《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》戦士レベル30

翌日になり、俺たちは行軍を再開した。

先頭にはレッドが立ち、ウォルターとグロリアにマロン。最後方を俺が歩いている。

昨日までは、ときおりグロリアが振り返ってこちらを見ていたのだが、今朝からは一度も目を合わせていない。

昨晩のことが影響しているのだろう。

俺は誰にも気づかれずにためいきを吐く。

グロリアに悪気がなかったのはわかっているのだ。

もとよりスキルが発現しない狀態で冒険者を続けていた俺にまめに話し掛けてくれた彼には謝している。

だが、彼が俺を保護対象としか見ていないと思える発言を聞いてしまい、苛立ちを覚えたのだ。

俺は一人努力をしてきた。それを踏みにじる発言を聞いて思わず言い返してしまった。

前の方ではレッドとウォルターが、マロンとグロリアが話をしている。

俺は1人警戒しつつ道を歩き続けた。

「ふぅ、久々に1人になれたな……」

依頼をけてから三日目、俺たちは補給のため宿へと泊まっていた。

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ウォルターたちは酒場へと繰り出しており、俺は1人先に宿に戻っている。

「それにしても、にしていると不便だな……」

俺はアイテムボックスを開くと用意していたアイテムを見る。

広く頑丈な天幕や暖かい寢袋などなど。旅を快適にするため、先週オリーブさんたちに案された割引してもらえる店で買っておいたのだ。

だが、アイテムボックスの存在をウォルターたちに明かす気にはならず、利用する機會を失っていた。

「あいつらにこれの存在を教えたらどうなるか……」

昔から俺を侮っている連中だ、アイテムボックスを使えるとなると利用しようとするに決まっている。

奴らの荷を持たされた挙句パシリのような扱いをけるのはごめんだ。

俺はアイテムボックスに用意してあった料理を食べながらステータス畫面を見ていた。

「それにしても、戦士が30まで上がるとはな……」

ウォルターたちがけた依頼先に向かうまでに遭遇するモンスターは、ダンジョン四層までに比べると隨分と強く、経験値を多く獲得できた。

お蔭で『剣』『バッシュ』のスキル上限が解放されており、俺は早速『剣』に振るのだが……。

「悪い方の予想が當たった」

113あったスキルポイントが109に減っている。

俺の記憶が確かなら、スキルレベル6まで上げるのに使ったポイントが2だったので倍に増えている。

もしかしたら順に1つ増えるくらいかと考えていたが、取得難易度が高いスキルレベルの方がポイントも大量に必要になるということだろう。

検証をした結果、俺はバッシュのレベルを上げるのをやめておく。最近では剣は相手の攻撃を捌くのがメインになっていてそんなに使っていない。

借金をしてまで買った武能が良いので、攻撃力は足りていて今のところ不自由しないからだ。

「そろそろステータスポイントも振り分けないとな……」

レベルが上がったので、現在殘っているのは334。上げるなら300超えが間近な筋力と敏捷度だろうか?

現時點でウォルターやレッドよりも遅い點は否めないので、上げておけば俺がモンスターを倒せる確率が上がる。

「多分パーティー組んでないから経験値は自分で倒した分だけだからな……」

一緒に依頼はけたが、パーティーりは拒否されている。

萬が一俺に何かあった際、パーティーを組んでいた場合であればリーダーであるウォルターの過失になるからだ。

今回の依頼はあくまで二つのパーティーの合同依頼ということになっているのだ。

そう考えると、比較的安全に強いモンスターと戦える狀況は最大限利用したい。

この先レベルが上がってステータスポイントが必要になりそうな『筋力』と『敏捷度』を先に300まで上げきってしまうのが正解だろう。

この冒険中はウォルターの目があるので前衛で戦うことになるのでステータスを振り分けた。

「よし、あとは魔力だな。追撃で魔法を使うことも多いし……」

マロンからのアドバイスを思い出す。彼は休憩時間に俺にアロー系スキルを教えようとしてきた。お金を取るようだが良心的な金額を提示されたので拒否するのが大変だった。

このまま教わって、取得したふりをしても良いのだがそれはそれでマロンが調子に乗りそうなのでためらう。

俺は魔力を300まで上げると……。

名 前:ティム

年 齢:16

職 業:戦士レベル30

筋 力:300+60

敏捷度:300

 力:335+60

魔 力:300

神力:202

用さ:246

運 :446

ステータスポイント:1

スキルポイント:109

取得ユニークスキル:『ステータス作』

取得スキル:『剣レベル7』『バッシュレベル6』『ヒーリングレベル6』『取得スキルポイント増加レベル5』『取得ステータスポイント増加レベル5』『取得経験値増加レベル5』『ライト』『罠知レベル5』『罠解除レベル5』『後方回避レベル5』『アイテム鑑定レベル6』『短剣レベル5』『ファイアアローレベル6』『アイスアローレベル6』『ウインドアローレベル6』『ロックシュートレベル6』『瞑想レベル6』『ウォールレベル6』『バーストレベル6』『魔力集中レベル6』『祝福レベル6』『キュアレベル6』『ハイヒーリングレベル6』『セイフティーウォールレベル6』『スピードアップレベル6』『スタミナアップレベル6』『アイテムドロップ率増加レベル5』『アイテムボックスレベル4』

「殘りステータスポイント1か……ちょうどだったな」

これでステータスが300を超えていないのは『神力』と『用さ』だけとなった。

この二つは『魔道士』『斥候』『僧』を上げなければ平気なので、他の職業でステータスポイントを稼いでからでも遅くなさそうだ。

「職業をどうするかな……?」

現狀、道中での戦闘は安定している。

1人ではないことで警戒する範囲を絞ることができるので、思い切った立ち回りが可能になっているのだ。

「スキルレベルの上限を解放するならそれぞれ30まで上げておきたいところだが……」

戦士を30まで上げたことでスキルレベルが6から7に解放される條件がはっきりした。

それならばウォルターたちがいてモンスターが分散できる今のうちに他を上げておきたいと考える。

そう考えると次は商人……いや、途中で止まっている遊び人を上げるべきか……?

「問題は、ダンジョンじゃないからドロップボックスも魔石も関係ないことだな」

遊び人にすると職業補正が運しかつかない。外での活で運が上がったところで意味がない。それどころか力が落ちる分デメリットの方が大きい。

そう考えるとやはり商人一択か……?

「まてよ……?」

俺は商人に切り替えようと職業選択畫面を見ると、あることを思いついた。

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