《【書籍版8/2発売】S級學園の自稱「普通」、可すぎる彼たちにグイグイ來られてバレバレです。》3 プールに暗雲?
場口の列に並んでチケットを買い、敷地にり直した。
外でも結構待たされたが、ここでも長い列ができている。
屋プールへと続くスロープに、ぎっしりと人が並んでいる。
「うぇー。なんでこんな混んでんの? なんかあるの今日?」
「おかしいわね。イベントの類いは何もなかったはずなんだけど」
彩加と涼華會長が困していると、ウンウン頑張って背びして遠くを見ていた甘音ちゃんが言った。
「あれ、清原兄弟さんじゃないですか? 『不良のカリスマ』の」
列の彼方に、黒い人だかりができている。
日焼けしたゴツイ男と、派手なメイクをしたたち。
深夜、ド○キ・ホ○テの二階に行くとたくさん出會えるタイプの人種ばかり集まっていた。
その中心にいるのは、人垣から頭一つ、二つ突き出た大男の三人組である。
「清原兄弟って、あの三人?」
甘音ちゃんが頷く。
「格闘家ヨウチューバーですよ。『プロ格闘家がケンカ売ってみた』って聞いたことないですか?」
Advertisement
「…………」
なかった。
清原って言われても、番長しか思い浮かばない。
やっぱり、こういう流行の話題を知らないのって「普通」じゃないよな……。
恥ずかしい。
「ごめん知らない。教えてくれないか?」
甘音ちゃんは嫌な顔ひとつせず教えてくれた。
「不良のカリスマの清原超星(きよはらすたー)さん、楽月(らっきー)さん、真(さにー)さんの兄弟で、全員プロの格闘家なんです」
「蕓人みたいな名前だけど、本名なのか?」
「あはは、たぶん。街にいるケンカ自慢とその場で戦うっていう企畫が人気で、いつも百萬回以上再生されてますよ」
「ハイハイ! ウチも見たことある! いきなりインネンつけてぼっこんぼっこん毆り合ったりして、ヤバイんだよねー」
流行りは押さえるギャル様が知っているというのなら、人気なんだろう。
ぼっこんぼっこんって、彩加が言うとなんだか可らしく思えるが――。
「ヨウチューブってすごいんだな。ケンカを配信しても怒られないのか」
「ちゃんとグローブつけて、ルールも決めて戦ってるみたいですよ」
「ああ。スパーリングみたいなもんか」
そりゃそうか。
ガチのストリートファイトなんて、ネット配信できるはずがない。
格闘技観戦が趣味の人だって、目がくりぬかれたり睪丸潰れたりするシーンを見たくはないだろう。
「それにしても甘音ちゃん、詳しいんだな」
「清原兄弟さんは帝開蕓能事務所所屬で、わたしが元いたテイカイミュージックと同じ系列ですから。一度だけ事務所で見かけたことありますけど、すごい迫力で。思わずトイレに隠れちゃいました」
「ふうん」
確かに、遠目にもギラギラしているのがわかる。
キラキラではなく、ギラギラ。
キャ・キャの區分とは別次元。
反社・アウトローな人種だった。
「怖いな。なるべく近づかないようにしようか」
涼華會長は目を丸くした。
「和真君が怖がるなんて相當ね。そんなに強いの? あの三人」
甘音ちゃんが答える。
「三人とも元暴走族で、ケンカで負けたことはなかったそうですよ。そこから格闘技はじめて、デビュー以來ずっと負けなし」
「じゃあ無敗ってこと? すごいわね」
確かにすごいが――。
俺が「怖い」といったのは、その兄弟に対してではない。
「帝開」の名前が出てきたからだ。
まさか、とは思うけれど。
プールであのブタと出くわすようなことに、ならなきゃいいんだが。
◇
この時の俺には、知るよしもないことだが――。
昨日の夕方、こんな畫が投稿されていたらしい。
【ほぼ毎日投稿】るあ姫様が斬る!~わきまえなさいッ~
チャンネル登録者數113萬人
『どもども~ども~んかーっしゅ♪』
『ゲーノーカイにあきたらず配信界でもチョーシこかせていただいておりますぅ~』
『“るあ姫”こと高屋敷瑠亜どえっす!』
『いきなりビッグニュースのおしらせデース!!』
『え? ナニナニ? ニュースとおしらせで意味かぶってる?』
『ブフフ。こざかしいことゆってると、お爺さまに通報してBAN♪しちゃうゾ? 生命(いのち)的にっ♪』
『イベントのおしらせなのですババーン!』
『とーとつですが、アタシ、単獨ライブやっちゃいます!』
『日時は明日! お晝くらいから!』
『場所は市のプリンセス・レジャープール!』
『もちろんアタシは水著♥で歌って踴っちゃうから、スケベどもはおたのしみにぃ~♥』
『……え? ナニ?』
『なんでいきなり明日なのか、って?』
『んーそれがねぇ』
『ホラ、前から話してるアタシの親友“カズコ”っているじゃん?』
『そのカズコがね、明日、アタシ以外の“友達”とプールに行くらしくってさぁ』
『ちょっとアタシわれてないわよプンプンッ! って、チョットるあ姫「おこ」なわけ』
『だからアタシも遊びにいって、驚かせてあげようかなーって』
『最近のアタシちょっぴりシット深いかも?』
『あぅ~んユルシてぇ~ん♥』
『……ふざけんじゃないわよ……あのメスガキども……』
『……よってたかってアタシのカズにサカりやがって……』
『……トップアイドルであるアタシとの差を、見せつけてやるんだから……』
『ってなわけで、明日のプールにおムネふくらみちゅうのるあ姫こと瑠亜ちゃんでしたー!』
『まったねーん!』
【コメント欄 910】
ドドンガドン・1分前
姫さまのみじゅぎぃぃ~絶対みりゅぅぅ~。
るあ様のしもべ8號・1分前
明日wwwwwちょwwwwwいきなりwwwwww
暖気ホーテ・1分前
ゲリラライブ的な?
