《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》問題解決

「なんだとっ!?」

ニコルの慌てた聲が響くと、倉庫すべてのり口から兵士が押しせた。

もちろん偶然などと言うことはない。

あらかじめパセラ伯爵に掛け合って準備しておいたのだ。

「こりゃ、嵌められたっすね」

聲に聞き覚えがある男が呟く。以前、背後から俺を刺した男だ。

「ふざけるなよっ! こんな嵌め手で逮捕だとか認められるかっ! 卑怯だろっ!」

ニコルの言葉を否定はしない。

やつが俺を殺そうとした襲撃者という証拠がなく、決め手に欠けていた俺はガーネットに協力してもらい、ニコルを罪人に陥れたからだ。

このまま後手に回ると、何をしでかすかわからない恐怖があったことも事実だが、あまり褒められたやり方とは言えないだろう。

「そちらこそ、ティム先輩を暗殺しようとしたくせに。卑怯者はどっちですか!」

「何っ!」

ニコルの目が俺から外れガーネットへと向く。

「ティム先輩がベッドに橫たわり言わぬになってしまった時。私がどれだけ怖かったかわかりますか?」

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「はっ、噂の誑しっぷりは確かと言うわけか。そうやってサロメも誑し込んだのかよ?」

ガーネットの言葉をまともにとり合おうとせず俺に嫌味をぶつけてくる。

「私は、あなたを絶対に許さない」

ガーネットはニコルを睨み付ける。

「許さないって? だったらどうする?」

「ティム先輩! 剣を貸してください」

「ああ、わかった……」

俺が彼に向かい剣を投げると、ガーネットはそれをほとんど見ることもせずけ取った。

「生意気な……、兵士たちに守られて気が大きくなってるのかもしれないが、やつらが駆け付けるまでにお前をぐちゃぐちゃにするくらい訳ないんだぞ」

「旦那……これ以上は無駄っすよ」

俺を刺した男がニコルを止めようとした。

「何言っている、お前だってティムを刺したじゃないか。このまま捕まったら極刑なのは私だけではないのだぞ」

「ちっ! それをここで言うのかよ……」

ニコルのせいで後に引けなくなったようで、男は短剣を抜く。

「『アイスウォール』」

「うおっ!」

男の四方を氷の壁で囲う。

「ガーネット、そいつの相手は俺がする」

ニコルならともかく、盜賊では壁を破壊することはできない。ガーネットが刺される未來だけは回避しておきたい。

「伯爵令嬢! 危険なことは止めください!」

「今すぐこちらに向かって走ってください!」

兵士がガーネットを止めようとする。

「構えなくて良いのですか?」

ところが、ガーネットは兵士の言葉に耳を貸すことなくニコルと向き合っている。

「本気で調子に乗っているようだな? ティムならともかく、出來損ないの貴族の小娘に構えなんているか!」

らしい外見から無害に見えるガーネット。そんな彼に侮られたのが腹立だしいのか、ニコルは両手を広げて打ち込んで見ろとばかりに挑発した。

「そうですか、では……『オーラ』」

が輝き出す。

「なっ! なんだそのは!」

ニコルは一歩下がると表を強張らせた。

「あなたなどに、ティム先輩の命が金際脅かされることがあってはなりません」

ガーネットがそう言うと彼から発せられたオーラが剣へと伝わる。

「私たちの目の前から永遠に消えてくださいっ!」

「ぐはああああああああああっ!!!」

が剣を振るとニコルの鎧を打ち吹き飛ばした。

「あっ、ティム先輩。剣をお返しいたしますね」

スッキリした表でガーネットが俺に剣を渡してくる。

あれから、他の盜賊たちは抵抗することなく捕まった。

どうやらニコルと、頭領と呼ばれた男を俺とガーネットで完封してしまったので、抵抗する気力が殘っていなかったらしい。

「それにしても派手にやったなぁ」

木箱にはニコルが埋もれている。足がピクピクいていることから死んではいないようだ。

「ティム先輩の仇だと思うとどうしても怒りがこみあげてきてしまって」

最後のオーラを剣に纏わせる技はなんだったのだろうか?

とにかく彼を怒らせてはいけないと俺は學習する。

「ティム先輩?」

俺がニコルに近付くと、ガーネットは疑問を浮かべながらも付いてきた。

元をまさぐり、奴が持っていた冒険者カードを見つけると俺の冒険者カードに重ねてパーティー申請を行った。

名 前:ニコル

年 齢:21

職 業:パラディンレベル25

筋 力:293+75

敏捷度:162

 力:304+125

魔 力:60

神力:122+75

用さ:198+50

運 :253+50

ステータスポイント:485

スキルポイント:266

取得スキル:『剣レベル10』『格闘レベル8』『バッシュレベル10』『シールドバッシュレベル7』『パリィレベル5』『コンセントレーションレベル8』『インパクト』『ヒーリングレベル5』『スピードアップレベル5』『スタミナアップレベル5』『パラディンガードレベル2』『僧スキル自取得』

「なるほど……強いわけだ……」

俺はやつのステータスを見ると報を引き出していく。

・『僧スキル自取得』⇒僧系のスキルを自で取得、スキルレベルを上昇させることができる

・『パラディンガード』⇒防に集中することで、防力を高めることが出來る。スキル【1】200%スキル【2】300%スキル【3】400%スキル【4】500%スキル【5】600%

新しい職業の『パラディン』もそうだが、スキルもかなり強力だ。

特殊な職業の場合、スキルを得るには多くのスキルポイントが必要なので、地力で會得しているのは本人の努力の証ということになる。

「……一人のために狂うというのは羨ましいことなのかもな」

いつか自分もニコルのようにそんなを抱くようになるのだろうか。そう考えると震えてしまった。

「ティム先輩。何をされているのですか?」

俺に寄り添うようにガーネットが近にいる。俺はニコルの職業を『見習い冒険者レベル1』へと変えておく。

スキルの取得は俺の手でなければできないので、たとえレベルが上がったところで、ニコルはこれ以上強くなることはないだろう。

「これで、事件は解決かな?」

「そうですね、家に戻りましょう」

俺がそう言うと、彼は嬉しそうに腕を絡めると笑顔を向けてくるのだった。

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