《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》255.デイジーの決意
そこまで読み終えて、私は大きくため息をついた。
……あまりに問題が大きすぎるわ。
そのゲルズズとこの本に書かれているゲルズズが同一人なのだとしたら……。
まず、彼はグエンリール様の時代からずっと生き続けていると言うこと?
それは尋常じゃない。
そして、この本に書いてあることが正しいのであれば……。
やはり、戦爭は『賢者の石』を作るために、起こってしまうということだ。
いや、きっと彼らが起こすのだろう。
……問題が大きすぎて困ったわ。
多分、これはお父様、そして、グエンリール様にゆかりのあるお母様にも相談をした方がいいのかもしれない。
そう思った私は、お父様が仕事から戻られるのを待つことにした。
◆
「「賢者の石だって(ですって)⁉」」
私が、師匠のアナさんから教わったこと、そして、さっきの本からわかったことを説明をする。すると、開口一番、お父様とお母様が大きな聲でび、そして、慌てて他の家の人達に聞こえないようにそれぞれが口元を手で覆った。
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そのあとは、三人で小聲で會話を続けた。
「それに、それの材料に人の魂を求めて、戦爭を引き起こすなんて……なんて酷い。だから、グエンリール様は世俗を厭うて塔に閉じこもってしまったのね……」
お母様は、両手で顔を覆ってしまった。
「……でも、後世になにか手がかりをしたいと書いておられました。あの方のしたたくさんの書から、なんとかする手がかりを見つけ出せたらいいのですが……」
私は、その、わずかな希を口にした。
「でもデイジー。君はもうのほうは大丈夫なのかい?」
お父様が心配そうに私を見つめた。
「アリエルを覚えていますか? のエルフので、お兄様とお姉様の決闘のときに手助けをしてくれた子です」
「ああ、もちろん覚えているよ」
「私は、そののエルフの里と、星のエルフの里の世界樹を救いました。その結果、戦爭以外の方法で魂を収集しようとしたゲルズズのみを、私が絶ってしまったんです。もちろん、まだあと一つ、手がかりがなく救えていないエルフの里は殘っているのですが……」
「デイジー……」
何も知らない人からしたら、突拍子もない話。
でも、アリエルに出會い、一時期とはいえ彼と生活をともにし、エルフという存在を知った。
そして、そもそも緑の霊王様のし子の私を娘に持つお父様とお母様。
だから、私の話を真摯にけ止めてくれたのだった。
「……戦爭という手段にゲルズズを戻らせたのは、私に一因があるんです」
「デイジー。それは考え過ぎだ。君が世界樹を救わなければ、この世界が崩壊していたんだろう? でも、救ったなら、今度は違う手に出る。それは君の問題ではなく、ゲルズズという人の思に過ぎないよ」
お父様の説得の言葉に、私は首を橫に振った。
「いいえ、お父様。私はきっとこの問題に関わる運命にあるのだと思うのです」
「デイジー……」
お母様は心配そうに私の様子を見守っている。
「ねえ、デイジー」
お母様が、ふとらかな表になって、私を見つめた。
「グエンリール様は、賢者でありながら、錬金の道を模索していらしたわ。……もしかしたら、その思いもあったのかもしれない。あなたが、この魔師の家系であるプレスラリア家に生まれながらにして、錬金師の職をいただいたのも、その縁が……想いがあるのかもしれないわね」
「ロゼ! 君まで何を言い出すんだ。私はデイジーをこの問題に関わらせるのは反対だ。これは、大人が大人と対峙すればいい。そういう問題のはずだ! 私は後方で納品をするとかならいざ知らず、デイジーに戦爭なんてものに関わらせるつもりはない!」
お父様は、私とグエンリール様を結びつけて考え出したお母様の言葉を真っ向から反対した。
いつもは穏やかで優しいお父様の厳しい言い。
うん。知ってる。私を心配してくれているんだってこと。
……でも、私にしか出來ない、何かが、あるような気がするの。
「正直、私に何が出來るのかもわかりません。……でも、この狀況で、私は何かしないではいられないんです! なにか、この國を……いえ、この世に生きる人々を戦爭などで命を落とすような事態にならないようにする手立てを探したいんです! きっと、何かあるはずなんです!」
その拠はどこから來るのだろう。
でも、なぜだか私の勘かのようなものが、それが正しいのだと主張をしていた。
のエルフの王、アグラレス様に運命を機織る神達の話を聞いたからだろうか。
それとも、さっき読んだ本の中に、『いつか彼を目覚めさせんとする若き錬金師に贈る』『後の世のためになるような知恵を、わずかでもすため』そう書かれていたからだろうか。
それとも、の因縁をじるからだろうか。
どれのようでもあり、どれのようでもない気がするけれど。
ただ、私は何もしないではいられない。
ただその思いでいっぱいだった。
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