《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》74.安全な白を作ろう②
次の日、カチュア達が々品を集めてみたというので、商業ギルドへ赴くことになった。また、鉱石といえばアナさん。彼は私の師匠、大先輩にあたる人だ。事を説明して、ついてきてもらうことにした。
そして、當然、私は作してみた『澱』も瓶にれ持っていく。
商業ギルドの一階にある付へ行って、私は付嬢に名を名乗った。
「デイジー・フォン・プレスラリアと、同伴のアナスタシアさんですが……今日はギルド長と……」
「ああ!デイジー様のご訪問はギルド長から言伝をけてございます。お連れ様もご一緒に、どうぞ、ご案しますわ!」
用件を言おうとするのも遮られ、私たちは早々に上の階にある応接室に通された。
広い応接室には、既にオリバーさんとカチュアがいた。部屋にはたくさんのテーブルが置かれ、その上に様々な鉱石や『白い』が並べられている。ものによっては、既に狀にされているものと両方並んでいるものもあった。
「ほう、これはよく集めたね。流石は商業ギルド長と言ったところかい」
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アナさんは、それらが何かわかっているらしく、興味深げに一つ一つ眺めている。
「デイジー嬢、こちらの方は?」
オリバーさんが私に尋ねてきた。
「私の錬金の師のアナスタシアさんです。鉱石関係に関してはとても知見のある方ですから、お願いして一緒に來ていただきました」
私が、そう言ってアナさんを二人に紹介する。
「それはそれは、私どもの不手際のせいでお手數おかけします。よろしくお願いいたします」
オリバーさんがそう言うと、二人は頭を下げた。
「可い弟子のデイジーが、世話になった友達を助けたいって言ったら、師匠は手伝ってやんなきゃならんだろう。こんな婆さんではなかなかかないけれど、頭に貯めた知識で協力させてもらうよ」
アナさんはにっこり笑って、私とカチュアの顔を互に見る。
その笑顔で、カチュアのかった表も若干和らいだ。
「……デイジー……。ありがとう!」
目に涙を浮かべて走ってきて、カチュアが私に抱きついた。
「怖かったの……。本來なら許されない失敗をして、陛下には溫から挽回の機會を與えていただいたけれど、商品をゼロから生み出すなんて……どうしたらいいかわからなくて、心細かったの。後戻りも許されないし、怖いの」
そう言ってカチュアは震える手で私の背中に腕を回す。
私も、そんなカチュアの背に腕をまわして、ぎゅっと抱きしめ返してから、ゆっくりと手のひらで背をでさすった。
「大丈夫、私も一緒に頑張るから、ね?」
そう言って、ポケットから取り出したハンカチでカチュアの涙をそっと拭った。
「あんたは商人だろう、間違って持ってきたもんよりもずっと付加価値がある良い商品をこの國で作って、相手の國に逆に輸出してやるぐらいのつもりで気張りなさい!もしそれでこの國の産業が増えたら雇用が増えて、さらに外貨を得ることができる。それぐらいの貢獻が國に出來れば、萬々歳じゃないか。最初の失敗なんてほんのかすり傷だよ!」
アナさんが、発破を掛けるように、カチュアの背を叩く。
「……はい!頑張ります!」
カチュアは顔を上げて手で涙を拭いながら、笑顔で頷いた。
「……ありがとうございます!」
オリバーさんも深く深く頭を下げた。そして、頭を上げた表は、を引きしめ強い決意をじさせる。
「じゃあ、始めようか」
そう言い出したアナさんに、私は『澱』を差し出した。
「これ、試しにじゃがいもから取り出した白いです。『澱』って言います。白さはちょっと足りないんだけれど、食べから作ったって言うのは、それだけ安全っていう意味で付加価値にならないかしら?それと、赤ちゃんの汗疹に良いらしいんです」
三人が私の周りに集まってくる。
アナさんが瓶の蓋を開けて、指先にをしとり、それを手の甲に乗せてばす。
「確かに、『白』に比べると白さが足りないですね。けれど、今の狀況だと、安全が高いことはとても良い売り出し文句になる」
オリバーさんが頷いている。
「これはベースのの候補にれておこうかね」
アナさんが言うと、他の二人も頷いた。そして、テーブルの上に『澱』の瓶も並ぶことになった。
そしてひたすら並べられた鉱石達を眺めていく。
【オシロイバナの種子】
分類:植の種子
品質:普通
詳細:種子は児が化粧の真似をしてよく遊ぶ。だが、や種子は、誤食すると嘔吐、腹痛、激しい下痢を起こす。
気持ち:あんまり僕で遊んじゃダメだよ!
誰だ、これ持ち込んだのは。
……ん、これは?
ピカピカの鉱石のそのまわりについた白いが目に付いた。
【亜鉛華】
分類:顔料
品質:良質
レア:B
詳細:亜鉛が空気にれてできた化合。白顔料。日焼け予防や殺菌作用による匂い消しの効果がある。
気持ち:白人にしてあげる。日焼けを防ぐ効果もあるよ!
あ、鑑定を繰り返したことでレベルが上がったみたい。ちょうど項目に『レア』が増えたわ。レアリティを表すのかしら?
それにしても、この亜鉛華って凄いわ!だって、付加効果がいっぱいあるんだもの!
ちょっとその巖石についた白いを指先で拭って手の甲にばしてみる。すると、やや明はあるががはっきり白くなった。
「オリバーさん、これは何ですか?手しやすいものでしょうか?」
「それは、亜鉛と言って、鉱山で採れるものですね。本來は硫黃という有害質が含まれるんですが、『鉱山スライム』というのに食べさせると、浄化して綺麗な亜鉛の塊だけを吐き出すんですよ。我が國の産出量は多いですよ。亜鉛が気になりますか?」
オリバーさんが私の橫に來て、丁寧に説明をしてくれる。
「ううん。亜鉛そのものじゃなくて、その周りの『亜鉛華』がいいの。これ、白いってだけじゃなくて、日焼け止めや匂い消しの効果があるみたい!」
「おや、本當かい!そんな金屬の錆にまでよく気づいたね、あんたは!」
アナさんが私のそばにやってきて、私の頭をぐりぐりでてくれる。
「「……なぜそれを見ただけでわかるのですか?」」
カチュアとオリバーさんは不思議そうにしている。
「今から言うことは絶対にらさないでください」
私は、カチュアとオリバーさんのふたりの顔を互にじっと見つめる。
「それは勿論です。デイジー嬢には、もう命を繋いでいただくこと二度目です。お心に反するようなことはしないと誓いましょう」
オリバーさんは、瞼を伏せ、ゆっくりと頭を垂れる。そして自分のに片方の手のひらを添えた。
「私はあなたの友達、そして、あなたは私の命の恩人で足も治してもらったわ。約束をたがえることはありえないわ!」
カチュアは、に下げた私からのプレゼントのペンダントをギュッと握る。
「私は、【鑑定】スキルを持っています。だから、意識して見ることで、の質がわかるんです」
それを聞いた二人は、驚いた顔をしていたが、なぜだかどこか納得がいったような顔をしていた。
まだまだ続きますよ!٩(ˊᗜˋ*)و
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