《【書籍化】オタク同僚と偽裝結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!》コラボは辛いよ
「え……うそ、たくさん売ってる」
私はコンビニのドリンク売り場で固まった。
今、私のジャンルでは、お茶に限定のノベルティが付いている。
コンビニ限定なんだけど、會社近くは全滅だった。
くそ……と思いつつ、ダメ元で自分の地元駅のコンビニに寄ったら、なんと山ほど売っているのだ。
20種類のランダムなので、もう見つけたら買うしかない。
私は買いかごにれるだけれた。
お茶で良かった、腐らないし長期保存が可能だ……とカゴを持ち上げたら、噓みたいに重たい。
ちょっとまって、これを持って坂を登るのは無理なのでは。
私は一秒考えた。
「よし。往復しよう」
持つのは10本が限界だと思う。
右腕に5本、左腕に5本。
それで一度帰ってカートを持ってきて、詰めるだけ積んで帰ろう。
「これを買うんですか?」
「滝本さん!!」
私がドリンクコーナーで商品を睨んでいたら、滝本さんが橫に來ていた。私の一本後ろの電車に乗っていたようだ。
Advertisement
そして狀態を一瞬で把握。
「ノベルティ付きのお茶ですか。運ぶの手伝いますよ」
と言ってくれた。
「神降臨……」
私は外で會社の服裝をしているのに、思わず同人仲間用の言葉を言ってしまった。
正直それほど嬉しかったのだ。滝本さんは
「でも20本が限界だと思います……」
と申し訳なさそうに言うので
「十分です、ありがとうございます!」
と頭を下げた。もう1本でも持って頂けるだけで助かる。推しが當たる確率が上がる。
普通の商品ならコープの配達で買うけど、最近はコンビニ限定ドリンクとかお菓子についてるから辛すぎる。
でも坂の下にあるコンビニだからこそ売れ殘ってたんだと思う。
「これはちょっとしたトレーニングですね」
滝本さんは右腕に10本、左腕に10本のお茶を持って歩いてくれている。
自転車は大丈夫なんですか? と聞いたら、明日は歩けば良いだけですと平然と答えてくれた。
なんて優しいんだろう。こんなオタク的力仕事を手伝ってもらえると助かってしまう。
Advertisement
私も両腕にぶら下げた狀態で、フラフラと歩く。
「本當にすいません、お言葉に甘えてしまって。水系は重すぎて……助かります。これフィギュアにバッチリ合うワンコたちなんです」
私のジャンルはアニメなのだが、最近はスマホゲームも出している。
アニメとゲームでは世界観がガラリと違い、ゲームの方ではキャラクターたちが犬や貓と一緒に居るのだ。
これが可いんだけど、現時點でこのたちのフィギュアは出てないのだ、キャラは出てるのに!!
つまりファンはこのお茶を買わないとキャラの橫にワンコを並べられないのだ。
私の推しのカケルには犬の芝吉が居ないと完しない!
