《【書籍化・コミカライズ】無自覚な天才は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~》うまくいかない
家族が増えるという大事な話を誰も私にしてくれなかったし確認すらなかった。偶然が重なって起きてしまったことだが、それは私の心に影を落とす。
「次からは、何か共有しておかなければならない報は使用人づてでいいので伝えていただけると助かります」
「いやだわ、リリアーヌ。大事な話を使用人を介して伝えるなんて娘をないがしろにしているみたいじゃない。そんな事言わないで」
詳細な事をこうして後から聞かされても。
つい當てつけのような言い方をしてしまった私に、お母様がひどく嘆いたのでそれ以上を口にするのはやめた。お母様の侍のエダにも、お母様とお父様で互いに私へ伝達不足があったことで口論のようになってしまっていたと聞いた。
私が原因のように言われたけれど、私に過失はなかったのではと反論したくなる。
家政を取り仕切るお母様には私に伝える義務があったし、車の中で話していれば間に合ったのに、何か留意する事柄はあるのか聞いた時に元の家庭の事を私に伝え忘れたお父様どちらにも否があると確かに私も思う。でもそれを指摘したら余計にこの件について煩わしくなるだけで何も得るものがないのは分かっていた私はこの話を終わらせた。
Advertisement
必要だった話をしないほうが実際ないがしろにしているように見えるんじゃないかと思ったのも言葉にはしないでおく。
だから友人にも「私だけ知らなかったの」なんて言えなくて、ニナさんの事は私が伝え忘れていたことにして編當日に紹介した。ずっとお忙しくしていたものねと言っていただけたけど、私が彼の事を歓迎していないと思われてしまったかもしれないとこれはこれで気分が重くなった。
ニナさんは突然違う環境のただ中にることになって不安だろうが、學園に通う子息令嬢ならば急に貴族社會に加わる養子の方達については教育されているはずなので習慣や文化の違いでトラブルになることは無いとは思いたい。
けど善意に任せるだけの事はせず、當然後見となった家の娘として初登校となる日は彼が編するクラスまで付き添って、ニナさんのクラスメイトになる方達に簡単に紹介もさせていただいた。アジェット公爵家の庇護がついていると知れば、使い相手とは言えど不埒な考えを持つ輩は出ないだろう。
Advertisement
そこには幸い、去年私が劇に出てから「憧れてます」と慕ってくれている令嬢が數人いらっしゃったので、ニナさんのご家庭の事についてやんわりと話してそこにれないように、他の級友の方達にも影で周知してもらえるようにニナさんと離れてからこっそりお願いした。
これで同じ事は起きないだろう。
「あ、あの、おはつにお目にかかります。この度魔法を授かりまして、アジェット家に迎えれていただきました、ニナと申します!」
「君がアジェット家に迎えられた使いだね。初めまして、私はライノルド・ソァサル・アナスタシオ=クロンヘイム、この國の第三王子ではあるが、この學園に通う間は同じ學徒として気軽に接してしい」
「ご挨拶出來て栄ですっ」
學園中にニナさんの後見かどこの家か知らせる目的と兼ねて、私の友関係にも紹介する。お晝は友人の令嬢達か、われた時はライノルド殿下とご一緒しているのだが、今日はニナさんを引き合わせるために大人數での會食になった。
普段ライノルド殿下と晝食をとる時にいない、殿下の側近の男もいた。彼らとは流がほとんどないので私からは名前とご実家くらいしか教えることはないが。
「ライノルド様……あっ、ライノルド様ってお呼びしていいですか? お兄様もいるなら名前の方が分かりやすくていいと思うんです!」
「……私は構わないよ」
なぜか一瞬私の方を見た殿下に、とりあえず微笑んでおく。お目こぼししてもらえる程度の最低限の禮儀はこの一か月で學んでいるとはお母様に聞いている。現に殿下も許しているし。しギョッとしたが問題ないのだろう。
殿下の側近には、私の友人の婚約者である方も多いので紹介は彼達に任せた。ニナさんと同じ學年の方はこの場にいないが、皆様には弟や妹もいらっしゃるので何かあったら力になってくださるだろう。
晝食の前にニナさんの家庭については話に出さないように伝えたが、ご家族の方にもそのあたりの事について伝えておかないと。
