《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》06.ポーションを作ろう②
一度基本に戻って、本を読破してみることにした私。
やっと二冊までは読み終わったのだけれど、まだ目的の容は書かれていなかった。
だけど、なかなか三冊を読み切るのも大変で、私は今日は三冊目の本を持って、居間で読むことにした。
「紅茶をご用意いたしますか?」
ケイトという名のよく私の実験に立ち會ってくれる侍だ。彼が気を利かせて聲をかけてくれた。
「でも、手をらせて大切な本を濡らしてしまったら困るわ。ケイト、気持ちだけありがとう」
ニッコリ笑って申し出を斷ると、ケイトも笑顔で一禮して去っていった。
「……うーん、ずっとんなものの作り方のレシピが書いてあるだけねえ……」
こんを詰めて読むのにも、さすがに五歳のには堪えてきたので、ついついパラパラとページを流し読みしながらめくってしまっていた。
あれ。『出とは』と題されたページで手が止まった。
なになに……。
『植など原料中に含まれている分を選択的に分離する作のことを言う』
Advertisement
これだわ!
『固からの分を出する場合、一般的にはその原料を水などに漬け込み、可能であれば加熱・攪拌します。また、場合に応じて、原料を事前に細かく砕きます』
「足りなかったのはこれだわ!」
私はケイトを伴って、実験室に急いだ。
◆
「植を砕くのには……」
私は実験室にあるを見回す。
「すり鉢じゃないですか?お料理でも使いますよ。あとは、包丁でみじん切りにするのもいいかもしれませんね」
そう言って、ケイトが陶製のを指さしながら教えてくれた。
「じゃあ、両方を比べてみるわ!」
私がそう言うと、「じゃあ私がみじん切りを擔當しましょう」と申し出てくれた。
うん、お料理したこと無かったから、ケイトがみじん切りするのを見て、初めてみじん切りのやり方を知った……。
まずは、私がすり鉢ですった、癒し草と魔力草を分量通りビーカーの中の水にれる。
そして、魔法の加熱の上にビーカーを乗せて、加熱し始めた。
ビーカーの周りに気泡ができて、小さな気泡が付き始めた。
【ポーション】
品質:普通 ー
詳細:有効分は薄め。だが、やや苦い。
もうしたつと、気泡が大きくなってきた。
【ポーション】
品質:普通 ー
詳細:有効分はやや薄め。だが、苦い。
……あれ。苦いのは困るんだけど。
さらに経つと、時々ポコポコし始めた。
【ポーション】
品質:普通
詳細:有効分は十分出されている。だが、その分苦い。すごく苦い。
……良薬口に苦しとは言っても、すごく苦いのはちょっと……
そして沸騰し始める。
【ポーション】
品質:低品質 +
詳細:有効分が一部失われている。苦味も薄れている。
私は、近くにあった反古紙の裏を使って、この経過をメモにとる。
「品質としていいのは、沸騰前ぐらいで止めるのが良さそうね。……でも苦いのかあ」
とりあえず、すり鉢ですった方は結果が取れたから、みじん切りを試してみよう。
癒し草と魔力草を分量通りビーカーの中の水にれる。
そして、魔法の加熱の上にビーカーを乗せて、加熱し始めた。
ビーカーの周りに気泡ができて、小さな気泡が付き始めた。
【ポーション】
品質:普通 ー
詳細:有効分は薄め。だが、し苦い。
もうしたつと、気泡が大きくなってきた。
【ポーション】
品質:普通 ー
詳細:有効分はやや薄め。だが、やや苦い。
さらに経つと、時々ポコポコし始めた。
【ポーション】
品質:普通
詳細:有効分は十分出されている。だが、その分苦い。
……やっぱり苦いのかあ……
でも、すった時よりみじん切りの方が苦味がないらしい。どうしてだろう?
私はひとまず、みじん切りした材料を元に、沸騰前で加熱を止めたを、布で漉し、ガラス瓶にれた。
苦いけど、一応完……なのかなあ?
「ねえ、ケイト。普通の品質のポーションはできたけれど、苦いのよね。こまったなあ」
私の実験を見守っていたケイトが、私の言葉に首を傾げる。
「お嬢様はどうして使ってもいないそのが普通で苦いポーションだとわかるんですか?」
あ、そうだ!私誰にも鑑定のスキルのことを話してなかったわ!
