《魔力ゼロの最強魔師〜やはりお前らの魔理論は間違っているんだが?〜【書籍化決定】》―60― ホムンクルス
「生きているのか……」
ふと、そう呟きながら、のっそりとベッドから起き上がる。
つまんなそうにこっちを見ているアントローポスの姿が目にった。
アントローポスが気に食わなそうな表をしているってことは俺は生きているってことでいいらしい。
「俺を騙したな」
「結果的に生き殘ったんだから、問題ないだろ。事実、深淵を覗くことはできただろ」
「まぁ、その通りではあるが」
事実、アントローポスの言う通り、俺はイデア界の深淵の一端を覗くことができた。
その結果、俺は一つの魔を手にれることができた。
早速、試してみようと魔石を手に取る。
途端、頭の中に一つの魔構築が流れてくる。あまりにも複雑。よく、これだけの魔構築を理解できたな、と自分でも褒めたいぐらいだ。
「なぁ、魔力量は魔石に含まれている分で足りるのか?」
ふと、心配になったので聞いてみる。
これだけ複雑な魔を発させるのだ。魔力量が膨大になっても不思議ではない。
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「魔力量のなさは、複雑な魔構築でカバーできる。恐らく、問題ないだろ」
そうか、と頷き、俺は呪文を唱えた。
「〈生――人造人間(ホムンクルス)〉」
と。
◆
7つの難問。
魔界において、その言葉は非常に有名だ。
かつて、賢者パラケルススにはできたとされ、その上、原初シリーズにもそのことが解説されているが、しかし、的な方法はなに1つわかっていない7つの魔のことを指す。
俺は、妹の呪いを解くため、あらゆる病を治す〈賢者の石〉の生を功させようと、長年研究してきた。
この、〈賢者の石〉の生こそが7つの難問の1つとされている。
そして、7つの難問といわれるだけあって、他にも6つあるわけだが、その中にこういうのがある。
〈人造人間(ホムンクルス)〉の生。
かつて、賢者パラケルススは功したとされるが、今では全く方法がわかっていない魔。
それがアントローポスの手を借りることで、たった今、目の前で行われた。
気がつけば、アントローポスと瓜二つののが目の前にいた。
「なんだ、これは?」
「自分で言っただろ。〈人造人間(ホムンクルス)〉とな」
〈人造人間(ホムンクルス)〉はガクッと、床に倒れようとする。それを俺は慌てて、け止める。
「のみを作って魂がない狀態だからな。意識が芽生えることはない。今はただの人形だな」
見ると、確かに〈人造人間(ホムンクルス)〉は目を開けることもなく、こうとしなかった。
「魂をいれたらどうなる?」
「もちろん、目覚めるさ」
「なるほど」
確かに、ただを造っただけでは意味がない。だが、魂をれるといわれても、どんな魂をれるべきか見當もつかない。
魂をれた結果、俺に反抗する可能だってあるわけだし。
「なんだったら、我自がってやろうか?」
「そんなこともできるのか?」
「あぁ、我の魂を分割して、もう一方のにるだけだしな。それに、他人の魂をれようとした場合、拒絶反応が起きる可能が大きいからな。我と同じをしているなら、我自がったほうが確実だ」
「なら、やってみてくれ」
正直、魂の分割とかよく理解ができないが、ここはアントローポスに任せたほうがいいのだろう。
すると、アントローポスは頷き、目を閉じる。
「「ほら、これで、どちらも我になった」」
さっきまで眠っていたアントローポスが急にしゃべり始めた。その上、元のアントローポスのほうも同じことを喋り始めたので、言葉が反響する。
「「おっと、2つ同時は制が難しいな」」
とか、言いながら、二人になったアントローポスはちぐはぐなきを始める。
「よしっ、こんなもんだな」
そう口にしたのは、俺が造りだしたほうのアントローポスだ。
「どっちもアントローポスってことでいいのか?」
「まぁ、そうだな。魂は分割したといっても底では繋がっている」
「は増えても意識は1つしかないからな」
「どちらかが死んでも、もう一方のに魂が集約されるだけだ」
と、二人になったアントローポスが互に喋りだす。どっちに目線を合わせればいいのかわからないせいか、聞いているだけで疲れてくるな。
「なぁ、これ俺自も増やすことできないのか?」
もし、できたら便利だろうな、という理由で聞いてみる。
「訓練次第ではできると思うが、あまりおすすめはしないな」
「なぜだ?」
「我は偽神だからできるのであって、人間が同じことをやったら、神が崩壊するわ」
「そういうものなのか。ちなみに、後何までお前を増やすことができる?」
「ん? まぁ、やれるだけやってみるか?」
そんなわけで、〈人造人間(ホムンクルス)〉の複製を始める。
〈人造人間(ホムンクルス)〉を造るのに、魔力はわずかに消費するだけで済むから、魔石に含まれている魔力しか使えない俺でも問題なく、次々と複製ができる。
「待て、流石にもう限界だ……」
をあげたのはアントローポスのほうだった。
ちなみに、今は6目のアントローポスを造ったところだ。部屋にのアントローポスが6人もいるこの景って、冷靜に考えると中々にして圧巻だな。
せっかくなので、近くにアントローポスのをってみる。
小さくても、意外とらかいんだな。
「おいっ、なにをする!?」
あ、反応した。
6も増やしたせいか、ほとんどアントローポスは意識が朦朧としているが、った瞬間、実際にれたアントローポスがんだのだ。
「つい、目の前にあったからな。興味が湧いた」
「どんな理由があろうと、っていいわけがなかろう」
「偽神だから寛容なのかと思ったが、意外とその辺は乙なんだな」
「む……っ、そう言われると、なんか悔しくなってきたな。よしっ、好きにることを許そう。好きなんだろう? 我のが」
とかいって、今度は両手を広げ、自分のを見せびらかす。
「流石に、貧相すぎる。もうし、長してくれないと興しようがない」
「さっきは勝手にってきたくせに、ホントわがままなやつだな」
そうアントローポスは毒を吐いた。
それから、のままは居心地が悪いから服を著たいという本人の希により、全員分の服を用意して、著せることにした。
それから増やしすぎた〈人造人間(ホムンクルス)〉をどうするか? って話になったが、それは〈霊域解放(サンタリオン)〉によって作った霊域にしまうことになった。
次々と、〈人造人間(ホムンクルス)〉を霊域に放り込む姿に、隨分と雑な扱いだ、と思わないこともないが、本人が気にしている様子がないので、別に構わないんだろう。
にしても、霊域も貯蔵庫として考えたら非常に便利だな。今度、いろんなを収納してみてもいいかもしれない。
「それにしても、なんだかんだ俺に協力してくれるんだな」
全員、〈人造人間(ホムンクルス)〉を霊域にしまった後、本であるアントローポスに対し、そんなことを聞いてみる。
「貴様にし興味が湧いた。もしかすると、貴様なら、この世界を滅ぼすことができるかもしれないからな」
ニタリ、と笑いながら彼はそう口にした。
まさか、世界を滅ぼすなんてそんなことを俺がするわけないだろ。
下より評価いただけると幸いです。
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