《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》依頼達

「改めて、ティムさん。このたびは闘技大會優勝おめでとうございます」

正面にはパセラ伯爵夫人とワインを抱いた伯爵がソファーに座っており、俺の隣にはガーネットが座っている。

伯爵夫人は堂々と、伯爵とガーネットは張した面持ちでいた。

「それで、俺は合格なんでしょうか?」

昨晩は々な人に話し掛けられたせいで確認をすることができなかったが、彼の真意が知りたかった。

伯爵夫人は目を閉じ、考する。そしてふたたび目を開くと言った。

「ティムさん、あなたが優れた冒険者であることは今回の件で証明されました。であれば約束通り、ガーネットが冒険者を続けることを認めましょう」

「お母様! 本當ですか!」

隣からガーネットの嬉しそうな聲が聞こえる。彼は振り返ると、

「やりました、ティム先輩!」

俺に満面の笑顔を向けた。

「おめでとう。良かったな……」

「ティム先輩?」

素直にお祝いをしたかったのだが、し歯切れが悪くなってしまった。

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これで依頼達になるので、彼とパーティーを組む理由が消えたからだ。

寂しいとじる自分の心に驚きながらも話を続ける。

「そう言えば、例の俺を暗殺しようとした件についてですが……」

「そのことなら調べがついている」

俺がパセラ伯爵家を訪ねて王都にきたもう一つの理由、暗殺事件について確認をする。

當初はパセラ伯爵家が娘に冒険者を諦めさせるため、世話をしている冒険者の俺を排除するつもりだと考えた。

だが、伯爵家にしてみてもそのような噂が流れれば家名に傷がつく。俺を遠ざけたいというのなら他にやりようはいくらでもあったはずなのだ。

そんなわけで、彼らも今回の件については全力で協力してくれた。

「まず、ティム暗殺の依頼についてパセラ伯爵家は関與していない」

伯爵の言葉に俺は頷いて見せる。

「そして、ガーネットが婚約するはずだった家にも調査の手をばしたが同様だ」

「まあ、普通に考えるとそうでしょうね」

言ってしまうと悪いが、貴族の三男と伯爵家の三の婚姻だ。

家名に傷がつくリスクを負ってまでやるわけがない。

「犯人であろう人についてはこれを見るといい」

そう言って差し出された紙には犯行に関わった人名が記されていた。

「やはり、……ですか」

思わず口に出してしまうと、伯爵は不思議そうな顔をした。

「やはり、というと最初から気付いていたのかね?」

を寄せ「こちらを試していたのか?」とばかりに見られる。

「そうじゃないかと思ったのは昨日で、理由を知ったのはこの調査報告のおかげですよ」

流石は伯爵家だけある、今回の暗殺事件について機から細かく書かれている。

「問題は、かくたる証拠がないことなのだ、心苦しいがまた仕掛けてくる可能はあるだろうな」

今回の件でさらに恨みを買った可能が高いのでその通り。なので俺は一つ提案をする。

「もし協力いただけるのなら、解決できるかもしれません」

「と言うと?」

王都の治安はがれるのは伯爵家としても見過ごせない。彼は俺の話に興味を持つ。

俺は彼に作戦の概要を説明しておくのだった。

道端には浮浪者が多數壁に背を預けており、悪臭が漂っている。

「ティム先輩」

ガーネットが怯えながら俺にを寄せてくる。

「大丈夫だから」

現在の彼は無手ではあるが、職業を剣聖にしてあるので浮浪者が束になって掛かってきたところで問題ない。

「本當に、こちらでよろしいのでしょうか?」

は疑問を口にすると不安そうに見上げてきた。

「うん、もうしで到著するな」

俺はステータス畫面で開いている地図を見る。その地図には俺たちが今歩いている路地の詳細が映っていた。

俺とガーネットがいる場所で青い丸がっている。通りすぎた瞬間、背後に赤いが発生した。

俺は振り返ると、今まさに腰を上げていた浮浪者を見て睨み付ける。

「うっ……」

浮浪者は俺と目が合うとふたたび腰を下ろす。

「どうされたのですか?」

が首を傾げると、何でもないと斷りをれる。

今俺が見ているこの地図は、斥候レベル40まで上げたことにより出現した新たなスキルだ。

・『地図表示』⇒行ったことがある場所を地図で表示することができる。パーティーを組んでいる場合仲間の位置がわかる。

これはダンジョンで一度通った場所を表示してくれる非常に便利なスキルだ。

これがあればいちいちマッピングをしなくても自分が通った場所、現在位置がわかるので冒険をする上で活躍できること間違いない。

そして注目すべきはもう一つのスキル。これが今回の目玉だ。

・『索敵』⇒500メートル以にいる敵の位置がわかる。『地図表示』を取得している場合地図に表示される。

先程、俺の地図に突然赤い丸が発生した。おそらく浮浪者が俺たちに危害を加えようと考えた瞬間にこの『索敵』に引っかかったのだろう。

このスキルはダンジョンで自分を中心として500メートル以にいるモンスターの位置がわかるというもの。

これは正直革命をもたらすスキルに違いない。

このスキルがあればモンスターと遭遇することなくダンジョンを歩くこともできるし、出會い頭に不意打ちをけることもない。

「おっ、いよいよだな」

地図の先に赤い丸が二つ発生する。パセラ伯爵の報は正しかったようで、俺を暗殺しようとしていた犯人が潛伏しているようだ。

「それじゃあ、ガーネット。打ち合わせ通りに頼んだぞ?」

「はい、お任せください」

張した面持ちでそう答えるのを聞きながら、俺たちは建に近付くと、中を覗き込むのだった。

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