シルヴァーナ公爵・1分前
カズコちゃん、もっと瑠亜ちゃんに構ってあげないとさぁ。
真織・1分前
途中の獨り言、なんて言ってんの?
れんちょん・1分前
祭りが起きそうな予!
レンドー・1分前
最近ももちーから瑠亜姫に乗り換えました! 姫様かわいすぎ!
【まるやまからのお願い】
この小説を読んで
「面白い!」
「続きが気になる!」
「ブタさん來ちゃうの? 修羅場るの?」
と思われた方、↓の★★★★★を押して応援してくれると嬉しいです!
ありがとうございます!
【書籍化&コミカライズ】関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました
【6月10日に書籍3巻発売!】 「ビアトリスは実家の力で強引に俺の婚約者におさまったんだ。俺は最初から不本意だった」 王太子アーネストがそう吹聴しているのを知ってしまい、公爵令嬢ビアトリスは彼との関係改善をあきらめて、距離を置くことを決意する。「そういえば私は今までアーネスト様にかまけてばかりで、他の方々とあまり交流してこなかったわね。もったいないことをしたものだわ」。気持ちを切り替え、美貌の辺境伯令息や気のいい友人たちと學院生活を楽しむようになるビアトリス。ところが今まで塩対応だったアーネストの方が、なぜか積極的にビアトリスに絡んでくるようになり――?!
8 64異世界不適合者の愚かな選択
両親を事故で失い、一週間家に引きこもった久しぶりに學校へいくと、突如、クラス転移された そこは魔法とスキルが存在する世界だった 「生き殘るための術を手に入れないと」 全ては生き殘るため しかしそんな主人公のステータスは平均以下 そんな中、ダンジョンへ遠征をするがモンスターに遭遇する。 「俺が時間を稼ぐ!!」 そんな無謀を世界は嘲笑うかのように潰した クラスメイトから、援護が入るが、逃げる途中、「お前なんてなんで生きてんだよ!!」 クラスメイトに、裏切られ、モンスターと共に奈落へ落ちる、そこで覚醒した主人公は、世界に仇なす!
8 68魂喰のカイト
――《ユニークスキル【魂喰】を獲得しました》 通り魔に刺され、死んだはずだった若手社會人、時雨海人は、気がつくと暗闇の中を流されていた。 その暗闇の中で見つけた一際目立つ光の塊の群れ。 塊の一つに觸れてみると、なにやらスキルを獲得した模様。 貰えるものは貰っておけ。 死んだ直後であるせいなのか、はたまた摩訶不思議な現象に合っているせいなのか、警戒もせず、次々と光の塊に觸れてゆく。 こうして數多のスキルを手に入れた海人だったが、ここで異変が起きる。 目の前に塊ではない、辺りの暗闇を照らすかのような光が差し込んできたのだ。 海人は突如現れた光に吸い込まれて行き――。 ※なろう様に直接投稿しています。 ※タイトル変更しました。 『ユニークスキル【魂喰】で半神人になったので地上に降り立ちます』→『元人間な半神人のギフトライフ!』→『魂喰のカイト』
8 74貴族冒険者〜貰ったスキルが最強でした!?〜
10歳になると、教會で神様からスキルを貰える世界エリシオス。エリシオスの南に位置するリウラス王國の辺境伯マテリア家に1人の男の子が誕生する。後に最強の貴族として歴史に名を殘す男の話。
8 198永遠の抱擁が始まる
発掘された數千年前の男女の遺骨は抱き合った狀態だった。 互いが互いを求めるかのような態勢の二人はどうしてそのような狀態で亡くなっていたのだろうか。 動ける片方が冷たくなった相手に寄り添ったのか、別々のところで事切れた二人を誰かが一緒になれるよう埋葬したのか、それとも二人は同時に目を閉じたのか──。 遺骨は世界各地でもう3組も見つかっている。 遺骨のニュースをテーマにしつつ、レストランではあるカップルが食事を楽しんでいる。 彼女は夢見心地で食前酒を口にする。 「すっごい素敵だよね」 しかし彼はどこか冷めた様子だ。 「彼らは、愛し合ったわけではないかも知れない」 ぽつりぽつりと語りだす彼の空想話は妙にリアルで生々しい。 遺骨が発見されて間もないのに、どうして彼はそこまで詳細に太古の男女の話ができるのか。 三組の抱き合う亡骸はそれぞれに繋がりがあった。 これは短編集のような長編ストーリーである。
8 161たった一つの願いを葉えるために
大切な人を失ったテルは神様にある真実を聞かされた。その御禮と謝罪として「マース」に転生させてもらった。 処女作です。かなり下手で文章も稚拙だとは思いますが、微笑ましく見守ってください。 ※時々訂正入りますが、ご了承ください。
8 106