《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》野営にて……
パチパチと薪がぜる音がし、鍋が火にかけられている。
鍋の中は水で戻した干しとそこらで採取したキノコ類で、味付けと言えば多塩を振っただけ。
これが今日の晩餐で、他にはパンなどを各自が用意している。
現在、俺たちは一日の行軍を終えて野営をしていた。
野外で活する冒険者は討伐依頼を果たすまで山や森に籠りきりになることがよくある。
中には火が使えなかったり、水が確保できなかったりする狀況もあるので、この程度の食事でも腰を落ち著けて食べられるだけ恵まれている方だろう。
し離れた場所には布と縄で作られた簡易天幕が設置されている。
雨風を完全に防げるかと言われると疑問だが、運びやすさと眠れれば良いという點を考えれば十分なのだろう。
「よし、飯は食ったな? そんじゃあ、明日が昇ったら出発だ。それまでは代で見張りに就く。順番は――」
俺はドキリとする。野営の際に見張りをすると聞いたことはあるが、これまで野外での活はゴブリン討伐のみ。
Advertisement
日帰りだったのでやったことがないのだ。
見張りとは言っても、火に薪をくべて絶やさないことと周囲に張り巡らせた罠にモンスターが引っかかったら全員を起こすと、やることは決まっているのだが……。
俺は周りをぐるりと見渡す。
基本的に見張りは2人で行うものなのだ。
レッドは論外としてウォルターとは勝負の最中。
マロンとも仲が良いわけではない。
かろうじて含むものがないのはグロリアだが、見張りの順番はウォルターが決めることになっている。
ウォルターと目が合う。視線から特に含むものはじず、奴は順番に見張りの名前を呼んでいった。
ひたすら目の前の火を見続ける。
一定時間ごとに手元にある薪を放り込み、火を見つめる作業を繰り返し既に一時間が経過した。
何度懐中時計を見ても時間の進みが遅くじる。もしかすると今日の戦闘で壊れてしまっているのではないだろうか?
本來ならこうした時間はステータス畫面を見つめるのに使うのだが、もう一人の見張りがいる以上、不審なきはとることができない。
Advertisement
何もないところを見つめて指をかしていたら変人扱いされるからだ。
「……ねぇ」
そんなことを考えているとマロンが話し掛けてきた。
そう、俺と見張りをしているのはマロン。彼とは同期なので研修期間からの付き合いではあるが、ほとんど絡むことがない。
ウォルターやレッドが絡んでくるときも一応中立ではあったが、そもそも他人にあまり興味がないように見える。
「それ、懐中時計でしょ?」
「あ、ああ……」
「ちょっと見せてよ」
どうやら俺ではなく、懐中時計が気になって話し掛けてきたらしい。
俺はマロンに懐中時計を渡すと……。
「この刻印、ロジェのじゃない?」
「そうなのか? よく知らないんだが……」
「街一番の時計職人じゃない。予約が殺到しているから、手するのに一年は待たなきゃいけないのよ。正確に刻をきざむ針のきとな作りは、一度稼働したら寸分狂うことなく50年はき続けるって有名よ?」
あまりの饒舌っぷりに驚かされる。
サロメさんがあっさりと手にれてくれたから知らなかったが、苦労した様子をまったく見せなかったことといい、彼の人脈はどれだけ広いのだろうか?
