《【書籍化】オタク同僚と偽裝結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!》夏の夜と坂道

「おつかれさまでした」

私はいつも通り16時55分にPCの電源を落として席を片付け始めた。

今日は午前中の定例會議が長くて、お晝はコンビニのおにぎりで済ませて30分前倒しで作業開始してなんとか終わった。

會社は基本的に暇だけど、最近は滝本さんがいてし楽しくなってきた。

それでも定例會議は格別に暇だ。

自分に関係がない部署の話を聞いても仕方ない。

でも私の中で定例會議日=スペシャルな日だから、頑張った!

今日は漫畫喫茶に行って新刊を読む日なのだ。

我が家の書庫はヤバい。

冊數で言うと、先日三千冊をこえた。

でも殘念なことに、同じ本を何冊も買っているのだ。

先日確認したら銀〇英雄伝説の9巻が3冊出てきた。表紙にキャラクターが一人しか書いてない狀態だと「何巻買ったっけ……?」と分からなくなって、また買ってしまうのだ。

家に屆いて表紙を並べると、〇ルヒアイス、〇ルヒアイス、また〇ルヒアイス。

おかしな話だ。

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むしろもう持っているのに「新刊だ!」と買ってしまう。だから三千冊あるけど、実質千冊。

大丈夫、まだ私の本棚は頑張れる。

いや、思い込みだけでは本當にらないのよね、三千冊は。

だから、最近は「どうしても手元に置きたい漫畫」と「漫畫喫茶で読む漫畫」に分ける事にした。

そして月に一度、定例會議の日は漫畫喫茶に寄って帰ると決めている。

これを始めてから、新しい話はまず読んでから買うので、ハズレがなくなった。

素晴らしい事ばかり!

「すいません、これ一つください」

「はいよ。シュウマイもどうだい? サービスするよ!」

「じゃあ4つりのを一つ」

「いいねえ!」

漫畫喫茶に行く時は夕飯を買って行くと決めている。

持ち込み可だし、々買って行くほうが楽しい。

今日は途中にあるお店で焼きそばとシュウマイを買った。

このお店の焼きそばはチャーシューがっていて、最高に味しい。

そしてコンビニで缶ビールと手につかないチョコレート。

し考えて缶ビールを2本にした。

だってシュウマイがあるんだもん。

を抱え、スマホの會員証アプリを立ち上げてクーポンを確認しながらエレベーターに乗り込む。

毎月通っていると使えるクーポンが溜まってきて、20%引きで居ることができる。

そしてアラームに終電に間に合う時間をれる。

先日も漫畫に集中しすぎて終電を逃すところだった。

さすがに社會人として漫畫喫茶のシャワーを浴びて出社する人にはなれない。

でもまあ……次の日が休みなら、ちょっとしたい。

徹夜で漫畫を読むのも最高に幸せ!

「よし、と」

席に著いたらご飯を置いて貴重品をロッカーにれて漫畫を取りに行く。

漫畫喫茶で唯一不満なのは、個室が暗い所だ。眠りたい人が居るのは知っているけど、なぜ全ての席が暗いのだろう。

いや、100歩譲って暗い席もあってよいから、太る明るい席もしい。

頭上にある小さなライトでは漫畫が読みにくい。

まずは新刊ゾーンに行って出ている新刊をかき集める。

この瞬間が一番テンションが上がる。ああっ……この漫畫の新刊も出てるし、これもある!

買うか買わないかギリギリのラインにある漫畫の新刊が出ていて、しかも面白いと「ほう……ついに私の家に來るかい……?」と思う。

それがまた10巻以下だと真剣に悩む。この冊數なら揃えてもいいんじゃないか?! 15巻以上になると専用の棚が必要になる。

君にその価値があるのかい?

漫畫本片手に真剣にそんなことを語りかけている自分が嫌いではない。

一番楽しみにしていた新刊を手にビールを開ける。

ああー、仕事して、好きな漫畫があって、チャーシューは味しくて、ビールが冷えてるなんて、パラダイスすぎる!!

私は半分くらい一気に飲んで焼きそばを食べて、読み始めた。

「読み終わり……と」

私はスマホの読書アプリにそれを力した。

これが恐ろしく便利なのだ。漫畫を読んでいる量が多すぎて何をどこまで読んだか全く把握しきれないので、読んだ所までメモしている。

なのにどうして買う本が被るのか、わからない。永遠の謎だ。

次の本を求めて本棚ゾーンに出ると、〇KB48をネタにしたアイドルの漫畫が目にった。

これって確か、〇KB48に一人だけ男の子がいる話だったよね。

ふと滝本さんを思い出して、1巻を手に取った。あと近くにあった極道がアイドルをやる漫畫も手に取った。

この漫畫喫茶は漫畫の並べ方もいい。

アイドル関係の漫畫が読みたいなと思ったら、隣に並べて置いてあるんだもん、神だろうか。

アラームが鳴って大慌てで漫畫喫茶を出て終電に飛び乗った。

極道がアイドルをする漫畫が面白すぎて出ている最新刊まで読んでしまった。

滝本さんに読んでほしいから、買おうかな。

あ、でも持ってるかも知れない。

Lineで聞こうかな……と思いながら電車から降りた。

するといつものコンビニから、滝本さんが出てきた。

私は思わず大きな聲で呼び止めてしまった。

「!! 今お帰りですか。遅いですね」

「清川と飲んでました」

「おつかれさまですー!」

私は個人的に職場の人と二人きりでは、100%飲まない。楽しくないからだ。

あ、でも滝本さんとは飲んでるから99%?

私は滝本さんと自転車置き場に向かって歩き始めながら聞いた。

「極道の人がアイドルになる漫畫知ってますか?」

「知らないです。面白いんですか?」

と興味を持ってくれたので嬉しくなって

「週末一緒に読みましょう。今日読んできたんですけど、最高に面白かったですよ」

と瞬時にスマホを立ち上げて、もうカートにっていたので注文した。

楽しみすぎる! というか、間違いなく買うための機づけを探していたのだ。

私も悪いだわ……。

滝本さんは、そういえば……と言いながらリュックを背負いなおした。

「今日は清川に味しいチョコレートとマカロンを貰いました。甘いものはお好きですか?」

と聞いてきた。甘いは全て大好きだ。

そう答えると滝本さんは、それは良かった……と言いながら、自転車置き場で突然鞄を全開にしてチョコレートの蓋を開けた。

ええ?! こんな所で突然全開にするとは、滝本さんは中々酔ってるらしい。

でもチョコレートは大好なので、ひとつ頂くことにした。

口に運ぶと甘すぎなくて、でもふわりと優しい味で、すごくおいしかった。

「んー、いいですね」

私が言うと、滝本さんも一つ口にれて

「ふわふわですね」

とほほ笑んだ。そして今日は飲んでるので自転車は押していきます、帰りましょうか……と歩きだした。

し坂を登って一つチョコをたべて、し坂を登ったら、また一つチョコを食べて。

「家まで持ちませんね」

と私が笑ったら

「マカロンがあります」

と滝本さんが自慢げに言うので噴き出してしまった。

夜中にまだ食べるの?! 楽しくて全然嫌いじゃないけど。

夏が始まる夜、チョコレートと自転車のカラカラ回る音が心地よい。

私も滝本さんもし酔ってて、笑いながら坂を上った。

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