《貓《キャット》と呼ばれた男 【書籍化】》390 逃亡者と追跡者
一部説明れの部分がありましたので、前のお話「388 西の森の調査」に一部訂正を加えています。できれば、再度読み直して頂くか、あとがきをご覧くださいますようお願いいたします。
「何かが近づいてきます。3……?」
その言葉に皆立ち上がった。
「こっちの方角です。距離は2キロほどのところに2と1.5キロほどのところに1、こちらに向かって走っています。前の1をうしろの2が追っているようなじ……、2の周りに7、いや、8居ます」
コリーンの説明に皆顔を見合わせた後、彼が指さした方を見た。日が暮れ始めた森の中でそれほど見通しが良いわけではなく、それらの姿は見えなかった。ブレンダは焚火を消し、ジュディは鍋や椀といったものを急いで格納呪文を使いしまい込んだ。
「結局、何いるのだ? 蠻族なのか? 人間なのか?」
じれた様子でシェリーが尋ねる。コリーンは地面に耳を押し當てた。
「この振……一番近いところに居るのは人間ほどの重で2足歩行のものです。そこから500mほど離れてかなり重い重で2足歩行……、巨人かゴーレムといった類のものが2、かなり重の軽い四足歩行……大きめの犬かイノシシといった類のものが2、子供ほどの重の2足歩行のものが6です」
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「人間を蠻族が追いかけているのか? 以前マート様からダービー王國で巨人が猟犬のようなものを使って人を追跡していたという話を聞いたことがある。子供ほどの重というのはゴブリンかもしれぬな。私たちに気づいていそうか?」
「いえ、わかりません。あ、一番近いものの進行方向が左にずれました。こちらには來ないかも」
アンソニーがベルトポーチから卵ほどの大きさのまん丸で明な玉をとりだした。なにか作をするとその水晶玉の中に赤い點がいくつか現れた。萬見の水晶球である。その點はコリーンのいうように1つの赤い點を10の赤い點が追跡しているようだ。たしかに進路はこちらではなくしずれている。お互いの距離は徐々に近づいていた。
「大丈夫そうですね。このままやり過ごせそうです」
アンソニーは安堵のため息をついた。
「しかたないわね」
『飛行(フライ)』
ジュディが呟いて呪文を唱えた。シェリーも続けて呪文を唱える。
『飛行(フライ)』
「ジュディ様、いったい何を? 我々が手を出すと蠻族に見つかる恐れがあります」
ブレンダは慌てて尋ねた。
「目の前で蠻族に誰かが殺されるかもしれないのよ。放っておくなんて出來ないわ。シェリー行くわよ」
「はい。ジュディ様。3人は後からで良い。先に様子を見てくる」
2人は勢いよく飛びあがる。あっという間に梢よりも高い位置にまで出た。1キロ程先の左手の方向で木々が揺れている。
「あそこね」
ジュディが指さす。シェリーが頷いて剣を抜いた。
ジュディとシェリーはコリーンたちにそう告げると手をつなぎ、すごい速さでそちらの方に近づいていく。逃げていたように見えたのは若い人間の男だった。皮鎧をに著け、腰には短剣、背中には弓と矢筒を背負っている。追いかけているのは丘巨人(ヒルジャイアント)2、それと2匹の大型の猟犬とホブゴブリン1、ゴブリンメイジ1、そしてゴブリンを4だった
「シェリー、やっぱり人間みたい、助けましょ。丘巨人(ヒルジャイアント)をよろしく。ホブゴブリンとゴブリンで無力化できたのがいればとどめは刺さずにおいてね」
「わかりました」
2人は上空で簡単にそう相談した。ジュディは早速呪文を唱える。
『魔法の嵐(マジックブリザード)』
猟犬を先頭とした追跡者の集団はいきなり攻撃呪文に襲われた。渦を巻いた風の中で青白い魔力の塊が、蠻族たちに続けざまにたたきつけられる。巨人は頭部を両手で守りその場に跪き、それより軽量の猟犬やゴブリンたちはなぎ倒された。そして風がおさまったところに聖剣を抜いたシェリーが突っ込む。
<円剣> 直剣闘技 --- 全周囲攻撃
橫薙ぎに振るわれた聖剣が巨人の腹を切り裂いた。開いた傷口からがあふれ出る。2の巨人たちは懸命に腹を押さえるが流は止まない。
猟犬とほとんどのゴブリンは地に伏したままだ。ホブゴブリンだけは辛うじて立ち上がり逃げ出そうとした。シェリーが近づいて蹴り飛ばすとその場に倒れ伏す。
「ギャヒー」
巨人たち2も悲鳴を上げながら倒れ伏した。
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