《【書籍化】オタク同僚と偽裝結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!》慣れるためだから、仕方ないのだ
「Twitterで見たから知ってるけど、これは辛いね……」
「貧乏學生設定ですからね、炭水化からは逃げられないですよ」
私とワラビちゃんは懲りずにコラボカフェに來ていた。
推しのカケルは、貧乏だけど才能があるアイドルで、専門學校から出世していく子だ。
貧乏なご飯を食べてレッスンに勵む姿が可くて大好きなんだけど、コラボカフェとなると一気に厳しくなる。
「素うどんと、食パンと塩パスタ……味がない炭水化しかない……!」
「私の推しのユウキは筋フェチだから、ブロッコリーとなんで、一緒に食べればイケますよ!」
「ワラビちゃん、コンプめざそ!」
「そうしないとオリジナルボイスゲットできないですもんね!」
そうなのだ。
今回コースターの裏に書いてあるコードをゲームで力すると、イベントでキャラクターのオリジナルボイスが聞けるのだ。
出來れば全キャラ(24人)しいけど、絶対無理なので、とりあえず私の推しのカケルとワラビちゃんの推しのユウキだけはコンプしたい所だ。
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「てか、滝本さんに一緒に來てもらえばいいじゃないですか」
ワラビちゃんはブロッコリーを塩パスタに投しながら言った。
私は素うどんとを食べながら
「やっぱりコラボカフェは、萌え語りしたいじゃん。見てよ、このコースターの絵……服が新作じゃん?」
「あーーっ、これは來月出る新曲の服ですね。あっ、ユウキとヨウがお揃いですよ。はい、この二人結婚しました」
腐子、一緒の服を著たらもう結婚である。
薪が無くても焚火が出來るのが私たち。
やっぱり隆太さんが好きとはいえ、それは求められない。
「萌え語りするから、このご飯も頑張れるのよ。隆太さんとは……もっとデートっぽい所に行きたいなあ」
「黒井さん一人で炭水化食べてください」
ワラビちゃんが素パスタ押し付けてくるので、私は人差しゆびをピシッ……と立てて説明にった。
「現実の推しと、オタクとしての推しは違うじゃん?」
ワラビちゃんはブロッコリーをかじりながら口を開いた。
「ちょっと気になってたんですけど、滝本さんってドルオタじゃないですか。自分の好きな人がアイドル好きってイヤじゃないですか?」
「じゃあワラビちゃんは筋キャラのユウキ推しだから、現実でも筋ムキムキの男と付き合いたいの? 上腕二頭筋がチョモランマだよ! って家で言いたいの?」
「いや、無理ですね」
「隆太さんもドルオタだからアイドルと結婚したいワケでは無いらしいよ。もはや親目線? 私が貧乏學生と結婚したくないみたいなものよ」
「そうですね、完全にヒモですよね……カケルと付き合ったら……」
「そういうこと」
お互いのオタ活については、付き合い始めた夜に隆太さんとも話した。
今まで通り、好きにしましょう。
でも私生活では、一番一緒に居ましょうって。
思い出すと顔が熱くなる。
一番一緒にいましょうって……なんかすごい。
「……隆太さんってさ、私のどこが好きなんだろう」
「乙すぎる発言にやけがしますね」
「聞いてみよ」
「すぐに聞ける強さがすごい」
私は隆太さんのLineを立ち上げて『隆太さんは私のどこが一番好きですか?』と聞いてみた。すぐに既読になって
『iPadのカバーの件もありますが、一番最初に好きだと思ったのは、新年會で味しそうにおを食べていた所ですよ』と返ってきた。
私はそれをワラビちゃんに見せた。
「だって!!」
「しょっぺーー。純見せつけられて、塩パスタが更に塩味に! しょっぺー!!」
読んで気が付いたんだけど、新年會……?
