《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》呼び出し
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「なに? ダンジョンでトラブルだと?」
「ええ、ダンジョンの三層で冒険者同士の爭いがありました」
冒険者ギルドの執務室にて、ギルドマスターは職員から報告をけていた。
「めたのは昨年冒険者登録をしたティムというEランク冒険者と、今年冒険者登録をしたEランクの25名です」
「ああ、そう言えばいたな……確かスキルが発現せず、ずっとゴブリン狩りをしていた年だったか?」
ギルドマスターはティムの顔を思い出す。教育期間中真面目に取り組んでいたのが印象に殘っていたからだ。
「彼は確かスキルがなくてゴブリンしか狩れないはずだったのでは?」
「それが……本人曰く『最近スキルを得られた』らしく、事実コボルトを討伐しております」
その言葉を聞いてギルドマスターは眉をピクリとかす。
「なるほど、それで資格を得てダンジョンに潛ったのだな?」
諦めずに挑み続けた果だろう。過去にもスキルの発現が遅かった人間が存在した。
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そう言った人間たちこそ歴史に名を殘していることをギルドマスターは知っている。
「三層と言えば低ランク冒険者の稼ぎ場として有名だったな。恐らくそこで獲の奪い合いが起きたのだろう?」
毎年起きるいざこざの一つだ。一年遅れでダンジョンデビューしたティムがそこで冒険者の洗禮をけたということだとギルドマスターは判斷する。
「とにかく両方の主張を確認する。それぞれがギルドに顔を出したら呼ぶように」
問題が起こったのなら解決する義務がある。
ギルドマスターは険しい顔をすると職員に告げた。
「かしこまりました」
返事をするとギルド職員は出ていく。
「それにしても……」
スキルが発現してすぐ、それもソロでダンジョン三層までたどり著いたティムにギルドマスターは興味を示した。
「もし俺の推測が正しければ、近い將來ギルドを代表する冒険者になるのはそいつかもしれないな」
そう呟くのだった。
★
「ふぅ、結果的には良かったな」
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最初、獲を奪い取られた上におかしなルールを押し付けられた時はどうしようかと思った。だが、お蔭で周囲に湧くモンスターすべてを獨占させてもらったため、レベル上げがかえって捗った。
それにしてもあいつらの顔ときたら……。
俺が魔石を回収している間、ずっと間抜けに口を開けていたのを思い出し笑ってしまう。
「とりあえず、あれだけやったお蔭でレベルも十分上がったな」
俺はステータスを見てみる。
名 前:ティム
年 齢:16
職 業:魔道士レベル15
筋 力:119
敏捷度:102
力:102
魔 力:109+30
神力:106+15
用さ:103+15
運 :87
ステータスポイント:0
スキルポイント:173
取得ユニークスキル:『ステータス作』
取得スキル:『剣レベル6』『バッシュレベル6』『ヒーリングレベル3』『取得スキルポイント増加レベル5』『取得ステータスポイント増加レベル5』『取得経験値増加レベル5』『ライト』『罠知レベル5』『罠解除レベル5』『後方回避レベル5』『アイテム鑑定レベル5』『短剣レベル5』『ファイアアローレベル6』『アイスアローレベル6』『ウインドアローレベル6』『ロックシュートレベル6』『瞑想レベル6』
今回、俺は【魔道士】の育をするため三層を訪れていた。
最初は【斥候】にしようかと考えたのだが、この先に進むのであれば魔法も必要になると考えたからだ。
結果は大正解。レベルが上がるたびに魔力に振り分け、とうとう100を超えた時點でちょうど三層のモンスターを確殺できる威力になっていた。
もし斥候にしていたら新人冒険者に対抗できず時間を無駄に費やしていたことだろう。
「とりあえず【運】以外すべて100は超えたからな。魔道士を20まで上げたら違う職業に変更してみるか」
次は何にするべきか考えながらうとうとしてしまい。気が付けば眠りに落ちてしまった。
「あっ、ティムさんこちらにきてください」
翌日、冒険者ギルドを訪れるといつもの付嬢が慌てて近寄ってきた。
「どうかしましたか?」
「えっと、昨日の件についてギルドマスターが話を聞きたいと」
