《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》81.素材採取に行こう!

新展開。デイジーは太ったので運しに出かけます(違)

太ったわ……。

なんて言うか、お腹のおへその下あたりがプクッとしているのよね。

「デイジー様、ちょっとふっくらされました?」

ミィナが遠慮がちに聞いてくる。

「ミィナもしこう、ほっぺたがプリっとしてきたわよね」

私も負けじとミィナに指摘する。つんつんと指でほっぺたをつつく。

「私はあんまり変わりませんけどねえ?」

お使い擔當のマーカスは、運量のせいか、あまり型が変わっていない。

「最近、新作開発しては、試食ばかりしていましたからねえ。食べ過ぎですね」

そう言って、私とミィナを互に見比べるマーカス。

「「デリカシーがないわ!」」

マーカスはばっちんと私たちに両頬を叩かれたのだった。

そんな時、マルクとレティアがリィンを伴ってやってきた。リィンの傍には、彼の聖獣の子ライオン姿のレオンがいる。

レオンはリーフのそばに走ってきて、鼻先を近づけて挨拶を始めた。

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「久しぶり、デイジー!あれ?し太った?」

出會い頭にそんなことを言うマルクも、私にジャンプ+パチンとされるのだった。

と出會い頭にそれは無いでしょー」

頬を抑えているマルクにリィンが呆れ顔よ。レティアもその橫で頷いているわ。當然よね!

「酷いなぁ。せっかく素材採取に行く余裕が出來たから、いに來たのに」

頬を抑えながらマルクは口をとがらす。

……素材採取!

「行きたいわ!『賢者のハーブ』と『癒しの苔』を取りに行きたい!」

私は、冒険に行けるワクワクで拳を握って答えた。

「あ、前にそれしいって言ってたね。どこにあるかわかった?」

リィンが尋ねてくる。

そう、前にマルク、レティア、リィンで話していた時にしいと言った素材。上級マナポーションの素材よ!あの後、王妃殿下から頂いた「素材図鑑」で、生えている場所を調べておいたのよね。

「『賢者の塔』の周辺と、『苔むす癒しの窟』の中にそれぞれ生えているらしいの」

うんうん、とレティアは頷きながら地図を広げる。

「そうすると、まず『賢者の塔』がある北西の山岳地帯に寄って、そこから東に山沿いに行けば窟にも寄れるな」

そう言いながら、私に見えやすいようにしかがんで、地図を指でなぞりながら道筋を教えてくれた。

「山岳地帯沿いに行くなら、いい鉱石もついでに採れるといいなあ」

そう言ってリィンも一緒に來る気満々。

「じゃあ四人で行くとして、デイジーは裝備はあるのかい?」

「八歳の時に誂えた魔導師用のローブがあるわ。大きめに作ったからまだ著られるはずよ。それに乗馬用のパンツを履けば、リーフに乗っていけるわ」

私がそう言うと、レオンと挨拶をしていたリーフが私の元にやってきて、ぼふんと音を立てて大きなフェンリルの姿になった。リィンの橫でも、レオンがたてがみが立派な大人の雄ライオンの姿に戻っていた。

「じゃあ、俺たちふたりとリィンもいつもの素材採取用の裝備があるから行けるな。明日にでも出られるかい?」

マルクに聞かれて、私はミィナとマーカスが立っている方を振り返る。

「「店番は任せてください!」」

「ありがとう!不在にする間、よろしくね!」

そういう訳で、実家を出て以來ずっと待ちに待っていた素材採取に行くことになったのだ。

やったーー!

次の日。

私はかつて誂えたローブに乗馬用の薄いズボン、そして、ポシェットを肩から提げている。このポシェットは、空間魔導師さんと付與魔導師さんにお願いして、部には見た目以上に沢山るようにしてもらってあって、しかも中の重さを一切じないように特殊加工されている、私の自慢の逸品なのだ!だからポーション瓶もいっぱいれてきたわ!

やがて集合時間になって、レティアとマルクは馬に乗って、私とリィンはそれぞれの聖獣に乗っている。聖獣たちは、どちらも騎乗をつけて乗りやすくしてある。

集合場所は私のアトリエ前。私のアトリエは、王都の北西門のすぐ近く、そこから街を出ればいいからね。

と、驚いたのはリィンの格好だった。

冒険者のマルクとレティアの格好はいつもの裝備で見慣れているのだが、リィンは皮鎧に、背中に巨大なハンマーを背負っていたのだ。

「えっと、リィン。それがあなたの武なの?」

……いや、その小さい(私と同じくらい)でそれ持てるの?

「ドワーフだからね!力には自信はあるよ!」

そう言って、片手(!)を背中に回すと、背中のハンマーをひょいっと引き抜いて、ぶんっと振り回した!

「なっ?」

リィンは片目をつむってウインクする。

……なって言われても……。

「ミィナ、マーカス、行ってきます!」

「「行ってらっしゃいませ!」」

そうして、門でマルクとレティアは、冒険者ギルド証、私とリィンは商業ギルドのギルド員証を分証として手続きして、王都の門を出たのだった。

「うわぁぁぁーー!」

門を出ると、あたりは街道があるだけで広々とした緑の草原が広がり、空には雲ひとつない青空。時折、爽やかな風が、足元の草むらを凪いでいく。

門の外に出るのは、お父様たちと素材採取して以來だから二年ぶりだわ!

私はその開放に両腕を天にばす。

「デイジー様、危ないですからちゃんと手綱は握ってください」

はしゃぎすぎて、早速リーフに叱られちゃった。

「そうそう、こっから走らせるから、ちゃんと手綱握れよ」

そして私たちは、北西に立っているという賢者の塔を目指すのだった。

リィンの武は、鍛冶師だからハンマーという安直なイメージで決定。

でも、ちびっ子には大きな武、というのが意外があって好きです(*´艸`*)

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