《貓《キャット》と呼ばれた男 【書籍化】》405 夜襲6
<躙> 騎乗闘技 --- (騎乗時のみ)敵の防を踏み潰してダメージ
<地> 格闘闘技 --- 踏み込んで毆る
シェリーの騎馬との一となった突撃に対し、霜の巨人(フロストジャイアント)は自分の長より長い金屬製の槍を振り回しながらそれに対抗した。
ガキッ
大質量同士が強烈な衝撃を持ってぶつかった音。そして吹っ飛んだのは霜の巨人(フロストジャイアント)のほうだった。
「ギャヒヒヒ……(おのれ、負けぬ)」
霜の巨人(フロストジャイアント)の肩口から真っ青なを噴き出していた。だが、それを抑えつつ立ち上がる。
「さすがに一撃では沈まぬか」
シェリーは盾を構え、太ももだけで馬をって構える。それに合わせるようにして、霜の巨人(フロストジャイアント)も構えた。みるみる傷口が閉じ出が止まった。なんらかのスキルか魔法かもしれない。
「ギャヒッ、ギャヒ……(聖剣の騎士だと浮かれているのも今のうちだけだ。この槍の錆にしてくれるっ)」
Advertisement
霜の巨人(フロストジャイアント)が振るう金屬製の槍の長さはおよそ8mあった。腕の長さも含めると10mを超える距離からの攻撃が可能である。シェリーは盾をつかいつつもたまに近距離で魔法の矢(マジックミサイル)を放つことにより上手にその攻撃に対抗したが、なかなか反撃の糸口がつかめない。
「何を言っているのかわからぬが、貴様を倒すのが私の使命。観念せよ」
霜の巨人(フロストジャイアント)とシェリーの攻撃の応酬は50合に及んだ。その間は終始巨人が優勢に戦いを進めていたが、シェリーも隙を見つけて反撃するという形で、お互い致命傷を與えるまでには至らない。
その拮抗した2人の戦いの周囲では徐々に人間側が勢いを強めつつあった。霜の巨人(フロストジャイアント)が連れてきた山の巨人(マウントジャイアント)と海の巨人(シージャイアント)たちもアマンダ、リディアの2人が率いる部隊、そしてそれを援護するジュディの活躍によって1、また1と倒されていたし、別の戦場でもオズワルト、アズワルト、そしてワイアットたちが率いる部隊も守護(ガーディアン)ゴーレムの登場の際にはし混したものの、彼らが居なくなってからは徐々に蠻族たちを圧倒し始めていたのだ。
「ヒンギャ、ヒギャ……(おのれ、初撃が躱せず聖剣の騎士を倒せなかったのが失敗か……そろそろ転移呪文も使えるな。こうなれば一度撤退して勢を立て直すか。殘るものは儂の盾となり、死力を盡くし人間どもを一人でも減らすのだ)」
霜の巨人(フロストジャイアント)が呟くと、後ろに下がろうとした。シェリーがそうはさせじと間を詰める。だが、丘巨人(ヒルジャイアント)が3、を差し出すかのようにしてその間を埋めてきた。
「おのれっ、邪魔だっ」
シェリーは聖剣を振り、その丘巨人(ヒルジャイアント)を切り裂いて進もうとした。だがその質量を盾に霜の巨人(フロストジャイアント)は呪文を完させた。
『転移(テレポート)』
霜の巨人(フロストジャイアント)は姿を消した。
「おのれ、また逃がしたか。霜の巨人(フロストジャイアント)は転移したぞ」
シェリーは急いで耳につけた長距離通話用の魔道をタップする。
「わかりました。確認します。これでこの跡と島は落とせます。シェリーは進んで蠻族を掃討してください。油斷しないで」
アレクシアの聲が返ってきた。
「霜の巨人(フロストジャイアント)は逃げ出した。我々は殘る蠻族を片付けるぞ!」
シェリーは大聲を上げた。配下のローレライ騎士団、蠻族討伐隊の面々はそれに応えて大きな雄びを上げた。
読んで頂いてありがとうございます。
誤字訂正ありがとうございます。いつも助かっています。
いいね、評価ポイント、想などもいただけるとうれしいです。是非よろしくお願いします。
尚、前回に第2騎士団のシェリーと共にウィードの街にいたはずのジュディが第1騎士団、ローレライの街の転移門から転移してくるという誤りを犯していることに気が付きました。
そのため、急遽ではありますが、399 転移門での待機場所をそれぞれ変更し、ジュディはローレライに、パーカー騎士団所屬で転移門を開ける魔法使いがウィードに居たという変更を加えて矛盾を解消したいと思います。ご了承ください ><
【書籍化】誰にも愛されないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話【コミカライズ】
