《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》勝負方法

「ふぁ……ゆっくり寢た」

俺はベッドからを起こすと腕をばした。

今日は休みなので、気が抜けたのかぐっすりと眠りに落ちていたようだ。

ダンジョンに潛っていて、知らず知らずの間に疲労がたまっていたのだろう。サロメさんの言うように休暇を取ったあとの冒険はきの切れが違う。

この2日の休暇で萬全に戻せればと俺は考えていた。なにせ休み明けには……。

「ウォルターとの勝負がある」

今から一月前、あいつらは俺の努力をあざ笑った。

ウォルターはいつもの冷たい目で、レッドは見下すように。

勝負の方法については既にレッドから知らされている。

「今回の勝負は今までにないモンスターとも戦う可能がある」

ウォルターたちはBランク冒険者だ、決して一筋縄ではいかないだろう。俺は拳を握りしめるとステータス畫面を見る。

名 前:ティム

年 齢:16

職 業:戦士レベル25

筋 力:261+50

敏捷度:279

 力:325+50

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魔 力:224

神力:202

用さ:246

運 :446

ステータスポイント:284

スキルポイント:78

取得ユニークスキル:『ステータス作』

取得スキル:『剣レベル6』『バッシュレベル6』『ヒーリングレベル6』『取得スキルポイント増加レベル5』『取得ステータスポイント増加レベル5』『取得経験値増加レベル5』『ライト』『罠知レベル5』『罠解除レベル5』『後方回避レベル5』『アイテム鑑定レベル6』『短剣レベル5』『ファイアアローレベル6』『アイスアローレベル6』『ウインドアローレベル6』『ロックシュートレベル6』『瞑想レベル6』『ウォールレベル6』『バーストレベル6』『魔力集中レベル6』『祝福レベル6』『キュアレベル6』『ハイヒーリングレベル6』『セイフティーウォールレベル6』『スピードアップレベル6』『スタミナアップレベル6』『アイテムドロップ率増加レベル5』『アイテムボックスレベル4』

「だけど、俺だって遊んでいたわけじゃない」

この一ヶ月の間、毎日ダンジョンに籠って必死に狩りをしてきたのだ。その果はステータスにも表れている。

「あいつらがあんな勝負方法を提案してきた理由はわかっているが……」

目の前で俺に絶を植え付けるつもりなのだろう。

「そう簡単に思い通りになると思うなよ?」

俺は決意をするとステータス畫面を消した。

「あっ、おはよう、ティム君」

「お、おはようございます、ティムさん」

食事を摂りに宿の食堂に降りるとミナさんとオリーブさんがいて、軽食をつまんでテーブルを囲っていた。

「奇遇ですね、俺この宿に泊まっているんですよ」

ミナさんに手招きされたのでそのまま席に著く。俺は給仕の娘に朝食を注文した。

「うんうん、偶然だね」

テーブルに肘を乗せてニコニコと笑って見せる。その視線はオリーブさんへと向いていた。

「ミ、ミナっ!」

の様子を観察する。

「その服、この前買ったやつですか?」

「へぇ、ちゃんと気付くなんて中々ポイント高いわよ?」

「買いの時見ていて似合っていたので覚えていたんですよ」

「に、にあっ……!」

何故か顔を赤くして慌てるオリーブさん。その姿は年上とは思えないほどに可らしかった。

ひとまず俺は給仕が持ってきた食事を摂ることにする。

「それで、二人はどうしてここに?」

俺が改めて質問をするとオリーブさんが答えた。

「ティムさんがDランクに昇格したと聞いたもので。おめでとうございます」

「ありがとうございます」

お祝いの言葉を投げかけられて頭を下げる俺とオリーブさん。傍から見ると何をしているのかと思われそうだ。

「おめでとう、ティム君」

「ミナさんもありがとうございます」

サロメさんから聞いてわざわざ訪ねてきてくれたのだろうか?

「もしかしてそれを言うために訪ねてきてくれたんですか?」

俺が疑問を口にすると、

「Dランクになると街のいたるところで優遇がけられるんですよ。もし良かったらティムさんに案して差し上げようかと思ったんですけど……」

最後の方は言葉が小さくて聞き取れない。

「私たちも休みだからね、有な後輩のために街を案してあげようかと思ってね」

「……その代わりまた荷持ちさせたりしないです?」

俺の突っ込みにミナさんが顔を逸らした。

これで謎が解けた、先週に続いて俺を男避けに使うつもりなのだろう。

「ど、どうでしょうか?」

オリーブさんが真剣な顔で見てくる。

とはいえ、案するという言葉も本心なのだろう。

部屋に一人引きこもっていても勝負のことを考えてしまい落ち著かなさそうだ。俺はそう考えると……。

「二人さえ良ければ是非お願いします」

「ま、任せてください」

俺の返事にオリーブさんはを張るとそう言うのだった。

「ウォルター君、考え直してもらえませんか?」

一方その頃、冒険者ギルドではテーブルを囲んで四人の人間が話し合いをしていた。

「考え直すって何をだよ?」

「ティム君との勝負です。こんなことをしても何もならないじゃないですか!」

いよいよ勝負の時が迫ってきた中でグロリアはこの勝負の無意味さを説いていた。

「最近の彼の噂を知っていますか? わずか一ヶ月でDランクまで昇格しています。彼が努力をした証拠はこれで十分じゃないですか!」

ソロでダンジョンに潛っているティムが専屬サポートをけてDランクに昇格した話はウォルターも小耳に挾んでいる。

「そんなのコネに決まってるだろっ! あんな人職員が専屬だぁ? どうやって誑し込んだんだあの野郎?」

レッドは口汚くティムを罵る。

「私としては変にいがみ合うのが面倒なだけだから」

マロンはどちらでも良いというスタンスで問いかける。

「いや、俺は考えを変えるつもりはねえ」

あのティムがたった一ヶ月で長したと言われても信じられなかった。

「じゃ、じゃあ……」

グロリアは眉をしかめるとウォルターの言葉の続きを待った。

「あいつには俺たちが請ける依頼に參加してもらう。そこで冒険者の厳しさを思い知らせてやる」

ウォルターはそう呟くと依頼書へと視線を向ける。その依頼書にはこう書かれてあった――

『レッサードラゴン群討伐依頼』

――と。

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