《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》83.おかしな護衛対象
マルクとレティアのボヤキ回(*´艸`*)
魔獣化したダイアウルフ?も無事倒せて、レティアがぽいぽいと死骸をマジックバッグの中にれていく。
「この亜種って売れるのかね?」
レティアは、珍しい素材の値段が気になるみたい。
「皮は立派だし、そもそも亜種で珍しいってことで剝製とかにしたい貴族様もいるんじゃない?」
「そうか」
マルクが答えると、レティアは言葉なだが満足気に笑みを浮かべる。
あれ、レティアの腕に切り傷がある。
「怪我してるね、治すね」
私はポシェットからポーション瓶を取り出した。
「いや、こんなのほっといて平気でしょ」
「ううん、ちょっと実験したいから付き合ってしいのよね」
斷るレティアを制止して、私はポーション瓶をあける。そして、上向きにした『私の』掌の上に蓋を開けたポーション瓶を傾ける。
「……は?何勿ないことして……」
レティアの苦言が途中で止まる。
だって、零れるはずのポーションは、私の掌の上に球を作って浮いているから。
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「「「……」」」
三人とも唖然としている。
レティアからし離れてっと……。私は、回復するべきレティアから距離をとる。そして。
「行け、ポーション弾!」
レティアの腕の怪我目掛けて、ポーションの塊を投げつけた!
『バシャッ』と腕の怪我に命中したポーションは、レティアの腕を綺麗に治していた。
「「「はああぁ?」」」
「ポーション弾ってなんだよ、そんなの聞いたこともないぞ!」
今の一部始終を見ていたマルクが呆れた様子だ。
「ポーションと水魔法のコラボレーション。これなら戦闘中でも治癒魔法みたいに遠くから治せるじゃない!」
私は、実験が上手くいったことに大満足で、エッヘンと無いを張る。
「護衛対象のはずの錬金師がおかしい」
レティアがボソリと呟いた。
「それを言うなら、もっとおかしい前線で戦闘してる護衛対象がいるじゃない!」
私は軽々と片手でハンマーを擔ぐリィンを指さす。
「なんたってドワーフだからね!これくらいの力持ってて當然だろっ!」
「そっちがおかしい!」「いやそっちだ」と言い合いする私たちを、マルクとレティアが眺めている。
「なあマルク」
「ん?どうしたレティア」
「これ、護衛任務っていうより、戦力増加してないか?」
「俺たちAランク冒険者に普通についてくる、兇悪ハンマー娘と、回復師なんだか魔導師なんだか錬金師なんだかわからない後衛か……」
「いっそこの子達を冒険者登録させてパーティ組んでもいいような……」
「……だなあ」
「いつかこのメンツでドラゴン倒したりしてな」
「んで、彼たちにその素材でドラゴンバスターとドラゴンスケイルメイルを作ってもらって」
「……マルク、それは微妙に順番がおかしいぞ。ドラゴンを倒すのにドラゴンバスターがいるんだ」
「そうだったな」
「……まあ、あれを収めてそろそろ出発するか」
そう言って二人は頷きあって、言い爭いをする私たちの仲裁にるのだった。
◆
そして、言い合いも終わった私達はまた馬と聖獣に乗って、街道沿いに走り始める。
先頭から、マルク、リィン、私、そして最後尾をレティアが護っている。すると、私の前を走るリィンの肩になにか黃いものがいるのが目にった。それは、一言で言ったら三角帽子を被った黃い小人のおじいちゃん。かなあごひげが立派だわ。それが、リィンの肩でリィンの耳に何か緒話をしているの。
「……リィン、その黃い人……」
「あ、見えた?これ、土の妖さん」
「「はあぁ?」」
前後にいる二人は當然そんなものは見えてないようで、あたりをキョロキョロしている。
「止まって。この先に窟があって、いいものが採れるらしいぞ」
そう言って、街道を外れて森の中にった先を指さす。みなも馬や聖獣の足を止めて集まった。
「ちょっと寄り道したいんだけどいいかな」
リィンは、ダメと言っても一人で行きそうな雰囲気だ。
「ハイハイ。今回は素材採取の護衛だからね。俺たちは行先に文句をつけずに護るだけだな」
「ああ、そうだな」
マルクとレティアが許可を出す。そして、ボソボソと二人で話し始めた。
「なあレティア」
「なんだ?」
「妖っているのか?」
「さぁな。まあ、規格外なお嬢ちゃんたちが揃っているって言うなら、いるんだろ」
「……そっか」
達観してしまった様子のレティアに比べ、苦労のマルクは、なんだかおかしな達とかかわり合いになってしまったのかもしれない、そう思った。
森にるにあたって、マルクとレティアは馬を降りて、手綱を引いて歩くことにしたようだ。先頭を行くマルクが、ハルバードを振り回して低木や草を薙ぎ、道を作って歩いていく。私とリィンは、聖獣に乗ったまま進む。
當然森の中だから、それなりに魔獣は出てくるんだけれど、豬みたいなイービルボアとか、その上位種のデビルボアが出てきたくらいで、あまり大した戦闘にはならなかった。うん、彼ら相手だと戦力過剰だよね。私が氷魔法で足止めして、サクサクと前衛三人が首を狩って(うち、一名は頭潰して)おしまいだった。
やがて、森が開けて、窟全が氷におおわれた、氷柱が天井から幾重にもぶら下がる窟が目の前に現れた。
それを前にして、リィンの肩の黃い小人さんがうんうんと頷いている。
「うん、ここらしい」
窟の中にモンスターが潛んでいることもある。マルクが魔道のカンテラをマジックバッグから取り出して、先頭に立って辺りを照らして警戒しながら慎重に先に進む。警戒などしなくとも良い狀況であれば、カンテラのがあちこちにぶら下がる氷柱や壁面や天井、足元といった氷の壁に複雑に反して辺りを明るくし、それは幻想的な景に思えただろう。幸いなことに、窟はただ一直線で、枝分かれしたりと言った、道に迷うような要素はなかった。
……ただし、その最奧には、巨大なアイスゴーレムが居たのだが。
ゴーレムとは、本來土や巖でできた巨大な人形のような魔だ。大抵の場合、そののどこかに核となる魔石を持っていて、それを砕かないと何度も再生して倒せないという。しかし、ここにいるのは氷でできたゴーレム様の魔だった。えーっと、誰か火魔法使える人っていたっけ?しかも床面も凍りついているから、アタッカーは踏ん張りが効くのかも怪しい。
……ねえ、リィン。窟にあるのは『いいモノ』って言わなかったっけ?
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