《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》16.ハイポーションを作ろう

先日、ダンと一緒に採取に行ってから、まだ作りそびれているものがある。それはハイポーションだ。

ハイポーションは、薬草と栄養剤と魔力草から作る。作り方はあまり、ポーションとは変わらない。

私は、高品質になった薬草と魔力草をちぎって、実験室に行くことにした。

ちなみに、栄養剤は常に在庫があるようにしている。必要があれば、畑への水撒きの時に一緒に撒けるからね。

下処理をした薬草と魔力草をみじん切りにする。そして、これらを全部栄養剤にれる。

そして、魔法の加熱の上にビーカーを乗せて、加熱し始めた。

ビーカーの周りに気泡ができて、小さな気泡が付き始めた。

【ハイポーション?】

分類:薬品

品質:低品質

詳細:有効分はほとんど出されていない。

もうしたつと、気泡が大きくなってきた。

【ハイポーション】

分類:薬品

品質:低品質++

詳細:有効分は薄い。

さらに経つと、時々ポコポコし始めた。

【ハイポーション】

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分類:薬品

品質:普通ーー

詳細:葉の有効分の出が不十分。

そして沸騰前に魔道の出力を下げてっと……。

砂時計を使ってみることにする。

砂時計六回分。これでも、結構待っているのだ。

【ハイポーション】

分類:薬品

品質:普通ー

詳細:葉の有効分の出はまだ可能。

早く出する方法ってないのかなあ……。これじゃあ、一晩見てなきゃならないじゃない。

『錬金門』を調べてみる。

なになに……。

『魔力を注ぐことで出速度をコントロール出來る』

……また大雑把な……。

私は、処理中の薬をよく撹拌して均質にしてから、三つのビーカーに分けた。

……控えているケイトが後ずさった気配がした。うん、また試行錯誤して発しないかを警戒したんだろう。失敬な(ぷんすか!)

まずは一個目。殘りの二個は厚手の布地に巻いて保溫した。

魔力作の要領で、私の両手に魔力が集まるように意識する。

『うーん、じわじわーじわじわー。滲み出ーる』

うん、変わらないね。

【ハイポーション】

分類:薬品

品質:普通ー

詳細:葉の有効分の出はまだ可能。

うーん、と機の上に顎を乗せ、どうしようかなーと考える。

そういえば、魔法教師のユリア先生が言っていたなあ。

『魔法とは、イメージしたものを魔力によって現実化することです。ですから、それが起こる過程や理論、より詳細な結果のイメージをすることで、起きる現象は変わるんですよ』

……的なイメージ……。

私は気を取り直して、ビーカーに両手を添えて魔力を注ぐ。

『葉っぱに含まれるエキスが、どんどん栄養剤の中に溶けだしていく……』

【ハイポーション】

分類:薬品

品質:普通

詳細:葉の有効分の出はまだ可能。

あれ?マイナスが一個取れたような……。

【ハイポーション】

分類:薬品

品質:普通+

詳細:葉の有効分の出はまだ可能。だが一般的なものより品質はいい。

【ハイポーション】

分類:薬品

品質:普通++

詳細:葉の有効分の出はまだ可能。それでもそんじょそこらのものよりいい。

【ハイポーション】

分類:薬品

品質:高品質

詳細:普通品質のものより1.5倍の回復量を誇る逸品。優しい甘味をじる。

やった!出來た!

殘りのビーカーも同様に魔力を注ぎ、高品質なものを得ることが出來た。

結果、ポーション瓶五個分のハイポーションが出來たのだった。

その日の夕方になって、昨日、マナポーションについて、「明日これを國で買い上げられるように渉する!」と意気込んでいたお父様が、落ち込んで帰ってきた。渉が上手くいかなかったというより、騎士団の方から橫槍がったそうだ。

『なんで魔導師団だけがそんないいものを購するんだ!だったら俺たちだって品質の良いポーションやハイポーションがしい!』

……と、子供の喧嘩のような文句が騎士団側から上がったのだという。

「まあなあ、お互いに命懸けでやっているし、良いポーションがしいのはわかるんだが……」

お父様がため息をついて呟いた。

「そういえば、今日やっとハイポーションの高品質なものが出來ましたけど……。品質1.5倍です」

と、テーブルに突っ伏してうなだれるお父様に呟いてみた。

「それだ!」

ガバッとお父様が顔を上げた。

「お前も來い、デイジー!明日もう一度掛け合ってみよう!」

私は明日お父様と一緒に王城へ行くことになった。

下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)

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