《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》59.フレッシュチーズを作ろう

紅花の種が手にったので、種から分を出する。

すり鉢で種を潰して、それを量の牛に浸す。種の分が牛に出るまで、かき混ぜながら魔力を注ぐ。

十分に種のエキスが牛に移ったら、布で搾って、エキスり牛は置いておく。

私たちが普段よく飲む牛は、暖かいところに三日も放置すると勝手にヨーグルトになるほど、『酸っぱくなるエキス』はっているので、これは牛の力に頼って追加はしない。

鍋に牛れて加熱で溫め、指先でれられる溫度(お風呂よりもだいぶぬるめ)に溫めたものに、さっきの紅花のエキスがった牛を足す。火を消して錬金発酵させると、牛がヨーグルトからプリンの間くらいのさに固まるので、包丁で関節の長さくらいの間隔で縦橫鍋の底まで切る。

し待つと、部分が滲み出て來るので、火を弱火にして溫める。ゆっくり底の方も攪拌し、再び溫度をぬるいお湯程度にゆっくり上げていく。溫度が上がったら、火を消して蓋をして二刻ほど放置する。

Advertisement

二刻待つと、固形とに分かれているので、ザルで固形部分を集める。

(→これを布で水気を軽く切ったら『ホロホロチーズ』の出來上がり)

ここで、沸騰手前の熱湯と氷水を用意する。丸めて固まったをお湯にれて、それが浮き始めたら、必要ならかくて弾力のある糸のような質が得られるまでばしたり練ったりする(とっても熱いので清潔な手袋かミトンをつけつつ、熱くなったら水で冷やしたりして頑張る!)。

あっつーいのを我慢して作業が終わったら、ちぎって丸めて氷水で落ち著かせ、その後塩水にもし浸す。布巾で水気を拭いて、乾燥しないようにった布でくるんで、一日休ませたら『まんまるチーズ』の完

【ホロホロチーズ】

分類:食べ

品質:良質

詳細:さっぱりしたフレッシュチーズ。サラダにかけると味しい。ケーキ材料にもなる。クリームと混ぜて練ると『クリームチーズ』になる。

あれ。鑑定さんが次のアドバイスをしている……。半分クリームと混ぜてみようかしら。

ぐるぐると遠心分離機を回してクリームを作り、それを『ホロホロチーズ』に練りこんだ。

【クリームチーズ】

分類:食べ

品質:良質

詳細:らかなフレッシュチーズ。パンに塗って食べると最高!ケーキ材料にもなる。

【まんまるチーズ】

分類:食べ

品質:良質ー

詳細:あと一日待て!ミルキーさがたまらないフレッシュチーズになる。そのまま食べても味しいし、オーブン料理に使うと、とろーりとろけて最高!

『いち段落!』

そう思って満足して両方の腰に拳を添えて仁王立ちしていた私に、パン工房の店番をマーカスと代してきたミィナがやってきた。

「デイジー様、今日の実験は一段落ですか?」

キョロキョロと実験室の様子を見ながら近寄ってきた。

「『ホロホロチーズ』と『クリームチーズ』は、これで完、こっちの『まんまるチーズ』達は明日完よ!『まんまるチーズ』は焼くと溶けるらしいわ」

そう言って、カップ一杯ずつの『ホロホロチーズ』と『クリームチーズ』、三つ出來た『まんまるチーズ』を披する。

「『ホロホロ』と『クリーム』をちょっとつまんでもいいですか?」

興味津々といった様子のミィナに、私はうんと頷いて許可を出す。

手を布巾で拭いてから、ミィナは、『ホロホロチーズ』をひとつまみ摘んで口にれる。

「酸味があってサッパリしてますね。サラダにれたら味しそう」

次に、『クリームチーズ』をスプーンでしすくって、口に含む。

「あれ。これは『クレームシャンティ』の代わりにデニッシュにあいそうですね。あ、でもチャイブとニンニクの風味を足したら食事パンにもいいのかも……この『クリームチーズ』し使っていいですか?」

何かいいアイデアが浮かんだらしい。ソワソワしながら尋ねてくるので、私は許可を出した。

「ちょっと待っていてください!」

パタパタと早足でミィナがその場を立ち去り、臺所へ消えていく。

そして、しばらくすると、ミィナがトレイを持ってくる。そこには『ふんわりパン』を薄くスライスしたものを再度焼いて表面をカリッとさせた上に、二種類の『クリームチーズ』が乗せられていた。

ひとつは『クリームチーズ』にすりおろしガーリックとチャイブを練りこんだもの、もうひとつは、『クリームチーズ』に干し杏のシロップ漬けを小指の先程のダイス狀に切ったものを練りこんである。全部三つずつだ。

「「ん~!!(味しい)」」

と二人で悶えていると、パン工房の方の客足が収まったらしいマーカスが顔を出す。

「ちょっと。私一人に店番させて、おふたりで味しいものを抜け駆けですか?」

言葉では文句を言ってはいるが、顔は穏やかだ。味しそうにほお張る私たちの緩んだ顔がそうさせるのだろう。

「ちゃんとマーカスの分もあるわ」

そう言ってミィナに差し出されたトレイから、マーカスが片手ずつに『クリームチーズ』乗せパンを手に取った。そして、チャイブの方を一口で頬張る。

「あ、味しい!『ふんわりパン』にたっぷり塗りつけながら食べたいですね!」

そして、次に杏の方を食べる。

「ん。これはお子さんやけそうです。デニッシュにたっぷり乗せて、ベリー系のジャムとも合いそうです」

そして次の日の晩ごはんに、三人で『まんまるチーズ』の試食會を行った。

焼いてとろーりあっつあつ、そのままスライスして口に放り込めばミルクがじゅわーり。大好評に終わった。

私たちは、満を持してアナさんを夕飯にご招待することにしたのだ!

ホロホロチーズ→カッテージチーズ、まんまるチーズ→モッツァレラです。クリームチーズは、まんま形狀を表現した名前なのでそのままに……。

異世界転生チートだと、この辺名前楽なんですけどね(笑)

次回、アナさんの壯絶な?人生が語られる……かもΣ(゜д゜;)

    人が読んでいる<【WEB版】王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください