《【書籍化】Fランク冒険者のり上がり、俺だけができる『ステータス作』で最強へと至る【コミカライズ】》料理人フローネ

「はあっ!」

『ラビューン!?』

フローネが短剣を振るうとホーンラビットが絶命する。

先程から、何度か小型モンスターと遭遇しているのだが、彼の攻撃は必ず一撃で心臓をとらえている。

「驚いた、隨分と的確に急所を狙えているな?」

モンスターを倒すたび、抜きをして湖で洗い解をしている。

「ええ、料理をする時はの骨があると包丁がりませんので、の作りを見れば、何となくどこに骨がないか、どこに心臓があるのかわかります」

「それは……凄い」

乗合馬車での料理人の仕事の際、冒険者が狩ったモンスターを解していたらしく、生の構造について知していると彼は語った。

「それにしても、アイテムボックスと言うのは便利なものですね。中にっていれば鮮度を保てるなんて……」

常識では考えられないスキルの存在に、フローネは驚きの表を浮かべる。

「このスキルは『商人』のレベルを25まで上げる必要があるからな。取得するには時間が掛る」

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將來フローネに取得させるつもりはあるが、今は彼だけの職業でもある錬金士を育ててみたいと考えている。

「希するなら、將來的には覚えてもらうこともできるぞ?」

「い、良いのですか?」

フローネは口を大きく開けた。

「このスキルがあればいくらでもお金儲けができます。主人様の能力の説明はけましたが、他人に與えられるからといってそう簡単に施されては……」

「フローネは他人じゃないから」

次の瞬間、フローネの言葉が止まった。

「そ、そうですね。私は主人様のですから」

メイド服のエプロンをぎゅっと摑み、そわそわとしている。

「安心しろ、今考えているような意味ではないからな」

「そう……ですよね」

何やらショックをけた表へと変化する。

奴隷として所有しているつもりはないと伝えたかったのだが、こればかりは時間を掛けてわかってもらう必要があるだろう。

「まあ、その辺はおいおい話して行こうか」

俺は肩を落とすフローネを促すと、探索を再開するのだった。

ホーンラビットのを剝ぎ、鮮やかな桃の塊を取り出す。

包丁を使い、鮮やかな手つきでそれを切ったかと思えば鉄串にさしていく。

続いて、フローネは鍋の様子を見ると、お玉でスープをすくい味見をして、塩や胡椒そのほか數種類の香辛料を投すると「うん」と頷いた。

「私たちの出番、ないですね」

「そうだな……」

ガーネットが話し掛けてくるが、以前の慘狀から考えて元々彼に料理をさせる気はない。

「私も刃には慣れてきていますし、覚えればあのくらいは……」

ガーネットは、フローネから一つでも技を盜もうと、彼の手元を凝視している。

フローネが今捌いているのは、ガーネットが釣り上げた魚なので、自分で料理をしてみたいらしく悔しそうにしていた。

「無理だろうな、あれは一朝一夕でに付く技じゃない」

らかなきで包丁が魚へとり、あれよあれよと言う間にと骨におろされてしまう。

包丁で丁度良いサイズに切ったかと思えば、フライパンを用意しバターを溶かして焼き始めた。

ヘラで押さえるように熱を通していくのだが、その行為にどんな意味があるのかまで俺たちにはわからない。

ただ、フローネの真剣な表を見る限り、この手順はこの料理に必要で、彼が真剣に食材と向き合っているということだけは理解できた。

「ふぅ、完です!」

やがて、汗を拭うとフローネが息を吐く。

「ティムさん。早く食べましょう」

「ああ」

ずっと料理するのを見ていたので、良い香りにたまらなくなっていた。

俺とガーネットは料理を口にれると……。

「「味しいっ!!」」

「良かったです」

フローネがでおろした。

「このホーンラビットの、香辛料を振って焼いただけなのにこんなにも味いとは……。らかくて口の中にれると香辛料の風味が広がる!」

「その場で捌いたので、今回の食材は新鮮そのものですから。ホーンラビットのは脂がないので味付けに工夫が必要ですが、さっぱりした味わいがには人気なんですよ」

そう言って料理の解説をしてくれた。

「こっちの魚も味しいです。私、魚の皮って苦手だったんですけど、これはパリッとしていますし。バターのお蔭か臭みもありません」

「魚の皮は脂がのっていて、それが苦手なは多いのですが、こうして押し付けるように焼くことで、魚自の脂が熱されてからりと揚がります」

説明を聞くと、俺も魚へとフォークをばす。

「本當だ、この脂の満足と口の中でほろほろと溶ける魚のが何とも言えない」

「これは、いくらでも食べられますね」

ガーネットと二人してフローネの料理を稱賛し続ける。

「喜んでもらえて何よりです」

フローネはとても幸せそうな顔をしていた。

「フローネも一緒に食べましょう!」

「いえ、私は……」

これまでも彼は料理人と言うことで作るだけで一緒に食事をしようとしなかった。

「今のフローネは私たちの仲間です。仲間は一緒に食事をしてもいいんですよ」

ガーネットはそう言うと、食を渡しフローネを促す。

フローネと目が合う。俺が頷くと、彼は遠慮がちに料理をよそい、食べ始めた。

「もしかして、私たちって今後、冒険しながらこの料理を食べることができたりするのでしょうか?」

もの凄いことに気付いてしまったとばかりにガーネットが目を見開く。

主人様とお嬢様がまれるのであれば……」

その言葉に俺たちは……。

「「ぜひお願いします!!」」

味しい料理には勝てなくて、フローネに頼み込むのだった。

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