《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》97.実家訪問

なんだか寄り道だらけの採取の旅を終え、私達は北西門から王都に帰ってきた。

アリエルと従魔に関しては、出先で保護しました、という話にして、私が元保証人となり王都へれてもらうことが出來た。

「早いうちに分証明になるものを得てくださいね」

そう言ってれてくれた顔見知りの警備兵さんに謝だわ!

で、リィンに預けていた苔をけ取って、一旦解散する。倒した魔獣たちの換金と、ノーライフキングの被害者の族探し(品の返還)を冒険者ギルドにお願いするとして、そこはひとまずマルクとレティアにおまかせをする。

私はアリエルを伴ってアトリエ・デイジーに久々の帰宅をした。そんな私に、店番をしていたマーカスとミィナが気がつく。

「「おかえりなさい!」」

マーカスとミィナの顔を見るのも久しぶりだ。

「ただいま!留守をお願いした間、困った事とかなかったかしら?」

私は、労う気持ちを込めてミィナとマーカスに留守中の店の狀態を尋ねた。

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「錬金工房の方は、定例の納品も滯りなく済んでいますし、大丈夫ですよ。それと畑の薬草も元気です!」

マーカスは、國への納品の作と納品、配達もしっかりやってくれたらしい。

「パン工房は、いつもどおり順調でした!」

ミィナもぺこりとお辭儀して報告してくれる。

「……ところでそちらのお嬢さんは?」

私の橫で待機しているアリエルを気にして、マーカスが尋ねてきた。

「アリエルって言うんだけれど、旅先で出會って、面倒を見ることになったのよ」

私が紹介すると、ぺこりとお辭儀をしてからアリエルが挨拶をする。

「デイジー様に里を助けていただいたお禮に、ご一緒させていただくことになりました、アリエルです!」

「三階の空き部屋を彼に使ってもらおうと思うんだけれど……」

私がそう言いかけると、ミィナがうーん、と考え込む。

「そこまでお部屋が汚い訳では無いのですが、軽くホコリを取り除きたいですし、寢はお日様に當てたいところですねえ……」

そのままってもらうというのは、家事擔當のミィナとしては納得がいかないらしい。

「じゃあ、実家の客間に泊まれないかお願いしてこようかしら」

私がそう言いかけると、思い出した!といった様子で、マーカスが口を開く。

「そういえば、先日お兄様のレームス様がいらっしゃって、帰ってきたら一度ご実家の方へ顔を出してしいと言ってらっしゃいましたよ?レームス様にしては珍しく隨分慌てておいでのご様子でしたが……」

「じゃあ、準備出來次第二人で実家に行きましょうか。採取してきた植は……」

言いかけると、マーカスが、私がやりますと名乗りを上げてくれた。

「わからないことがあっても、あの畑には『スペシャリスト達』がいますから。教えていただきながらやっておきますよ」

ミィナとアリエルは畑の妖さんたちのことは知らないので、私たちの會話に首を傾げているが、まあ、そのままポシェットから採取してきた薬草たちと、世界樹の枝を取りだし、リィンが置いて行ってくれた苔の付いた巖を預けた。

そして、私は自室で普段著に著替えてから、アリエルと一緒に実家に帰宅したのだった。

自宅前に私は立っている。

……なぜか。

何やら、多分魔法の練習場なのだろうけれど、どがんどがんと音がすごいのだ。

「おかえりなさいませ、デイジーお嬢様。お客様をお連れですか?」

玄関に出向いてくれたセバスチャンが聲をかけてくれる。

「うん私のアトリエで預かることにしたアリエルなんだけれど、まだ部屋の準備が出來ていないので、何日か客室を借りられたらと思ったんだけれど……あの音は何なのかしら?」

「……それは、私の口からお伝えできるほど軽い容でもありませんので……。ささ、アリエル嬢もご一緒に、居間へどうぞ」

私たちは、セバスチャンに案されて、居間へと向かったのだった。

居間にはお母様がいた。

「あらあらデイジー!久しぶりね。デイジーの可いお友達もいらっしゃい」

ささ、座ってと、お母様が座っているソファの向かいに腰を下ろすように促された。私たちは、それに応えて腰を下ろす。

「お久しぶりです、お嬢様」

にっこりと笑って私たちに紅茶の用意をしてくれたのは、懐かしいケイトその人だった。

「ケイト!」

私は、懐かしい顔に嬉しくなって、つい勢いよく立ち上がろうとした。

「もう、お嬢様ダメですよ。相変わらずなんですから……」

私を制して、お茶をれてくれると、ニッコリもう一度笑ってから一禮をして、行ってしまった。

「そうだ、お母様。この子、旅先で出會ったアリエルといいます。私のアトリエで預かることにしたのですが、部屋の用意ができるまでの間こちらの客室を貸していただけませんか?」

お母様が紅茶を一口飲んでから口を開く。

「デイジーが『預かる』って決めたってことは、元に問題は無いんでしょう?なら構わないわ。ゆっくりしていらしてね、アリエルちゃん」

お母様がアリエルに向かってにっこりと微笑みかけた。

「はい!よろしくお願いします!」

アリエルは、元気に返事をして、ぺこりと頭を下げた。

……と、會話をしている間もすごい勢いで音がするのよね……。

「お母様、あの音は……」

「そうそう、デイジー大変なのよ。先日急に教會から『転職の啓示が下った』って、レームスとダリアに連絡が來てね。レームスには『賢者』、ダリアには『聖』の職に転職せよってお達しがあって、転職したばかりなのよ」

「ええっ!」

私は驚いて口をつけようと思って持ち上げていたティーカップを落としそうになったが、かろうじて耐えた。

「しかもね、その前に賢者と聖だった子達は、神様に『相応しくない』と、職を取り上げられたんだけれど、それをレームスとダリアに逆恨みしちゃって……決闘を申し込まれちゃったのよね」

……なんだか実家が大変なことになっている。一神様何考えてるのよっ!

し実家話が続きます!

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