《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》霊石』

「『オーラブレード』」

ガーネットが剣を叩きつけると、目の前のアースエレメントが崩れ落ちていく。

今の衝撃で核が壊れたのだろう。

はモンスタードロップの『霊石の欠片』を拾い上げると、俺に近付いていき聲を掛けた。

「大分慣れてきみたいだな」

ガーネットは霊石の欠片をポーチへと仕舞う。

「ええ、アースエレメントは剣を叩きつければ倒せるので楽です」

実際の評価では、アースエレメントの巖く、並の戦士では倒すことができないと言われている。

がたやすくそれをし遂げられるのは、剣聖のスキルを組み合わせた理攻撃力のお蔭だ。

今のところ、ウインドエレメントが出た場合は俺が魔法で対処して、

アースエレメントはガーネットが剣でねじ伏せる。

ファイアエレメントとウォーターエレメントは二人で連攜して倒すという、役割分擔を決めている。

そのお蔭で、大分この霊回廊での立ち回りにも慣れてきたのだが……。

「それにしても『索敵』が使えないのは痛い」

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地図表示のお蔭でマッピングができているため、移は楽なのだが、敵がどこにいるかは教えてくれないので、狩りの効率が著しく落ちるのだ。

「まあでも、それが普通なのですけど……」

ガーネットが苦笑いを浮かべている。

「これで倒したエレメントが16匹、いまだに霊石は出ない、か……」

俺のスキルが効果を発揮しているのなら『指定スキル効果倍』『アイテムドロップ率増加レベル5』の効果によりドロップボックスが出る確率は11%になっているはず。

「もしかして、運が足りないのではないでしょうか?」

「その可能もあるが、そもそも倒した數がないからな……」

半日き回って遭遇できたのが16匹だけ。まだ判斷をくだすにははやい。

「あの……本當に、このままここで狩りをしていて良いのでしょうか?」

ガーネットの疑問に、俺は不安を押し殺すと、

「とにかく、今日一日はここで狩りをしてみよう。駄目だったらまた考えればいい」

「……はい」

無理やりガーネットを納得させると、俺たちは狩りへと戻るのだった。

「『アイスアロー』」

「『オーラブレード』」

ファイアエレメントが凍りつき、砕け散る。

「はっ?」

「えっ?」

崩れ落ちた氷が地面に吸い込まれると、そこには……。

「出ましたね?」

「出たな?」

俺とガーネットはお互いに顔を合わせると、どちらも驚いた表を浮かべている。

青白いが通過し続けるツルツルとした床に、小箱ほどのサイズのドロップボックスが落ちていたからだ。

「ここまで倒したエレメントが50匹、ぎりぎりだったな……」

粘ってはいたが、今までの確率をとっくに超えていたので、半ばあきらめのムードが漂っていたところだった。

噂に聞く霊石は超希レアアイテム。これまでの確率にマイナス補正が働いているか、そもそもスキル効果が及んでいない可能もあった。

「いずれにせよ、運のせいではないということがはっきりしたな」

ガーネットが小箱を開け、霊石を掲げているのが目に映る。

「これで、明日からもここで狩りをすることができる」

しかった結果を、初日に得ることができた俺は、ほっと息を吐くと、嬉しそうに霊石を見つめるガーネットに合流するのだった。

ベッドと機のみが置かれた部屋に私は閉じ込められています。

ここは奴隷館の中でも高級奴隷に與えられた部屋で、私は二週間前にここに連れてこられました。

通常、奴隷はまとめて牢にれられ、顧客が來た際に見せて売買契約を結ぶはずなのですが、私はなぜかオークションにかけられることになりました。

オークションには貴族や商人などの金持ちが足を運び、競り合って奴隷を落札します。

私をここまで案した奴隷館の人は「オークションまでの間は綺麗にして、価値を落とさないよう努めるように」と言い含めて行きました

毎日、ちゃんとした食事が用意され、湯も著替えも新しいものが差しれられます。

私は日々それらをけ取ると、言われた通り清潔を心掛けました。

「私は……どのような方に買われるのでしょうか?」

これも噂に聞きましたが、オークションに掛けられるような奴隷はその金額や納稅額の多さから大切に扱われることが多いようです。

なので、おそらくそう悪い結果にはならないと思うのですが……。

不安が襲い掛かりが痛みました。私は右でを摑むともう一つの噂を思い出しました。

貴族や商人などは、見目麗しいを囲うため奴隷を購するとか。

この國での渉は當人の同意がなければ犯罪になりますが、奴隷の分では跳ねのけることはほとんど不可能です。

私はまぬ相手に抱かれる恐怖に振るえました。

「どうして、このようなことになってしまったのでしょうか?」

これまでも、大好きな料理を作り、客様に「味しい」と言ってもらうことに喜びを覚えていました。

私の天職はこれだと疑うことなく、勤めていたところ……。

私の出した料理に問題があったのか、不調を訴える人たちが現れたのです。

彼らは、私とともに乗合馬車の商會に雇われている冒険者で、不調のせいでモンスター相手に大怪我を負ってしまいました。

その時に、使用したのが『エクスポーション』です。

彼らは、私が作った料理しか口にしていないと主張し、怪我の原因が私にあると責め立てました。

私はとんでもないことをしてしまったと青ざめ、弁明することもできず、事態のり行きを見守っていると、気が付けばすべての罪を背負わされ、借金を負っていました。

エクスポーション二本分の支払が金貨で100枚。冒険者ならいざ知らず、日々慎ましく暮らしている私にとっては天に手をばしても到底稼げる金額ではございません。

結局、支払期日を超えてもお金を用意できなかった私は、奴隷館へと連れてこられたのです。

「私のこれまでの人生はなんだったのでしょうか?」

ベッドに橫たわるとポツリと呟きます。

料理が好きで、それを仕事にしてきて、その料理のせいで冒険者の方に怪我を負わせて、借金を背負い奴隷となる。

「せめて、良い方に買っていただけるように祈るしかできません」

目を閉じると、悪い想像を振り払うように心を無にするのでした。

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