この中にあると良いけど。無かったら夜もう一度行こう。芝吉だけは諦められない。
よいしょ……とドリンクの塊を持ち直す。
「コラボ商品があるのは羨ましいですね。俺の推しは商品とコラボするほど売れてないですから……」
と滝本さんがし悲しそうに言った。
確かに、地下アイドルはコラボ商品とかは難しそうだ。
「でもCDとか、やはり沢山買うんですよね」
「そうですね、新曲のCDは枚數に応じてチェキが付いているので、100枚は最低でも買いますね」
滝本さんは月夜ににっこりとほほ笑んで言ったが、私は一瞬で脳計算機が立ち上がる。
「1枚おいくらですか」
「1000円ですね」
「新曲のたびに10萬……と言いながら思ったんですけど、私、先週コラボカフェで3萬食べました」
そして今お茶を5000円分買った。誰が何を笑えるというのだ。
滝本さんは苦笑して
「食べ系は辛いですね。俺で良ければ今度コラボカフェもお付き合いしましょうか」
「ええ! そんな、荷持って頂いて、そんな食べる系まで付き合って頂いたら悪いです。それにあの……あんまり味しくないんですよ」
私は苦笑した。
セットのコースターとか、敷いてある紙がしいだけで、ご飯は殘念なことが多い。
滝本さんは、よいしょ、と荷を持ち直しながら
「食べられれば何でも一緒ですよ。もし炭水化系で大変でしたら、聲かけてください。食べるのは得意ですから」
と言ってくれた。
「ああ~~そんな……でもそうなんです、炭水化系がキツくて、この前私の推しのご飯が『カケルが家で作ってるハムしかってないチャーハン』で……もう辛くて辛くて……」
「なるほど。設定も加味したご飯が出てくるのは楽しいですね」
バカにされるかと思ったら褒められた。
滝本さんは「うーん」と言いながら
「デザロズも毎年宇宙試食會というのがあるのですが」
と言った。
んん? また何か面白い設定の話をしているが、疲労が凄くて真面目に聞けない。
「ちょっと待ってください。ものすごく興味がありますが……一度休憩して良いですか。たくさんあるし、お茶を飲みましょう」
私は坂の途中にあるベンチに座った。
ここの坂はあまりに辛いので、し平になった所にベンチが設置してある。
「丁度良い所にありますね」
滝本さんも私の橫に座ったので、ぜひお茶を飲んでください! と袋にたっぷりっているお茶を開けて渡した。
ありがとうございます……と滝本さんはお茶を一口飲んで話を続けてくれた。
「平たく言うと、アイドルが簡単なご飯を作ってくれる會なのですが、宇宙試食會という名前なのに、普通のうどんとかなんですよね。もっと設定を盛ってほしいと思うし、何なら食べられないほど辛かったり、甘すぎたりしても面白いと思うのです。みりんちゃんの星では辛いを辛いと思ってないから、これほど辛いが出てくる。ほしなちゃんの星では砂糖が沢山とれるから、基本的に砂糖の塊が主食……など、あっても良いと思うのですが。メニューの表示だけは凝ってるんですけど……」
と滝本さんは一気に話して、メニュー畫面を寫メで見せてくれた。
それが
「読めないんですね」
「そうなんです。宇宙の言葉ですから」
と楽しそうにほほ笑んだ。
そこには可いコロコロとした文字のような絵のようなものが書かれていた。
「これが宇宙の言葉という設定なんですね」
「何か書いてあるのか分からないので、何が出てくるのかも分からないんです。その設定は面白いと思うし、手紙もこの文字で帰ってくるんですよ」
と笑った。
アイドルにしか分からない言語があるのは、すごく面白いと思う。私は絶滅する言語とか大好きでよく本を読んでいる。
だからだろうか……何かが気になっていた。なんかこの文字というか、絵……みたことがある。
私はスマホでググって、聲を上げた。
「滝本さん、これ、シンハラ語っていうスリランカの文字を回転させた文字ですね。ちゃんと文章になってる可能があります」
「えっ……!」
滝本さんが私の顔をみて固まった。
私はスマホで検索した畫面を見せた。シンハラ語。それは滝本さんが見せてくれたメニュー畫面に書かれていた文字とそっくりだった。
「たとえばこの文字。ほら、180度回転させたら……これになりますね。だから『う』です」
「これを頼んだらうどんが出てきました」
「ど……doで二文字、これですね。あ、やっぱりそうだ。うどんって書いてますね。これは250度くらい回転してるし、し可くベクターいじってますけど」
「読めます……読める文字だったんですね」
私の橫で滝本さんは絶句している。
でも気持ちは分かる。
今まで分からないと思っていた推しの言葉が理解できる言葉として書かれていたら興してムスカ化する。
なんならコスプレしてぶわ。
「…相沢さんはなぜこの文字が分かったんですか……」
滝本さんは完全に揺しつつ、荷を両手に持ってフラフラと立ち上がった。
「文字が可くて、昔ゲーム系同人誌書いた時に魔法陣で使ったことがあるんです。その時も回転させて使ったので、覚えてました」
「俺は5年間、毎日見てたのに、気が付きませんでした」
滝本さんはショックすぎて茫然としている。
「スリランカのみで使われてる言葉なので、調べないと知らなくて當然だと思いますし、やはりデザロズさんは面白い仕掛けをしてますね」
「そうですよね!! では我慢できないので、先に帰っても良いですか?! 何通も手紙をこの文字で頂いてるのです!!」
滝本さんは両腕にお茶をブラさげて、今までの10倍の速度で歩いて坂の上に消えていった。
えええ早い、もう豆粒みたいだ!!