「私もいずれはしいと思っていたのに……まさかティムに先を越されているなんて……」
これまで見た中で一番悔しそうな表を浮かべながら俺に懐中時計を返してくる。
「それ、結構な値段したでしょう?」
「……まあ、それなりには」
俺はサロメさんに支払った金額を思い出す。
以前買ったマジックダガーは余裕で買えるくらいの金額だった。
「それをそんなにあっさり買えるってことは……あんた結構稼いでいるわね?」
とうとう懐中時計どころか俺にまで興味を向け始めた。
「ダンジョンでひたすら狩りをしてるだけだからな、そんな実が湧かない」
他の冒険者の収を聞いたことがないので比較できないのだ。
報酬の一部は冒険者ギルドの借金返済に充てているし、最近では通貨でけ取らずサロメさんから口座殘高を教えてもらう程度だ。
「そろそろ、代の時間じゃないか?」
懐中時計を見ると、ちょうどウォルターが言った時間になっていた。
マロンはゆっくりと立ち上がる。
「やっぱり野外活にはあった方が良いわよね、私も一つ買っておこうかしら」
そう言って天幕へと向かう。その途中俺の橫を通り過る際に、
「そうだ、あんた魔法の才能あるわよ。スクロールで出す魔法の威力は魔力に依存してるからね。この機會にスキルを覚えておくといいわよ」
肩を叩きながらそう言うと天幕へとって行った。
「なんだったんだ?」
懐中時計を見せたあとから、今までよりも友好的な態度を見せ始めたマロンに困する。
しするとグロリアが天幕から出てきた。
「……う、もう代?」
眠いのか目をりながらフラフラと歩いてくる。
地面には石も落ちているので、踏み外したりしないかと考えながら見ているのだが、どうやら寢ぼけていてもそこは注意しているようだ。
危なげなく近づいてくると、さきほどマロンが座っていた石に腰を下ろした。
「ほら、目覚ましに飲むといい」
彼のコップにお湯を注いで渡してやる。
「ありがとうございます、ティム君」
彼はコップをけ取るとらかい笑顔を見せた。
「ふーふーふー」
息を吹きかけて湯を冷ましてから飲む。じっと見ているのも悪いので俺は火の管理へと戻った。
しばらくして、顔を上げるとグロリアが俺を見ている。
「どうした?」
微だにしないので不思議に思って話しかける。
「こうしてティム君と一緒に冒険しているのが不思議な気がして」
「まあ、俺はこうなるまでに々と出遅れていたからな……」
スキルが発現せず、それでも冒険者を諦める覚悟が持てず、延々とゴブリンだけを狩り続けた。
今でこそ『ステータス作』のお蔭でソロ活をやれるようになったが、當時の俺ですら今の狀況を想像していなかったので、グロリアがそう思っても不思議ではない。
「でもそれだけに、私はティム君が心配なんです」
「どういう意味だ?」
俺は訝しんだ目をグロリアに向ける。
「今回の依頼はレッサードラゴン群の討伐、今日戦ったオークなんかとは比べにならないくらい強いモンスターです」
「それは知っているが……」
ゴブリン・コボルトはすべてのモンスターの中で最弱になる。
オークはそれよりも強いのだが、レッサードラゴンの群れはそんなオークよりも更に強かったりする。
「私はこの勝負、続けるべきじゃないと思っているの」
彼はコップを握り締めるとそんな言葉を口にした。
「今からでも遅くないから、ティム君。勝負は止めにしよ? ウォルター君には私からも取りなすからさ」
様子が変だと思っていると、どうやらグロリアは俺の心配をしてくれていたようだ。
無意識に口の端が吊り上がる。
「……それ、ウォルターにも話をしたのか?」
「え、うん。勝負を開始するギリギリまで説得は試みたよ」
「それで、やつはなんて答えた?」
言い辛いのか、彼は一瞬言い淀んだ。
「……『考え直すつもりはねぇ、奴には冒険者の厳しさを教えてやる』って」
その言葉を聞いて俺の頬は緩んだ。
「ティム君?」
そんな俺の変化に気付いたのか、グロリアが首を傾げる。
「勝負の撤回はしない」
俺はきっぱりとグロリアに答える。
代の時間になったので、俺が立ち上がるとグロリアは焦って近付いてきた。
「どうして! ティム君はもうDランク冒険者になっている。努力の果なら既に示しているじゃないっ! これ以上危ない目にあってしくないよっ!」
腕に縋り付くグロリア。そんな彼を見ていると怒りにも似た悲しみが湧き起こった。
俺は今まで彼にだけはそのようなを抱いたことがなかったのだが……。
「今回の件に限ってだが、ウォルターやレッドの方が正しい」
「えっ?」
俺の言葉の意味がわからないのか、グロリアは聞き返すと固まった。
ウォルターもレッドもマロンも、日中に見せた俺のきのあと『帰れ』とは言わなかった。
だが、グロリアだけはそれに近い意味を口にしたのだ。
「結局、お前が一番俺の力を信じていなかったわけだ」
俺の悲しみに満ちた言葉に、彼は口元に手をやると大きく目を見開いた。
《書籍化&コミカライズ決定!》レベルの概念がない世界で、俺だけが【全自動レベルアップ】スキルで一秒ごとに強くなる 〜今の俺にとっては、一秒前の俺でさえただのザコ〜
【書籍化&コミカライズ決定!!】 アルバート・ヴァレスタインに授けられたのは、世界唯一の【全自動レベルアップ】スキルだった―― それはなにもしなくても自動的に経験値が溜まり、超高速でレベルアップしていく最強スキルである。 だがこの世界において、レベルという概念は存在しない。當の本人はもちろん、周囲の人間にもスキル內容がわからず―― 「使い方もわからない役立たず」という理由から、外れスキル認定されるのだった。 そんなアルバートに襲いかかる、何體もの難敵たち。 だがアルバート自身には戦闘経験がないため、デコピン一発で倒れていく強敵たちを「ただのザコ」としか思えない。 そうして無自覚に無雙を繰り広げながら、なんと王女様をも助け出してしまい――? これは、のんびり気ままに生きていたらいつの間にか世界を救ってしまっていた、ひとりの若者の物語である――!