下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)
駆け出し作家のではありますが、すこしでも
・面白かった
・続きが気になる
と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。
評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。
想もいただけたら、とっても喜びます"(ノ*>∀
【コミカライズ&電子書籍化決定】大好きだったはずの婚約者に別れを告げたら、隠れていた才能が花開きました
***マイクロマガジン社様にて、コミカライズと電子書籍化が決定しました!応援してくださった皆様、本當にありがとうございます。*** シルヴィアには、幼い頃に家同士で定められた婚約者、ランダルがいた。美青年かつ、魔法學校でも優等生であるランダルに対して、シルヴィアは目立たない容姿をしている上に魔法の力も弱い。魔法學校でも、二人は不釣り合いだと陰口を叩かれていたけれど、劣等感を抱える彼女に対していつも優しいランダルのことが、シルヴィアは大好きだった。 けれど、シルヴィアはある日、ランダルが友人に話している言葉を耳にしてしまう。 「彼女とは、仕方なく婚約しているだけなんだ」 ランダルの言葉にショックを受けたシルヴィアは、その後、彼に婚約解消を申し入れる。 一度は婚約解消に同意したものの、なぜかシルヴィアへの執著を隠せずに縋ってくるランダル。さらに、ランダルと出掛けた夜會でシルヴィアを助けてくれた、稀代の光魔法の使い手であるアルバートも、シルヴィアに興味を持ったようで……? ハッピーエンドのラブストーリーです。 (タイトルは変更の可能性があります)
8 121銀河戦國記ノヴァルナ 第2章:運命の星、摑む者
『銀河戦國記ノヴァルナ』シリーズ第2章。 星大名ナグヤ=ウォーダ家の新たな當主となったノヴァルナ・ダン=ウォーダは、オ・ワーリ宙域の統一に動き出す。一族同士の、血縁者同士の爭いに身を投じるノヴァルナ。そしてさらに迫りくる強大な敵…運命の星が今、輝きを放ち始める。※この作品は、E-エブリスタ様に掲載させていただいております同作品の本編部分です。[現在、毎週水曜日・金曜日・日曜日18時に自動更新中]
8 190エルフさんが通ります
エルフの里をなんやかんやの理由で飛び出したリリカ・エトロンシア。 人間の言葉はわかるが読み書きが微妙な彼女がなんとなく町をブラブラしたり冒険したり戀愛?(本人的にはウェルカムラブ)したり犯罪したりするなんとも言えない冒険譚
8 120異世界で美少女吸血鬼になったので”魅了”で女の子を墮とし、國を滅ぼします ~洗脳と吸血に変えられていく乙女たち~
”魅了”、それは相手に魔力を流し込み、強制的に虜にする力。 酷いいじめを受けていた女子高校生の千草は、地獄のような世界に別れを告げるため、衝動的に自殺した。しかし瀕死の吸血鬼と出會い、命を分け合うことで生き延びる。人外となった千草は、吸血鬼の力を使って出會った少女たちを魅了し、虜にし、血を吸うことで同じ半吸血鬼に変えていく。 何も持たず、全てを奪われてきた少女は、吸血鬼として異世界に生まれ変わり、ただ欲望のままに王國の全てを手に入れていくのだった。 異世界を舞臺にした、吸血少女によるエロティックゴアファンタジー。 ※出て來る男キャラはほぼ全員が凄慘に死にます、女キャラはほぼ全員が墮ちます
8 125ひねくれ魔術師が天才魔法使いよりも強い件について
『大魔法世界』この世界で懸命に生きる ひねくれ魔術師の物語 強者揃いの魔法學園で暴れ回る! こちらの作品は様々な事情から『ひねくれ魔術師と魔法世界』に移行しました。 ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
8 187格闘チャンプの異世界無雙 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無雙する〜
東堂院力也は、地球最強の男だ。 ある日、居眠り運転のトラックから少年少女を助けるために、彼は犠牲となった。 「…………む? ここは……?」 彼が目を覚ますと、見知らぬ森にいた。 狀況整理に努めているときに、森の奧から女性の悲鳴が聞こえてきた。 「きゃあああっ!」 「むっ! 女の悲鳴か……。今向かうぞ!」 東堂院力也は駆け出す。 しばらくして、女性の姿が見えてきた。 數人の男に押さえつけられている。 服を脫がされ、半裸の狀態だ。 「そこまでだ! 賊どもめ!」 東堂院力也が大聲でそう言う。 男たちが彼を見る。 「何だあ? てめえは!」 「けっ。通りすがりの冒険者かと思ったが……。見たところ丸腰じゃねえか」 「消えろ。ぶっ飛ばされんうちにな」 賊たちがそう言って凄む。 果たして、東堂院力也はこの賊たちを撃破し、女性を助けることができるのか。 格闘チャンプの異世界無雙が、今始まる。
8 73