《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》ガーネット『取得スキルポイント増加』取得

「はぁはぁはぁ、次です」

モーニングスターを振り下ろすとプチゴーレムが倒れる。

今日だけでガーネットが屠ったモンスターの數は100を超えているだろう。

「ガーネット、今日のところはここまでにしておこう」

俺はステータス畫面を見るとそう呟く。

現在、彼の見習い冒険者レベルは12だ。レベル10に達したところで、新たに『取得スキルポイント増加』のスキルを取得できたのだが……。

「……はい」

一日中モンスターと戦っていたせいか、返事に元気がない。

無理もない……。

普通の職業であればこれだけ戦えばレベルも上がり、難易度が落ちてくるはず。

だが、見習い冒険者のステータスの上昇値は本気でない。

なのでどれだけ倒しても長の実を得られることがなく、疲労となって降りかかってきているのだろう。

明日になってレベル15で『取得ステータスポイント増加』が出現してくれれば良いのだが、スキルを取得した後はやはり一度職業を変えるべきだろう。

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俺はそう判斷すると、彼を連れてダンジョンを出た。

「すみません、買取をお願いできますか?」

「はいよっ! これは凄い量だな。あんたら二人で狩ったのかい?」

ガーネットが聲をかけると、中年の男が驚きながら聞いてきた。

ここは王都にある冒険者ギルドの支部、その野外倉庫前だ。

買い取る品が多かったり、馬車で売りに來た場合はこちら側に直接行くことになっている。

俺は、今日の冒険の前にあらかじめ馬車を借りておき、冒険者ギルドにる前のところでアイテムボックスを開いて本日収集したアイテムを出しておいた。

が鉄鉱石なので、數人の男が次々と運び出していく。

「……なんだか、大変そうで申し訳ないです」

そんな男たちをみたガーネットが顔を近付けると耳打ちをしてきた。

鉄鉱石は1つ3キロ程なので、本日の狩り分に加えて俺が先日狩った分もいれて100個。300キロとなるので、それを馬車から下す作業はなかなかに大変そうなのだ。

「仕方ないさ、スキルを見せるわけにもいかないし」

サロメさんになら打ち明けているので問題ないが、こんなところでアイテムボックスを見せて目立つのは本意ではない。

「それにしても『アイテムボックス』って便利なのですね。これがあれば著替えやを拭くための水なども運べてだしなみを整えることができますね」

かさばるアイテムを運べて便利な點はその通りだが、ガーネットもということか、使用目的が俺と異なった。

「これは商人レベルが25で手にるから。ガーネットがしいならどこかで上げておかなきゃならないな」

「図々しい注文で恐です」

俺が計畫について話すと、自分がおねだりをしたから答えたのだと彼は勘違いしたようだ。

「そんなことはないから、気にするな」

ガーネットとパーティーを組むことで俺のスキルについて々検証できる部分もある。

例えばドロップボックスの出現だったり、スキル取得の條件だったり。

を一人前にして送り出すのは俺が決めたことなので、こうなったら徹底的に強くして周囲に文句を言わせない存在にしてやろうと思っている。

「お待たせしました、馬車のレンタル代を差し引いて銀貨180枚になります」

そうこうしている間に算が済み、中年の男がお金を渡してくる。トレーには袋が2つあり、半々に分けてくれるように頼んでいたのだ。

「ほら、ガーネット」

俺はけ取った袋の片方を彼へと差し出した。

「いえ、け取れません。荷を運んでいただいたのはティム先輩じゃないですか」

「それを言うのなら倒したのはガーネットだろ」

「それは、ティム先輩ならもっと早く倒せましたから……」

け取ろうとしないガーネット。

「確かに今は俺がガーネットに教えている立場だが、パーティーを組んでいるからには仲間でもある。俺は自分の仲間から搾取するようなことはしたくない」

が何と思おうが、今日一日努力していたのを俺は知っている。真剣な目で見ていると、彼はじっと俺を見つめ返してきて、やがて……。

「そこまでおっしゃるのでしたらけ取らせていただきます」

銀貨がった袋をけ取った。だが彼は頬を赤らめると、

「私などを仲間と認めていただけたことには嬉しいです。だけど、やはり謝の気持ちを忘れることはできません。なので、今回のこれは借りということで覚えておきますので」

意外と頑固な一面を見せるガーネット。俺はなんだか可笑しくなってしまい……。

「そうだな、俺が危険になった時に助けてくれればいいさ」

いつかそんな日が來てもおかしくないなと想像して笑うのだった。

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