というか、私の歩く速度に合わせてくれていたんだなあ。
本當に優しい人。
「よいしょ」
完全に滝本さんが坂に向こうに消えてから、私は再び荷を持って立ち上がった。
すると坂の向こうから滝本さんが手ぶらで戻ってきた。
えええええ?! この數分で家までたどり著いて、戻ってきてくれたの?!
そして
「持ちます」
とすべてのお茶を持って坂道を歩き始めた。
「ありがとうございます、すいません!」
と言いながら後ろを付いて歩きはじめたら、し照れ臭そうに
「相沢さんは俺と推しの言葉を繋いでくれたのです。こんな嬉しいことありません」
と言った。
「いえいえ、大げさです」
私は頭を振った。
たまたま廚二的な理由で知っていた文字だ。
なんたって20才すぎて大真面目に魔法陣書いていたのだ。
「早く帰って訳しましょう」
と言ったら、そうですね!! と滝本さんは早歩きで坂を登って行った。
推しのパワーすごい!!
そしてありがたい……もう腕が痛くて辛かった。
コラボアイテムはもうし軽いものに付けてしいです、運営様……。
快適なエルフ生活の過ごし方
新人銀行員、霜月ひとみは普通の人生を送ってきた……のだがある日起きたらエルフになっていた! エルフなんで魔法が使えます。でも、望んでるのは平和な生活です。 幼なじみはトリリオネア(ビリオネアより上)です。 他にも女子高生やらおっぱいお姉ちゃんやらが主人公を狙っています。百合ハーレムが先か平穏な日々が先か....... 各種神話出てきます。 サブタイトルはアニメなどが元ネタです。 悪人以外は最終的には不幸になりません。
8 191三分間で世界を救え!「えっ!ヒーローライセンスD級の僕がですか!」 就職したくないからヒーローになった男は世界で唯一のタイムリープ持ち。負け知らずと言われた、世界一のヒーローは世界で一番負け続けていた
ある日、地球に隕石が飛來した。大気圏に突入した際に細かく砕けた隕石は、燃え盡き 地上に居た人々にケガ人は出なかった。 その日、大量の流れ星が空に現れ、消えて行った。 SNSでは流れ星の寫真が溢れ、多くの人が話題に上げ、連日ニュース番組では街行く人に街頭インタビューをしていた。 數週間と時が過ぎ、話題にも上がらなくなった時に異変が起きた。 外見的変化が世界中から報告され始めた。 次第に外見の変化は無いが、「個性」と言われる能力が確認され始めた。 するとSNSでは自分の個性を載せようと、寫真、動畫がアップされ始めた。 そして事件は起きた。 隕石によって影響を受けたのは、人類だけでゃなかった。 動物にも変化が起きた。「突然変異」によって巨大化、兇暴性の増した「怪物」達が 人類に牙を向け始めた。 街を破壊して暴れまわるその姿は、まさしく「怪物」 生物の頂點に居た人類は、淘汰される危機にあった。 そんな中、個性を使った強盜事件、犯人は個性を使い犯行を行い 警察から逃げきる事に成功した。 世界中の國々で同様な事件が発生し対応に追われていた。 そんなある日、一人の男が現れえた。 街中で暴れ、警察が対応出來ずに困っていた時に、仮面を付けた男だけが犯人に向かって行った。 その様子はテレビ局のカメラや周辺に居た人々の攜帯でも撮影された。 個性を使った犯罪に、個性で立ち向かった勇敢な姿は見ていた人に勇気を與えた。 事件から數日後、政府がある事を発表した。 それはヒーローの組織設立を國が進めると言う事、ただ後日発表された詳細は、公務員として雇用するわけでは無く、成果報酬型のフリーランス。 報酬はバイトと変わらず、自分の個性を使って楽に稼げると、期待していた人は報酬もさることながら、他があからさまに酷いと、SNSで政府を批判した。 そんな事があった為に人は集まらなかった。 そんな時だった。 一人の資産家が政府に代わって新たなヒーローの組織「イポテス」を設立した。 ヒーローとして怪物から街を守り、個性を使う犯罪者達から市民を守るヒーロー。 この物語は「無敗のヒーロー」と言われた男、赤波新屋の物語である。 カクヨム掲載中