両親の愛も、侯爵家の娘としての立場も、神から與えられるスキルも、何も與えられなかったステラ。 ただひとつ、婚約者の存在を心の支えにして耐えていたけれど、ある日全てを持っている“準聖女”の妹に婚約者の心まで持っていかれてしまった。 私の存在は、誰も幸せにしない。 そう思って駆け込んだ修道院で掃除の楽しさに目覚め、埃を落とし、壁や床を磨いたりしていたらいつの間にか“浄化”のスキルを身に付けていた。
8 69【書籍化】天才錬金術師は気ままに旅する~世界最高の元宮廷錬金術師はポーション技術の衰退した未來に目覚め、無自覚に人助けをしていたら、いつの間にか聖女さま扱いされていた件
※書籍化が決まりました! ありがとうございます! 宮廷錬金術師として働く少女セイ・ファート。 彼女は最年少で宮廷入りした期待の新人。 世界最高の錬金術師を師匠に持ち、若くして最高峰の技術と知識を持った彼女の將來は、明るいはずだった。 しかし5年経った現在、彼女は激務に追われ、上司からいびられ、殘業の日々を送っていた。 そんなある日、王都をモンスターの群れが襲う。 セイは自分の隠し工房に逃げ込むが、なかなかモンスターは去って行かない。 食糧も盡きようとしていたので、セイは薬で仮死狀態となる。 そして次に目覚めると、セイは500年後の未來に転生していた。王都はすでに滅んでおり、自分を知るものは誰もいない狀態。 「これでもう殘業とはおさらばよ! あたしは自由に旅をする!」 自由を手に入れたセイはのんびりと、未來の世界を観光することになる。 だが彼女は知らない。この世界ではポーション技術が衰退していることを。自分の作る下級ポーションですら、超希少であることを。 セイは旅をしていくうちに、【聖女様】として噂になっていくのだが、彼女は全く気づかないのだった。
8 172異世界で、英雄譚をはじめましょう。
――これは、異世界で語られることとなるもっとも新しい英雄譚だ。 ひょんなことから異世界にトリップした主人公は、ラドーム學院でメアリーとルーシー、二人の少年少女に出會う。メタモルフォーズとの戦闘を契機に、自らに課せられた「勇者」たる使命を知ることとなる。 そして彼らは世界を救うために、旅に出る。 それは、この世界で語られることとなるもっとも新しい英雄譚の始まりになるとは、まだ誰も知らないのだった。 ■エブリスタ・作者サイト(http://site.knkawaraya.net/異世界英雄譚/)でも連載しています。 本作はサイエンス・ファンタジー(SF)です。
8 109神々に育てられた人の子は最強です
突如現れた赤ん坊は多くの神様に育てられた。 その神様たちは自分たちの力を受け継ぐようその赤ん 坊に修行をつけ、世界の常識を教えた。 何故なら神様たちは人の闇を知っていたから、この子にはその闇で死んで欲しくないと思い、普通に生きてほしいと思い育てた。 その赤ん坊はすくすく育ち地上の學校に行った。 そして十八歳になった時、高校生の修學旅行に行く際異世界に召喚された。 その世界で主人公が楽しく冒険し、異種族達と仲良くし、無雙するお話です 初めてですので余り期待しないでください。 小説家になろう、にも登録しています。そちらもよろしくお願いします。
8 59剣聖と呼ばれた少年、願いを葉えるためにダンジョン攻略~最強がチートスキルで更に最強に~
柊司(ひいらぎ つかさ)は高校一年生にして剣道のインターハイで優勝できるほどの剣才をもつ天才で、世間からは敬意を持って剣聖と呼ばれていた。 そんな順風満帆な日々を送っていた司であったが、決勝の試合後に心臓発作で命を落としてしまう。 しかし捨てる神あれば拾う神あり、死んだ司の肉體を呼び戻し、條件付きではあるが異世界で生き返ることが出來た。その條件とは最初に攻略したものは願いを葉えることが出來ると云われている天の大樹というダンジョンの攻略。司は魔法の習得、剣術との融合、様々なことに取り組み天の大樹をどんどん攻略していく。果たして司は最後まで攻略できるのだろうか、また攻略したその先はどうなるのだろうか。
8 148異世界エルフの奴隷ちゃん
ひょんなことから迷宮都市で奴隷として生きることになったエルフちゃんは、ライバル奴隷の犬耳ちゃんと一緒に『さすごしゅ』ライフをおくっていた。 奴隷の溢れるこの世界でエルフちゃんは生き殘ることができるのか!? チートなご主人さまと、2人の奴隷ちゃんによる、ちょっぴりエッチでときどき腹黒(?)な日常コメディ!
8 185