拒む者がいようとは。ふふ、そうでなくては面白くない。それなら、力づくで弟子にしてやるとしよう」

どうやらエンピナ様は本気になったらしい。

「氷屬魔法“ブリザード“!」

エンピナ様が上位魔法を発し、闘技場に冷気の嵐が吹き荒れる。

「——魔法融合発! “ファイアーボール”と“ソイルウォール”を融合、“灼熱と大地の障壁”!」

僕の前にマグマの壁が立ち上がり、冷気を完全にシャットアウトする。

「異なる屬の魔法を融合させただと!? それは、我でも未だ到達できぬ領域。面白い! それでこそ我が弟子に相応しい」

「今度はこちらから行きます! 植魔法“グローアップ“と雷屬魔法“ライトニングスパーク”を融合!“侵食と雷電の黃金樹“!」

エンピナ様の足元が盛り上がり、黃金の樹のが飛び出す。樹のは帯電しており、れれば即昏倒させるだけの威力を持っている。

はエンピナ様目掛けて殺到していく。

「させぬ。“ファイアーボール”5重展開」

火球が黃金樹のを迎え撃つ。だが、樹のも勢いは止まらない。

「——ふぅ。危ないところであった」

樹のに捕まる寸前、エンピナ様は乗りでああるドラゴンの頭蓋骨で急上昇して空へ逃げていた。

「融合した魔法の力。まさかあれほどとは——む? メルキスがおらぬ」

「ここですよ」

僕はエンピナ様の背後に立ち、剣を突きつけていた。

「……いつの間に我の背後をとった?」

「エンピナ様が空へ逃げることは読んでいたので、エンピナ様が飛ぶ瞬間僕も“ソイルウォール”の足場を作って跳びました」

はぁ、とエンピナ様はため息をつく。

「これでは、負けを認めざるを得まい」

エンピナ様はゆっくりとドラゴンの頭蓋骨を降下させて、地面へと降り立つ。

「見事であったメルキス。だがそれはそうと、汝には弟子になってもらう! 我が勝ったら弟子になってもらうとはいったが、負けたら弟子にするのを諦めるとは一言も言っておらぬからな」

「そう言われましても……」

「どうしても教わってもらう。10年とは言わぬ。一度エルフの里へ來るといい。我が研究所で、汝は今より強くなれるぞ?」

「メルキス君、ぜひ行きたまえ!」

そういうのは、ジャッホちゃん。

「ぜひもっと強くなって、もう一度僕に徹底的な屈辱を味わわせてくれ!」

「そこな若造。我が弟子を貴様の異常癖に付き合わせるでない」

「申し出は本當にありがたいのですが、領主という立場上あまり長期間村を開けられなくてですね……」

「そうか。では、こちらから行くぞ」

「本當ですか! それではぜひお越しください! うちの村の食べ味しいですよ」

「そうか、楽しみにしているぞ」

そう言ってエンピナ様は満足そうに去っていった。

『しょ、勝者メルキス選手! 伝説的な試合を見せていただきました!』

會場中から、惜しみない拍手が送られるのだった。

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