8 193TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
【イエス百合、ノーしりあす!】 好きな人を守って死んだ男子高校生が、前世と同じ世界でカリスマ溢れる美少女として転生! 前世の記憶と神様からの恩恵を使って、彼女は前世では出來なかったことを送っていきます。 妹や親友たちに囲まれて幸せな日々を送る、ほんわかユルユル女の子たちのハートフルコメディです。 全編、女の子たち(主人公含めて)が楽しく日々を描いております。 男はほとんど登場しません(ここ大事)。 頭を空っぽにしても読める、楽しい百合を目指しています! 前書き後書きは最新話のみ表示しています。 ※現在一話から読みやすいよう修正中、修正後の話には『第〇〇話』と付けております。 ※小説家になろう様・カクヨム様・アルファポリス様にも投稿しています。
8 158高校生である私が請け負うには重過ぎる
海野蒼衣(うみのあおい)、高校三年の春。 そんな時期に転校してきたのは黒衣をまとった怪しげな男子高生。 彼には決して表向きには行動できないある『仕事』を行なっていた⁉︎ そしてひょんな事から彼女は、彼の『仕事』へと加擔せざるを得ない狀況に陥ってしまう。 彼女の奇妙で奇怪な最後の一年間が始まろうとしていた。
8 159どうやら勇者は(真祖)になった様です。
異世界に勇者として召喚された高野勝人は、 激戦の末、ついに魔王を倒す。 そして2年後、吸血鬼の真祖の討伐に向かった勝人は────。 第1章完結。 改稿しました。
8 145貓神様のおかげで俺と妹は、結婚できました!
勉強、運動共に常人以下、友達も極少數、そんな主人公とたった一人の家族との物語。 冷奈「貓の尻尾が生えてくるなんて⋯⋯しかもミッションなんかありますし私達どうなっていくんでしょうか」 輝夜「うーん⋯⋯特に何m──」 冷奈「!? もしかして、失われた時間を徐々に埋めて最後は結婚エンド⋯⋯」 輝夜「ん? 今なんて?」 冷奈「いえ、なんでも⋯⋯」 輝夜「はぁ⋯⋯、もし貓になったとしても、俺が一生可愛がってあげるからな」 冷奈「一生!? それもそれで役得の様な!?」 高校二年の始業式の朝に突然、妹である榊 冷奈《さかき れいな》から貓の尻尾が生えてきていた。 夢の中での不思議な體験のせいなのだが⋯⋯。 治すためには、あるミッションをこなす必要があるらしい。 そう、期限は卒業まで、その條件は不明、そんな無理ゲー設定の中で頑張っていくのだが⋯⋯。 「これって、妹と仲良くなるチャンスじゃないか?」 美少女の先輩はストーカーしてくるし、変な部活に參加させられれるし、コスプレされられたり、意味不明な大會に出場させられたり⋯⋯。 て、思ってたのとちがーう!! 俺は、妹と仲良く《イチャイチャ》したいんです! 兄妹の過去、兄妹の壁を超えていけるのか⋯⋯。 そんなこんなで輝夜と冷奈は様々なミッションに挑む事になるのだが⋯⋯。 「貓神様!? なんかこのミッションおかしくないですか!?」 そう! 兄妹関連のミッションとは思えない様なミッションばかりなのだ! いきなりデレデレになる妹、天然幼馴染に、少しずれた貓少女とか加わってきて⋯⋯あぁ、俺は何してんだよ! 少しおかしな美少女たちがに囲まれた少年の、 少し不思議な物語の開幕です。
8 70