《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》『パワーアップスクロール』
「ふぁ……眠くなってきた……」
懐中時計を見ると、もうすぐ朝になることがわかる。
俺は遊び人のレベルと運を上げるため、再び三層に籠っていた。
深夜の三層は相変わらず空いている。俺は他の冒険者の目を気にしつつ自に『スピードアップ』と『スタミナアップ』を掛けると、剣で戦士コボルトと戦士ゴブリンを屠りまくっていた。
「全的にステータスがびてきたからな、ここらのモンスターは余裕になってきたな」
支援魔法で敏捷度も上がっているので湧いた傍から近付き剣の一振りで片付けられる。マナポーションは最小限でしか使わないので、魔石が落ちた分だけ収になる。
「なくとも金銭的にはかなり余裕が生まれてきたな」
この調子ならギルドにしている借金を早く返せる。そんなことを考えていると……。
「出たあああああああああああっ!」
「「「!?」」」
明け方のテンションで大聲を出したせいで、周囲で狩りをしていた冒険者たちが一斉に俺を見た。
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その表には怯えが見え、俺が見るとそっと顔を逸らす。
俺はドロップボックスを開けて中を覗き込むと……。
『パワーアップスクロール』
「おおっ!?」
前回の外れと違って有用なスキルのスクロールがでた。
このスキルスクロールがあれば急時に自の力を上げてくれるので冒険者が重寶している。
『ファイアアロー』は威力が自分の魔力に依存しているのは間違いないが、支援スキルは魔力依存ではないらしく、ソロで使ってもそこそこの効果が得られるとか。
冒険者ギルド価格で言うと銀貨25枚になるので普通に売っても味しいのだ。
「そうだ……ステータスは?」
恐らく現在の運のステータス付近がドロップボックスが落ちる條件なのだろう。俺が慌てて確認すると……。
「運330+75か……。多分400超えたあたりかな?」
明け方で眠かったせいでレベルが上がっていることを見逃していたが、戦士コボルトは現在のステータスでスクロールを落としたことは間違いない。
「これは売るよりも取っておいて使うべきだな」
まだ自分で扱えないスキルだけに貴重なので確保しておいた。
「こうなったらこっちのものだ! 狩り盡くしてやるっ!」
完全に目が覚めた俺は立ち上がるとその場に湧くモンスターを凄い勢いで狩り始めるのだった。
「うーん、レベル上げがきつくなってきたな……?」
三層でスクロールが出るようになってから三日目。俺はステータス畫面をみて悩んでいた。
「遊び人レベル21、以前籠った時は三日で魔道士を25まで上げたのに明らかに上がり方が違う」
ステータスで見てもあの頃より強くなっているので、狩ったモンスターの數は落ちていないはず。にも拘わらずこうまでレベルが上がらないということは……。
「職業ごとに必要な経験値が違うということか?」
そう結論づけるしかない。
「一応目標は25までだったんだけど……」
今日の狩りを切り上げたら二日休むようにサロメさんから言われている。
そうすると、ウォルターとの対決まで殘り1週間を切る。
まだ上げやすい『商人』と『斥候』を殘しているからにはそちらを優先してステータスを上げるべきだろう。
「仕方ない、一旦次に行くとするか……」
幸いなことに転職しても良いレベルの想定は超えている。俺は『商人』へと転職するのだった。
「あれ? ティムさん、今日はお休みのはずではなかったんですか?」
あれから、ダンジョンを切り上げて宿で寢ていた俺だったのだが、どうしても気になる部分があったので冒険者ギルドの資料室に來ていた。
「ええ、そのつもりだったんですけど、し調べをしたくて」
「ティムさん、熱心なのは良いけど休むべき時は休まないと……」
呆れた様子を見せたサロメさんはそれでも俺の橫にくると……。
「それで、何を知りたいんですか?」
どうやら付き合ってくれるつもりらしい。
「スキルについてなんですけど『遊び人』や『商人』ってどんなスキルがありますかね?」
「商人はわかるとして……遊び人? それって真面目な質問ですか?」
俺の質問に彼は首を傾げる。無理もない……。
「いや、わからないならそれはそれでいいです」
あくまで冒険者の役割として『戦士』『斥候』『魔道士』『僧』と共通認識されて使っているが、戦士のスキルと魔法スキルを同時に使う人間も、僧の支援スキルと斥候の罠知スキルを使う人間もいたりする。
職業スキルは『このスキルを使えるからこの職業だろう』という程度の認識でしかないのだ。
俺のようにステータス畫面が見えるわけではないからには、あくまで冒険者が組む時に『自分は何ができる』という役割をはっきりさせる程度のものでしかない。
つまり、戦闘をしないので冒険者をしない商人とそもそも認識すらされていない遊び人についてはスキルの報がほとんどなかったりする。
「商人のスキルについては商業ギルド経由で報を調べておきますよ」
「ありがとうございます。助かります」
遊び人に関しては不明のままだが、現狀スキルを取得すらしていないので問題ない。これまでなくても困らなかったので、報がつかめるまで保留で良いだろう。
「そうだティムさん」
早速報を得に行くつもりなのか部屋から出たサロメさんだったが、り口から顔を覗かせる。
「ん、なんでしょうか?」
「今日は私もそろそろ上がる予定なんですけど、もし良かったら飲みに行きませんか? おばさんがティムさんに會いたがってるんですよ」
そう言えば最後にサロメさんと行ったきりだったことを思い出す。
「そうですね、俺はここで待ってるんで終わったら呼びに來てください」
「わかりました。それじゃあパパっと仕事終わらせてきますね」
サロメさんはそう言うと鼻歌を歌いながら立ち去って行く。
前回は二日酔いになってしまったので、今回は呑み過ぎないように注意しようと考えるのだった。
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※書籍&コミカライズ決定しました!書籍第1巻は8/10発売、コミカライズ第1巻は10/15発売です! ※ニコニコ靜畫でお気に入り登録數が16000を突破しました(10/10時點)! ※キミラノ注目新文蕓ランキングで週間5位(8/17時點)、月間15位(8/19時點)に入りました! ある日、月坂秋人が帰宅すると、そこには三人の死體が転がっていた。秋人には全く身に覚えがなかったが、検察官の悪質な取り調べにより三人を殺した犯人にされてしまい、死刑となった。 その後、秋人は“支配人”を名乗る女の子の力によって“仮転生”という形で蘇り、転生杯と呼ばれる100人によるバトルロイヤルの參加者の1人に選ばれる。その転生杯で最後まで勝ち殘った者は、完全な形で転生できる“転生権”を獲得できるという。 そして參加者にはそれぞれスキルが與えられる。秋人に與えられたスキルは【略奪】。それは“相手のスキルを奪う”という強力なスキルであった。 秋人は転生権を獲得するため、そして検察官と真犯人に復讐するため、転生杯への參加を決意した。
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