プロポーズされた春コミが2月の末。
だから一か月くらい前から私のことを好きでプロポーズしてくれたのかな。
……やばい、隆太さんに抱きつきたい。
「……私さ、家でずっと部屋著じゃん?」
「そうっスね。しかも全部アウトドアメーカーの服ですよね。モンベルでしたっけ」
「著心地が良くて楽なの。〇ニクロが部屋著とか噓。キツいもん、なんであんなにズボンがシビアなの。部屋著はモンベル一択……だったんだけど、こう、家に隆太さんと居るのに、私モンベルで良いのかなって思うようになってきたの」
「ジェラピケ、キメます?」
ワラビちゃんがスマホで見せてきたジェラートピケというメーカーのパジャマはモコモコして可かったけど、足が丸出しだ。
「そんなに足出したら風邪ひくよ!」
「GUは? 安くて可いですよ」
「GUはペラペラなんだよね……」
「じゃあ無印ですか」
「あー、無印の服とか『頑張ってないです!』ってじで良いかも!」
「なんですか、その設定」
家で頑張ってる子が居たら、なんだか疲れそう。
私たちはお會計を済ませて、特典のコースターをけ取った。
封を開けると
「全部芝吉!!!」
4枚ともカケルの飼っている犬、芝吉だった。
この場合芝吉の新規ボイス……つまり犬の鳴き聲が4枚、ワンワンワンワン? そんなバカな!!
「あ、私はカケルとユウキ出ましたね」
「ワラビちゃん!!」
「良かったですね、カケルの推し犬が出て」
「お願いーーー!!」
結局コースターは何とか換して貰った。
そして私たちは無印で『頑張りすぎてないコーデ大會』を開催、部屋著を揃えて帰宅した。
22時すぎに、隆太さんが帰宅した。
「おかえりなさい」
私はワラビちゃんと考えたコーデで出迎えた。
上はVネックの七分袖、上に薄いカーディガン、下はロングスカート。
寢る時はスカートの下にレギンスを履くというパジャマ併用は変わらぬバージョン!
隆太さんは私を見て
「……いつもと違う服裝で可いですね。えっと……新婚の奧さんみたいです」
「そういえば私、新婚の奧さんです」
「……そうですね、そうでした。えっと……ただいま」
隆太さんはし目をそらして、恥ずかしそうにうつむいた。その表が可くて、私はし背びをして隆太さんに抱き著いた。
帰って來たばかりだから、夏の外の匂いと、いつも通り隆太さんの匂いが混ざって香る。
隆太さんはゆっくりと私の背中に手をばしてくる。
そして大きな掌で優しくなでた。
私は隆太さんの首の後ろ辺りに頭を埋めて、深く息をする。
この香り、とても落ち著くのだ。
首の後ろあたりからフェロモンが出ていて、その匂いを嗅いでイヤじゃなかったら相がいいと何かで読んだ。
「……あの、隆太さん、私の匂いってイヤじゃないですか?」
私は抱きついたまま聞いた。
隆太さんは「えっと……では失禮します」と、ゆっくりと私の首元に鼻先を押し付ける。
くすぐったくて、首をすくめてしまう。
でも全然嫌な気持ちじゃない。
隆太さんはし鼻先を離して言った。
「……とても好きな匂いです」
「えへへ、良かったです」
私はモゾモゾともう一度隆太さんに抱き著いた。
そしてお晝のLineのことを聞くことにした。
「あの、新年會でお食べてた話って……」
「あー……それ、送ってから、しまったなあ……と思いました。そうですね、結構前から、好きでした」
「それを聞いてすごく抱きつきたいなーと思ったんです。だから今、満足です」
「それはとても嬉しいのですが……やはりまだこの嬉しすぎる狀況に慣れなくて……たまに意識が飛びそうになるんです」
「なんですか、それは」
隆太さんは改めて私を見て
「とても可い俺の奧さんにしずつ慣れていきますので、よろしくお願いします」
と眉をさげて、どうしようもないという表でほほ笑んだ。
そんな表をされたら、もっとイチャイチャしたくなってしまう。
「じゃあまず、毎日抱っこでイチャイチャして慣れましょう」
と隆太さんをリビングの床に座らせて、私は膝の間に座り込む。
この匂いと溫かさ、すごく落ち著く。
隆太さんは後ろで頭を抱えているが、慣れるためだから仕方ないのだ。
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