《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》77.一大産業の始

日は経過して、今日は國王陛下への報告の日だ。

國側は、國王陛下と宰相閣下と財務卿の三名。

報告者側は、私とオリバーさんとカチュア。アナさんにも來てもらった。そして足元には私の護衛の子犬姿のリーフが伏せをしていい子にしている。

「本日は、お時間を頂戴し有難く存じます。輸してしまった『白』の代替品について目処がたちましたので、本日はそちらについてご説明させていただきます」

まずは、今日の目的をオリバーさんが説明する。

「おお、あれに代わるものが出來たか!」

國王陛下も宰相閣下もほっとした表で喜をうかべる。

すると、オリバーさんが白ベースに青の花々を描いた小さな陶れた、『新しい白』をテーブルの上にだして、皆に披する。

「こちらは、我が國の北部の鉱山で採れる絹雲母を狀にしたものをベースにし、『亜鉛華』という亜鉛という金屬を焼して作ったを混ぜた新製品です。どちらの素材も、毒はありませんし、私どものギルドの職員にてに悪影響がないことも確認済みです。なお、添加しました『亜鉛華』には、日焼けを予防する効果がございますので、より容効果が高いとして売り込むことが可能です」

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オリバーさんが、『新しい白』の説明を丁寧にしていく。

「ほう、ならば、容や新しいものに目のないたちは、こちらに飛びつくだろう!」

既に流通してしまったものから、の心を離せるかを懸念していた宰相閣下は安心した表を浮かべる。

「はい、既に売ってしまった輸の『白』も、この新しく容効果のある『新しい白』と無償換させていただくと広く宣伝して、我がカチュア商會で責任をもって回収したいと思います」

うむ、と宰相閣下が満足気に頷く。

「その周知に関しては、國としても協力しよう」

そう言う國王陛下も満足気だ。

「絹雲母と亜鉛が取れる鉱山の鉱夫を増やさねばなりませんな。そしてそこからの稅収の増加が期待できます。これは早急に対応せねば」

財務卿はやはり立場的にお金のことが気になるようだ。

「陛下、生活に困窮している『鉱夫』の職業持ちを集めるだけでは足らなくなる可能があります。生活困窮者を中心に、『職業に関する特例措置』について教會と調整する必要がありますな」

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國王陛下と宰相閣下と財務卿が顔を見合わせて頷いた。

『職業に関する特例措置』。それは、洗禮式で與えられた『職業』を神の思し召しであることから絶対のものとみなす教會に対して、他の職業に就くことを認めさせる措置である。通常であれば、神はその國に必要な人數の職業を人々に與えていくが、新たに國に産業が起こった場合は、神の分配人數では間に合わないといった事態が起きる。今回の件もそうだし、新しく農地開拓するような場合がそれにあたる。そういった場合は、『特例』として、教會の許可の元その措置が行われるのだ。その場合、洗禮式で與えられた『職業証明書』には、『特例として鉱夫の職に就くことを認める』などという注釈事項が追記される。

「もう一點ご報告したいことがございます。デイジー嬢が、この『新しい白』を探す中で、新たな薬剤を発見されました。これがその品で、『亜鉛華澱』という、疹や汗疹といった皮疾患に散布して効果のある、ポーションなどと比較しますと非常に安く提供出來る品でございます」

ほう、とちょっぴりふっくらした型の財務卿が興味を持ったようで、オリバーさんが差し出した亜鉛華澱りの箱を手に取って眺めている。

「こちらは、亜鉛華と、じゃがいもから取れる『澱』というを半々で混ぜたものになります。分の半分はじゃがいもが原料のため、ポーションが一千リーレするのに対して、こちらはたっぷりの量を販売したとしても二百~三百リーレで提供できます」

その安さに、財務卿が「それは安い!」と反応する。

「陛下、じゃがいもも既に我が國では食料とするのに足る量しか生産しておりません。開拓民を募って農地を開拓する必要がありそうですな。農民が不足するようであれば、こちらも『特例』の調整が必要かと」

宰相閣下が國のじゃがいもの生産狀況を陛下にご説明している。

「その、澱とやらの生産はどうやるのだ?簡単に出來るものなのか?」

亜鉛華澱に興味津々の財務卿が質問してくる。

「これは、じゃがいもをすり下ろしたものを布巾に包んで、よくみ出すことで採取できます。新たにじゃがいも農家となる農民の副業としてお認めになれば、農民たちもただじゃがいもを生産するだけよりも、付加価値のある『澱』をカチュア商會に売ることで、収が増え、その結果稅収も増えるでしょう」

ミィナが作ってくれたのを見ていた私が、説明した。

「……私の汗疹も治り、稅収が増える……素晴らしい」

ボソリと財務卿がらす。

……汗疹で悩んでたんだ……。思わずじっと財務卿を見てしまった。

「では、農地開拓については、國の領地のうち未開拓の土地で行うとしよう。開拓事業を擔う貴族を募れ。開拓の結果次第によっては陞爵の上、その土地を領地として與えることにすれば、希者も出てくるし、果を出そうと勵むであろう。それと、鉱山については亜鉛と絹雲母の増産を指示せよ。また、教會との調整も急ぎ手配せよ。宰相、そなたにこの件の取りまとめ役を命じる」

國王陛下が國で取り仕切るべき事柄をまとめて、それを宰相閣下に命じられた。

そして、國を上げての原材料の増産が始まれば、カチュア商會の出番だ。

こうして、國をあげての一大事業が始し、『白』騒は収束に向けてき出す。

私とアナさんは、新製品の開発の権利金をカチュア商會から貰い、権利を買い取ったカチュア商會が『新しい白』と『亜鉛華澱』の生産を手掛けていく。

先の話になるが、カチュア商會は、まずは安全な白との無償換にあたって非常に誠実な対応を行い、商會としての信頼を取り戻していく。やがて、この騒をきっかけとして、向けの安全な化粧品開発が我が國を代表する一大産業になり、それに力を注いだことを評価されてカチュア商會は大商會へと長していく。そして、鉛や水銀製の白の輸元の國も、安全なカチュア商會の白を輸するようになり、次第に被害は減っていくのであった。

、終結です。キリの良いところで下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)

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