8 166HoodMaker:幼馴染と學生起業を始めたのはいいが、段々とオタサーになっていくのを僕は止められない。<第一章完>
受験戦爭を乗り越え、再會した幼馴染五人は學生起業を始め、なんとその勢いのまま事務所まで手に入れてしまう。売り上げは一體どこまで伸びるのか。そして彼らが始めた起業とは――。 ――そんな中。仲間やバイト先の先輩から、アニメや漫畫、ギャルゲに影響を受けた禮夢は段々と「創作」に魅かれていく。 人は何故創造するのだろうか。何故それを求めるのだろうか。 そんな人に話す程でもなく、でも胸の中に殘り続ける疑問に答える人間が現れる。 名を「雪代雨(ゆきしろ あめ)」 彼女は問う。 —もし一つ願いが葉うのなら何が欲しい— これは自分の中の価値観と向き合う少年少女の物語。
8 191ロング・ロング・ラブ・ストーリーズ 4度目のさようなら that had occurred during the 172 years
昭和38年の春、高校1年生の少女が林 の中で、突然神隠しに遭った。現場には、 血塗れとなった男の死體が殘され、偶然 その場に、少女と幼馴染だった少年が居 合わせる。そして男は死に際に、少年へ ひとつの願いを言い殘すのだった。 20年後必ず、同じ日、同じ時刻にここ へ戻ってくること。そんな約束によって、 36歳となった彼は現場を訪れ、驚きの 現実に直面する。なんと消え去った時の まま、少女が彼の前に姿を見せた。20 年という月日を無視して、彼女はまさに あの頃のままだ。そしてさらに、そんな 驚愕の現実は、彼本人にも容赦ないまま 降りかかるのだ。終戦前、昭和20年へ と時をさかのぼり、そこから平成29年 という長きに亙り、運命の糸は見事なま でに絡み合う。 そうしてついには100年後の世界へと、 運命の結末は託されるのだ。 172年間にわたって、時に翻弄され続 けた男と女の物語。
8 97俺、覇王になりました。
主人公の転道 覇道は全てに置いて卓越した才能をもっていた。とある中3の夏に寢ていると転生神によって転生させられてしまう。_これは主人公の覇道が最強になるお話です。_
8 70事故死したので異世界行ってきます
このあらすじは読まなくても物語には、全く差し支えありません。 24歳男性 鈴木祐介が 不慮の事故で亡くなり。 異世界転生をし、そこで異世界ライフを送るだけのストーリーです ※ 一部過激描寫等が含まれます苦手な方は閲覧お控えください。
8 162最近追放される方が多いみたいなのでパーティーに誘ったら最強ハーレムパーティーができました!?
Sランク冒険者であるジェイクはソロであった。 もともとはパーティーを組んでいたのだがわけあって幼馴染と義妹とのパーティーを解消しソロで活動していた。 しかし彼がパーティーから、「女が剣士とかないわ」 というふざけた理由で追放された女剣士エイダと出會うことで物語は始まる。 これはジェイクとふざけた理由でパーティーから追放された冒険者との出會いそして成長…?の物語である! ⚠︎復讐は保険です。 あまり復讐物っぽくはおそらくですがならないとおもいます! タグにはありませんが割と主人公最強物です。 決して無雙ではないですがかなり強い部類ですし、ヒロイン達もめちゃくちゃ強いので主人公のパーティー最強物です! なろうのほうでも連載しています。(日間ランキング総合12位、ジャンル別7位ありがとうございます) コメントしてくれると喜びます。
8 53