「えっ? ギルドマスターが?」
思わぬ大に呼ばれて驚いた。
昨日のことで何かしらあるかとは思ったが、そこまで大事になるとは考えていなかったからだ。
「とにかく、こちらに來てください」
付嬢は俺の腕を摑むと奧へとって行くのだった。
「ギルドマスター、お連れしました」
部屋の中にると執務機に腰を預けている中年の男の姿があった。
ただそこにいるだけだというのに凄みを滲ませている。この男がこの街の冒険者ギルドを預かるギルドマスターだ。
ギルドマスターの正面にはソファーがあり、そこには昨日の戦士が座っている。の気の引いたような顔をしており、相當張している様子だ。
「きたか、それじゃあ早速始めるとするか?」
俺に戦士の橫に座るように指示すると、本人は向かいのソファーに腰を下ろす。
ギルドマスターがじっと俺をみて威圧を覚えるのだが、俺がずっと目を合わせていると視線を外された。
「昨日、ダンジョンの三層でお前らが爭った。間違いないな?」
「はい、間違いありません」
「それは……その……」
はっきり答えた俺と違い、戦士はごにょごにょと口元で呟いた。
「どうなんだっ!」
「ひっ! そうですっ!」
テーブルを叩かれ戦士は怯えながら答えた。
「雙方の言い分を聞く。真実を話せ」
「こ、こいつが悪いんだ! 俺たちの獲を遠距離から魔法で奪いやがったからっ! すべてこいつのせいだっ!」
ギルドマスターがそう答えると、戦士は俺を指さしながら罪をなすりつけてきた。
「事実か?」
ギルドマスターが俺を睨みつける。普通なら震えそうになる視線だが、俺にやましい部分はないので平然と流す。
「いいえ、最初に俺の獲を奪ったのは彼らです。そして『先に攻撃を當てた方に権利がある』と主張してきたのでその通りにしました」
「と、こう言っているがどうなんだ?」
「う、噓だっ! 最初に奪ったのはこいつで、俺たちはそのことについて抗議した!」
「確かに、彼らの仲間から多數の報告が上がっており、証言と一致しています」
付嬢が淡々と補足をする。
「へへへ、それが真実だからなぁ」
余裕を取り戻したのか戦士はいやらしい笑みを俺に向けてきた。
「二人とも、何か申し開きはあるか?」
「ざまぁねえなっ! 無能がでしゃばるからこんな問題になるんだよっ! 消えちまえっ!」
橫から煽ってくる戦士の言葉を無視すると、俺はギルドマスターに返事をする。
「彼らの橫毆りから始まったとはいえ、俺も大人げなかったと今では思っています。他に三層を利用していた冒険者には悪いことをしたと」
頭がかっとなって相手の土俵で戦ってしまったが、他にやりようがあったのではないかとここにきて反省する。
「なるほど、どうやら結論はでたな」
ギルドマスターは納得した様子で目を閉じると答えを出したようだ。
「はっはっは、あばよっ! 萬年Fランク冒険者」
「彼を含む25名は半年ダンジョンへの立ちりを止する」
「はっ? えっ?」
ギルドマスターの意外な裁定に俺は目を大きく見開く。
「なんで……俺たち……が?」
ショックをけたのか震えている戦士。
「その時三層にいた他の冒険者から証言が上がっています。ティムさんはあなた方に絡まれてやり返しただけだと。そしてあなた方25名はこれまで他の冒険者にも同様の嫌がらせをしていましたね? その苦も多數上がってきていますから」
「ギルドだって馬鹿じゃねえんだ。當事者同士の証言なんてあてにするかよ。最初から裏はとってあったんだ」
ギルドマスターと付嬢の言葉を聞き、戦士は大きく目を見開いた。
「ふざけんなっ! だったらこいつも出にしろやっ! ギルドがひいきすんのかよっ!」
戦士は俺を道連れにすべくそう主張する。
「彼の態度次第ではそれもあり得たが、今のやり取りで反省しているのが窺えたからな。褒められたやり方でないことは確かだが、今回は軽い警告で構わんだろう」
ギルドマスターはそう言うと俺を見た。
「それでは、そいつらの手続きを頼む」
數人の冒険者がってきて戦士を拘束する。
戦士はまだ何かわめいているが、もはや裁定は覆らないのだろう。
「それでは、私も失禮させていただきます」
付嬢が出ていき、俺とギルドマスターの二人きりになった。
俺も出て行って良いのかどうかで悩んでいると、ギルドマスターは足を組み楽な姿勢をする。
「さて、邪魔ものもいなくなったし、し話をしようか?」
どうやら俺はまだ解放してもらえないらしい。
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