《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》グロリアとマロンの決意

「ティム君の容態はどうなったんですか?」

ティムとガーネットが王都へ出発してから數日。グロリアはサロメへと詰め寄っていた。

「今のところ彼の意識が戻ったという報告はありませんね」

「そんな……ティム君」

グロリアがよろけて後ろにいたマロンにぶつかる。

ティムがダンジョンで襲撃にあったという話が冒険者の間に広がっているが、彼の容態については伝わっていなかった。

一月近く姿を見せないことから、グロリアはしびれを切らせて質問をしたのだ。

中には「調子に乗っていたからこうなった」「言う程の実力ではなかったらしい」などと笑う連中もいた。

ティムを襲った犯人は結局見つかっておらず暗殺の危険があることから、ティムは冒険者ギルドが特別に管理している病棟へと移され、面會謝絶…………と言うことになっている。

「グロリア、大丈夫?」

足の力が抜け、今にも崩れ落ちそうなグロリアをマロンが支える。

「あんたがしっかりしないでどうするのよ! ティムを助けてあげられるのは私たちだけなんだからさ」

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ティムのために行をしている人間は冒険者ギルドに存在しない。以前の「パーティーを組むつもりがない」発言が尾を引いており、わざわざ助けを申し出る者はいなかった。

「うん……そうだよね。こんな時こそしっかりしなきゃいけないんだ」

ティムに拒絶されてからも、グロリアはどうするべきか答えを探し続けていた。

「私が力を得て【タリマモの実】を手すれば……」

街のダンジョンの下層で極まれにドロップボックスから手できる【タリマモの実】。これはエクスポーション以上の回復効果を持つ。

このアイテムならば意識不明の重のティムを回復させられるとグロリアは考えた。

「マロン、お願い! 付き合って!」

そのためには下層に籠るための力が必要になる。

グロリアの表に元気が戻るのを見て安心したマロンは、それをおくびにも出さず、

「仕方ないから、あんたの惚れた相手を救うのに手を貸してあげるわよ」

「そっ! そんなこと言ってないでしょ!」

からかい気味に返事をした。

どうにか元気を取り戻した二人がサロメの前から去っていく。

「本當に、ティム君って泣かせなのね……」

ギルド職員の先輩がサロメに話し掛けてきた。

「彼の場合はそれに無自覚ですからね」

サロメが知る限り、彼に好意を寄せるは複數いる。

Dランク冒険者のオリーブとグロリア。他にもサロメが教育を頼んだガーネットも多であるが気を許し始めていた。

マロンやミナは今のところティムを対象として見ている様子はないが、他の男と接するのに比べて好意的なので未來はわからない。

「頼むから……関係で刺されて死ぬのは止めてよね」

専屬サポートとしてもプライベートの面倒までは見切れない。言葉にしたことで現実にありえそうだなとサロメは険しい表をする。

「そう言えば、今日は彼、あなたのところにこないのね?」

先輩職員のからかうような視線がサロメに向く。彼というのはAランク冒険者のニコルのことだ。

彼は元々サロメとパーティーを組んでいた人間で、パーティーが解散になった際、サロメはギルド職員に。ニコルはそのまま冒険者を続けた。

彼は冒険者時代からサロメに惚れており、王都でり上がって戻ってきてから毎日彼を口説いていたのだが……。

「ニコルならこれです」

サロメは悪戯な笑みを浮かべると一枚の紙を先輩職員に見せた。

「これを見せて一言をつぶやいたら出掛けて行ったので、なくとも一月は戻って來ないかと思いますね」

その容を読むと先輩職員は引きつった顔をする。

「あんな優良件他にないでしょうに……。それにしても可哀想に……」

先輩職員は紙から目を離すと、惚れる相手を間違えたニコルに同するのだった。

「よし、し休憩だ」

「はい、ティム先輩」

一日が経ち、ふたたびダンジョンに潛った俺たちは一層で狩りをしていた。

昨日と同様に、ステータスが上がらず苦労しながらプチゴーレムを倒していたガーネットだったが、夕方手前になると見習い冒険者のレベルがようやく15まで上がった。

「予定通り『取得ステータスポイント増加』が出現した。これで基本的な條件は整ったな」

俺は早速スキルを取得してやる。

「これで最初の目標を達だな。ここからは楽になるぞ」

「良かったです」

ステータス畫面が見えない彼には実が湧かないようだ。倒すのにそれなりに時間が掛かるプチゴーレムとの連戦続きで疲れている。

「今日はもう止めておくか?」

俺の問いに彼は首を橫に振る。

「一刻も早く長して両親に意思を告げなければなりませんから」

その言葉の裏にはふたたび俺が狙われることを危懼しているのが伝わってくる。

「そうだな。商人に職業を変更して『オーラレベル3』にしたから、これからは長を実できるはずだ。一気にDランクまで駆け上がろう」

「はいっ! ティム先輩」

名 前:ガーネット

年 齢:15

職 業:商人レベル1

筋 力:164+1

敏捷度:129

 力:129+2

魔 力:28

神力:30

用さ:100

運 :100+1

ステータスポイント:0

スキルポイント:28

取得ユニークスキル:無し

取得スキル:『アイスアローレベル1』『ヒーリングレベル1』『オーラレベル3』『取得経験値増加レベル5』『取得スキルポイント増加レベル5』『取得ステータスポイント増加レベル5』

ここからは彼も自分の長を実できるようになるだろう。俺はやる気をみなぎらせているガーネットと一緒にダンジョンを進むのだった。

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