《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》47.どんなお店にするか考えよう
この國でお店を開くには、國で管理されている商業ギルドに登録が必要である。そして、商業ギルドに登録できるようになるのは十歳。あと二年あるからじっくり進められるかな。商業ギルドには、早めに挨拶をしておいてもいいかもしれない。
それまでに、どんな店を持ちたいか、対象顧客はどうするか、必要な間取りや畑の規模などを決めて、そこからどれくらいの規模の件がましいかを考える。
そこまで決まったら、アトリエになる件を探す。
問題ないのは多分予算だけかな……。私は使える自分のお金を計算して、ちょっと絶句したところだった。
と、居間で々とメモ書きがてら洗い出しをしていたら、ミィナがやってきた。
「新作の『デニッシュ』なんですが、午後のデザートとして試食してみていただけませんか?」
そう言って差し出された小皿には、親指と人差し指で軽くつまめるくらいの、四角い形に整えた小さなデニッシュがふたつ乗せられていた。デニッシュの上には、カスタードクリームとシナモンがけの煮リンゴ、もうひとつはりんごの代わりにシロップ煮の桃を乗せてある。
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「うわあ、可い!」
私は両手をの前で合わせて嘆した。
その橫で、ケイトがタイミングよく紅茶の準備をしてくれた。
フィンガーボウルも置いていってくれる。
桃のほうを指でつまんで、サクリと半分かじる。ほろりと崩れるサクサクの生地に、とろりとしたカスタードクリーム、そして、優しい甘さで煮られた桃。とろりとしたクリームに生地が溶け込んで口の中で一になる。もう一口口にれて、桃の方を完食する。
「ん~!味しい!」
私は、その甘いデニッシュを絶賛した。
「嬉しい!私が考えて、自分で作ってみたんです!」
ミィナが嬉しそうに破顔する。
ん?ミィナが作った?
「バターばすのも自分でやったの?」
あれはの子には無理よね?と記憶をたどって、質問する。
「あ、あれはですね、バターを最初に薄くスライスしたんですよ。そしたら私でも作れました!」
にっこり笑って答えるミィナ。
うーん、賢い。
ちなみにミィナは、洗禮で頂いた職業も『調理人』なのだそうだ。やはり、神様からの適職には、その職業に対する発想の良さとか技力のびとかにも影響あるのかなあ。適っていうのかしら。実際、ミィナの料理の腕の上がり方は、ボブとマリアからも絶賛されていた。
「あの。デイジー様、先々作られるアトリエのことを考えてらしたのですか?」
立場的に恐しながらも、気になるのか質問してくるミィナ。
「うん。まだ二年あるけれど、どういうお店にするか考え始めようと思って。そうだ、ミィナも來てくれるんだもの、なにか要はある?」
もともと廚房周りの要は、ミィナに確認しようと思っていたところだ。ちょうど良いと思って話を持ちかけてみた。
ところが、返ってきた返事は、予想外のものだった。
「あのですねっ、もし出來たらなんですけれど……アトリエのお隣にパン屋さんを併設って言うのダメですか?このデイジー様考案の味しいパンたちを、ほかの人たちにも食べてしくって……!買って帰るのもいいし、お腹の空いた冒険者さんたちがその場で食べていけるとか……そんなの、いいなあって、思って……」
両手を顎あたりで絡めてモジモジいじりながら、パン作りをするうちに描いた夢を語るミィナ。
この國では、基本的にパンは平民も貴族も各家庭で焼くものだ。現在存在しない『パン屋』という発想が面白いと思った。
「……パン屋さん、かあ。斬新ね!そして、きっと近所に焼きたてのいい香りを振りまくのよね……」
そのパンの焼ける香りで、人を呼べそうな気がした。
ミィナは、うんうん、と大きく頷いている。
「ミィナ、ちょっと隣に座ってくれる?」
私は、私の座っているソファの隣の空きスペースをポンポンと叩いた。
「……失禮します」
お辭儀をしてから、ミィナは遠慮がちにソファに腰を下ろす。
私は、ノートに絵を描きだす。
向かって右側にアトリエの建。アトリエは、口の扉からお客さんがってきて、カウンター越しに接客する。店員側には、劣化防止の効果を付與したポーション類をしまうための特殊な棚がしい。そして、今の実験室規模の調合スペースを奧におく。お金の管理や計算をするスペースもいるなあ。
そして、その左隣に、オープンスペースで食事をしていけるちょっとした場所がある。いくつか置かれた椅子とテーブルでパンを食べている人達。持ち帰り用のパンの見本を飾っておける棚と、衛生面を考えて、実際に商品にするパンをしまって置く棚。そこで働いているミィナがいる。
そして、二階には私たちの生活スペースが必要よね。
と、そんなことがわかって貰えそうな絵を書いてみた。
……絵自は上手じゃないけどね(とほほ)
「はわわわわ……!凄いです!」
でも、ミィナはその絵にしたようで、目がキラキラしている。しっぽの先がぱったぱったとソファを叩く。
「あっ!」
と言って、手で慌ててしっぽを抑えるミィナ。やっぱり可い。
「となると、建の大きさも倍になるし、廚房にはまとめてパンを焼けるような大きなオーブンがあると便利なのかなあ。それとは別に、私たちの食事用の小さなオーブンもあった方がいいかな。うん、建が大きくなれば裏庭も橫に広くなるから、畑スペースも広く取れるかあ」
私は隣に座るミィナに尋ねる。
「パン屋さん併設にすると決めたら、ミィナにしっかりパン作りを含めて料理の勉強をしてもらうことになるけど、頑張れる?」
私の質問に、ミィナは嬉しそうに「はい!」と答えた。
私は店の主人として、経理関係の勉強をしなきゃいけないよね。
大変だあ、と思いながら、殘りのリンゴのデニッシュを頬張った。
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