《【WEB版】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った馴染が後悔してるけどもう遅い【書籍版好評発売中!】》21話 最高の家族と友達から溺されてる

休日、編集の芽依(めい)さんから、新作の書籍化・漫畫化・アニメ化の提案をされた。

その後、芽依さんは編集部に戻っていった。

『じゃ先生……上のガールフレンドたちにもよろしく♡』

『……なっ! なんでわかったの……?』

の勘、かな♡ じゃね~』

去り際に、芽依さんは僕に耳打していった。

別にガールフレンドじゃないんだけど……でも友達なら、ガールフレンド?

その後、リビングでは、アリッサと由梨恵(ゆりえ)、妹の詩子(うたこ)をえて、晝食を取っていた。

「「「アニメ化ぁ……!?」」」

新作【僕の心臓を君に捧げよ】、略して【僕心】のアニメ化まで決まったことを、みんなに教えた(父さんが)。

「す、す、すごすぎるよ勇太くん!」

由梨恵が目を剝いてぶ。

「即書籍化だけでもすごいのに……アニメ化までその日のうちに決まるなんてっ! 聞いたことないよ!」

その隣でアリッサ・洗馬が、心したように言う。

「……さすがユータさん。まさに神から文蕓の才能を與えられた、本の天才クリエイターですね。わたし、尊敬します」

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うんうん、とアリッサと由梨恵がうなずく。

それを見て詩子が驚愕していた。

「世界最高の歌手と超人気聲優からも尊敬されてるんて……やっぱりおにーちゃんはすごい!」

「ゆーちゃんは昔からすごかったのよ~♡」

陣が僕を口々に褒めてくれる。

『いやぁ勇太は上松(あげまつ)家の寶だなぁ……!』

一方で父さんは、ベランダから僕らを見ている。

「母さん……父さんはどうして外に?」

「ん~♡ どうしてって? 大ゴミは外に出しておくでしょう♡」

ついにゴミって言い切ったぁ!?

「さすがに不憫なんだけど……」

『ふははぁ! 勇太ぁ、僕を舐めてもらっちゃ困る! 會社でもゴミ扱いされてる僕は、こんな扱い慣れてるのさ!』

……聞こえなかったことにしよう、うん。

「えっと……その、由梨恵。ありがとう」

僕は言えずにいたことを、彼に言う。

「由梨恵が投稿を薦めてくれたから、こうして僕心が多くの人に見てもらえる機會をもらえたんだ……だから、ありがと」

由梨恵は目を丸くすると、フッ……と微笑む。

「どういたしましてっ!」

「……やはり勇太さんは、人間もできておりますね。自分だけの手柄だと誇らない……最高の男です♡」

詩子はスマホを開いて眼を丸くする。

「お、お兄ちゃん……連載版って、もう投稿したんだっけ?」

「え、うん。朝10時に。それが?」

「あ、あのね……お晝のランキング順位が出てるんだけど……見てよ」

僕らはスマホを手に取って、なろうのランキングページを見る。

そして……。

「「「な、なんだこれぇ……!」」」

僕ら全員驚愕した。

「連載版が、月間ランキング……よ、4ぃ位!?」

あまりに現実離れした景に、僕は目を疑う。

「あら、どうしたのゆーちゃん。たしか今朝5位だったでしょう? 1つ上がっただけで、なんでそこまで驚くのですか?」

を知らない母さんが首をかしげる。

「あのね母さん……それは、短編の順位。これは連載版」

「あらまぁ……數時間で月間ランキングに乗ったの?」

「いや、違うぞ母さん!」

ガラッ……! と父さんがリビングのドアを開けてってくる。

「なろうの仕様上、ポイントの集計する時刻は決まっているんだ」

「集計時刻?」

「そう。たとえば晝のランキングは、朝11時までに取ったポイント數が反映される」

「あら? となると……連載版の投稿は10時だったから……」

そう! と父さんがぶ。

「勇太の新作の連載版は、投稿1時間で、月間ランキング4位、1時間で6萬ポイント強を稼いだって事なんだよ!」

……父さんのそれを聞いて、改めて僕は驚く。

「あらまぁ、それって凄いの?」

「凄いってもんじゃあないよ! 前も言ったけど月間5位にるのは、どんなに頑張っても2,3週間かかるんだ。それを勇太は1時間で駆け上ったんだよ!」

「まぁ……♡ さすがゆーちゃん♡ すごいわぁ~♡」

確かに連載版は、短編版に『連載版はじめました。こっちもよろしく』と導線を引いておいた。

短編の続きをむひと、ランキングからってきたひとの分もあるから、結構ポイントが付くと思ったけど……。

「しかも勇太くん、見て! 日間ランキングの順位とポイント!」

連載版は、當然1位。2位は短編版。

そして連載版の日間でのポイントは、6萬強。

「……さすがですユータさん。短編版のときも前代未聞の數字だったのに、それの倍の記録を打ち立てるなんて……♡」

「おにーちゃんヤバすぎるよ! 化けだよ……! 歴史の破壊者だよー!」

大絶賛される一方で、僕は困する。

この作品が、こんなに評価されるもんだったなんて……。

「でも勇太くん凄いね。プロになる前、小學校の頃に書いた作品で、ここまで評価されるなんてね」

「「「しょ、小學生のとき!?」」」

母さん、詩子、父さんが、目を剝いて聲を張り上げる。

「おにーちゃん……もう、凄すぎて……怖いよ逆に……」

「勇太、おまえはまさに神だ! いやぁすごい!」

わあわあと妹と父さんが褒める。

「これはアニメも大ヒット確実だね!」「本も売れまくるぞぉ! 我が家が豪邸になる日も近い! 勝ったなガハハ!」

なんかべた褒めされすぎて、逆に怖くなってきた……。

その一方で、母さんは「はいはい」と手をたたく。

「みなさん、それにくらいに。ゆーちゃんにあまりプレッシャーをかけちゃだめですよ」

え……? と首をかしげるみんな。

「まだ本にすらなってないんですよ。今からこんなプレッシャーをかけすぎてしまえば、作者がぺしゃんと潰れちゃうかもしれないでしょう?」

ハッ……とみんなが気づいたような顔になる。

「ゆーちゃんが凄いのは周知の事実。でも期待かけすぎると、失敗したときのダメージが大きくなる。そのせいでゆーちゃんが、続きを書けなくなったり……最悪、引退なんてしたら……みんな、嫌でしょう?」

「「「い、嫌です……!」」」

微笑みながら、母さんがみんなに諭す。

「みんなで、ゆーちゃんを応援するのは悪くないことです。でも応援しすぎは時に負擔になりすぎてしまう。そのことを理解しながら……みんなでゆーちゃんをサポートしましょう♡」

「「「「はーい!」」」」

……正直、これから先、やってけるか不安だった。

けど、僕には応援したり、サポートしたりしてくれる、最高の家族と友達が居るんだ。

「ありがとう。僕……がんばるよ!」

母さんが微笑むと、ぎゅっと僕をハグしてくる。

「辛い時はいつでも頼ってくださいね。わたしたちはどんなときでも、ゆーちゃんを支える、応援団ですからね♡」

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