《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》『アップ』の効果

「さて、今日は二層で狩りをするか……」

翌日、俺は一度狩場を二層まで戻していた。それというのは……。

「新しく手にれたスキル『スピードアップ』に慣れないといけないからな」

サロメさんに用意してもらった資料でスキルについての説明を読んだ際、バフ効果がある『アップ』について書かれていた。

これは支援魔法を掛けることでそれぞれの項目を上乗せしてくれるものなのだが、スキルレベルが高くなると支援の効果が高まるのでが結構変わるらしいのだ。

今回『スピードアップ』と『スタミナアップ』のスキルを得た俺は、戦闘スタイルをここらで武に戻そうと考えている。

そのために筋力を優先して200まで上げておいたのだ。

「魔法での戦闘に慣れ過ぎてて最近は武を使ってなかったからな、ウォルターとの勝負で武を使う可能が高いし鍛えておかないと」

俺はショートソードを抜くと支援魔法を自分に掛ける。

「【スピードアップ】【スタミナアップ】」

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筋 力:200

敏捷度:105(+60)

 力:116(+60)

魔 力:224

神力:202

用さ:171

運 :200+10

ステータス畫面を開いていると數字の橫に(+60)と表示された。

これが恐らく支援効果なのだろう。

「敏捷度だけでもかなり上がってるな、この変化は確かに慣れる必要があるか……」

ステータスを急激に振った時とは違うだ。自分のに馴染むというよりは何やら浮ついているじで落ち著かない。

「『支援魔法は使う人間次第で効果の差があり接続時間も変わります』」

説明に書いてあった文を思い出し言葉にする。

恐らくはスキルレベルのことを指しているのだろうが、レベルが1上がることに+10されると考えるとスキルレベルが高い人間ほど優秀な支援を掛けられるということになる。

今の俺でもオリーブさんよりは効果が高いらしい。

「早速、コボルトを倒してまわるかな」

俺は効果をするため二層を周回しはじめた。

「っと! 急にガクンときたな……」

あれからどれだけの時間が経ったのだろうか? 夢中になって狩りをしていたのだが、コボルトと戦っている最中に急に速度が遅くなった。

「確かにこれは慣れが必要だな」

相手が格下のモンスターだから良かったが、支援魔法込みで同格の相手と戦っていた場合、敵は俺のきが落ちた瞬間を見逃さないだろう。

「使うとしたら支援がどのくらいで切れるか把握しておく必要があるな」

支援をかける時に時間を計りたいので、サロメさんに頼んで懐中時計でも買うことにする。

「それで慣れてきてから三層に降りるとするか……」

今は確実に一つずつ積み重ねていくべきだろう。俺は気を引き締めると一度ダンジョンを出るのだった。

「はい? 懐中時計ですか?」

「ええ、手にりませんかね?」

早速冒険者ギルドに戻った俺はサロメさんに頼んでみる。

「勿論手にりますが、そんなもの何に使うんですか?」

どうやら問題なく手にるようだが、用途が気になったようだ。

「ダンジョンって時間の覚が狂うじゃないですか、そのために持っておこうかと思って」

俺が支援魔法を使えることはまだ緒にしておいた方が良いだろう。

を信頼していないわけではないが、短期間に次々とスキルを得ているのは目立つだろうし、ウォルターとの勝負までできるだけ手のを見せたくなかったからだ。

「わかりました。そういうことでしたら明日までお待ちください。用意しておきますので」

急なお願いだったのでもっとかかるかと思ったが流石はサロメさんだ。俺はお禮を言い、まだ時間もあるのでダンジョンに戻ろうと考えていると……。

「ティムさんお待ちください」

「はい?」

サロメさんが呼び止めてきた。

「まさか、またダンジョンに戻られるつもりじゃないですよね?」

「……そのつもりですけど?」

サロメさんは険しい視線を俺に向けてくる。彼は真剣な表で俺に何かを言おうとしていた。

「ティムさん存知ですか?」

「……何をですか?」

いつにない聲に俺はをゴクリと鳴らす。

「かれこれ二週間。ずっとダンジョンに潛りっぱなしだということに」

「!?」

「いいですか、ティムさん。練の冒険者でも週に二日は休みをとるものなんですよ?」

指をピッと立てたサロメさんは俺に言い聞かせるようにそう告げる。

「いや、でも……。そんなに強いモンスターと戦わなければ……」

レベルが上がり、新しいことがどんどんできるようになっていくのが楽しくてついつい休みを取るのを忘れていたのを思い出す。

安全な階層ならばよいのではないかと思い口にするのだが……。

「駄目です。そう言って無茶をして戻ってこなかった人もいるんですよ?」

験した話のようで、し悲しそうに俺を見た。

「わかりました。今日のところは休みますから」

は俺をサポートしてくれている存在だ。

俺のためを思って言ってくれている以上、無礙にできない。

「わかってくれればいいんですよ」

サロメさんの笑顔に見送られながら、俺はギルドをあとにするのだった。

「それにしても暇になったな……」

ギルドを出て街を歩いている。目的もなく歩き始めてしまったがこのままでは數分もすれば宿に著いてしまうだろう。

「そもそも休暇っていってもなぁ……」

スキルを得るまでは本気で余裕がなかったので、俺にとっての休暇は安宿のベッドで一日寢て過ごすことだったのだが……。

「今はそんなに疲れてないんだよなぁ」

今日はほとんど狩りをしていなかったのもあるが、ステータスが上がってからあまり疲れなくなったのだ。

「適當に街をぶらぶらするか……」

そんなことを考えていると、

「あら、ティム君じゃない?」

「本當だ、こんなところで奇遇ですね」

ミナさんとオリーブさんに話し掛けられた。

「こんにちは。お二人は今日は休みですか?」

「うん、ユーゴとリベロが裝備を修理に出してるからね。二日間休みなの」

「ティムさんは?」

オリーブさんが不思議そうな顔で俺を観察する。

晝時にこんなところをうろついているからだろう。

俺はギルドでサロメさんに休むように言われたたことをそのまま伝えた。

「てことはティム君も休みなんだ?」

面白いことを思いついたようにミナさんが笑った。

「だったらティムさん、私たち一緒に遊びませんか?」

に手をやりオリーブさんがそんないをしてくる。

「いや、俺は……」

ただでさえ、どう時間を潰してよいのかわからなかったのに、一緒に遊ぶとなるとハードルが高すぎる。俺は斷ろうと考えたのだが……。

「まてよ……?」

たちは僧と魔道士の魔法を持っている。話をすれば何か報を聞くことができるのではないだろうか?

「勿論無理にとは言わないけど、二人で歩いていると聲掛けられちゃって、落ち著けないのよ」

ミナさんの困った顔とオリーブさんの苦笑いが目に映る。

確かにこの二人が歩いてたら男なら聲を掛けずにいられないだろう。

「俺で良かったら付き合いますよ」

宿に帰るよりは良さそうなので、俺は二人についていくことにした。

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