家に帰って、ライノルド殿下の側近と、私のお友達の弟妹に向けたニナさんの學園生活についての依頼狀を書いていると昨日からの話に引き続きアンナがぷりぷり怒っていた。
「お嬢様がそんなに気を遣うなんて……そもそも、家族って言葉を聞いただけでいちいち思い出して怯えるなんて、不自然ではないですか?」
「私が口にした時のタイミングが悪すぎたのでしょう。私には彼の苦しみは分からないから、きっと聞くだけで思い出すほどつらい思いをしたのかもしれないわ」
アンナは大げさだとじているようだったが、たしかに思い出すたびにあんなに酷く怯えてしまうなら周りの方は戸ってしまうかも。私はそこについてもフォローできるような言葉を加えて、6通のお手紙を書きあげた。ライノルド殿下の側近の方の弟妹に宛てたものは、殿下を介して兄にあたる方達に渡していただかないとならない。
流のない方への手紙としてはこれが正しい手法なのだが、殿下を郵便の仲介にしてしまうのはなんだか申し訳ない気もしてしまった。
翌日、晝食に迎えに行くとニナさんは教室で大勢の令嬢に囲まれていた。もう友人ができたのかと社にびっくりする。當然剣呑な話ではなくて、囲んでいる令嬢がたが楽しそうな聲で何か話しかけているのが分かったからだ。
「あっ、アジェット先輩!」
「皆様、ニナさんと仲良くしていただいてありがとう。素敵なクラスメイトが出來たみたいで、私も姉として嬉しいわ」
「そ、そんな……! 私達、謝していただくような事なんて何も……!」
「いいえ、妹にさっそく友人が出來たのが喜ばしくて。でも私も初めてできた妹が嬉しくてしかたないの。今日の晝食も彼を獨占しちゃってごめんなさい」
「いえっ! そんな!」
し姉ぶりすぎていただろうか。一番年の近いアルフォンスお兄様は留學していたし、他の姉兄達とは在學期間が被っていないのでどう振舞うのが正解なのかいまいち分からないのだ。
教室の外で待っていただいていた友人達に聲をかけると、後ろから「お話ししていただいちゃった!」とはしゃぐような可い聲が聞こえてきた。ニナさんはもうそんなに人気者になっているのね。良かった。
晝食をとる予定のサロンに向かう途中で何か困っていることはないかと聞いてみる。大丈夫だと言われたが、人前で言いにくいこともあるだろうと気付いて帰りに車の中でもう一度聞いてみようと頭の中にメモをした。
しばらく慣れるまで晝食におうと思っていたが、でもこの調子なら必要ないかもしれない。クラスで友人を作ったり、その友人と友を深める方がどちらかというと大切だし。
そう思って明日からは、さっき話していたクラスの子達と晝食を過ごすようにしないかと聞いてみると悲しそうにされてしまった。
「……私が一緒にいたら、迷ですよね……もうしわけありません、リリアーヌ様。お友達の中に混ざっちゃって……」
「そんなつもりはないのよ。ごめんなさい……同じ年齢の方達のほうが過ごしやすいかと思って。……そうだ、明日は彼達もこちらの晝食にいましょう。ニナさん、お聲かけしておいていただける?」
「そんな……貴族の方に聲をかけるなんて畏れ多くて。私には無理です」
おびえたようにそう言われて、私もそうだが私のお友達たちも困ってしまって顔をそっと見合わせた。……まだ慣れていないようだから、無理強いするのはやめておこう。
家にいる時はお姉様と呼んでくれるけど、學園では平民が貴族にするような仰々しい敬語がどうしても抜けないし、張しているのだろう。家族として接してとお願いはしてるけど、あまり言いすぎると命令のようにじてしまって窮屈かと思うと指摘しづらい。
はやく慣れてくれるといいのだが。考えごとをしながらサロンにって席に著く。
「ライノルド様達はいついらっしゃるんですか?」
キョロキョロ部屋を見渡したニナさんにそんなことを聞かれて、一瞬虛を衝かれた私はポカンとした顔をしていたと思う。
「……殿下とは、いつも晝食をご一緒しているわけじゃないのよ。昨日はニナさんのご紹介のためだったけど」
「えぇ……そうなんですね」
何故かニナさんはがっかりしたのでし心配してしまう。でも殿下を呼んでくるわけにはいかないし……
どうしたものかと思いながらも気落ちしたニナさんを元気づけるために明るく務めたが、晝食中も、帰りの車の中でも彼のはじけるような元気な笑顔が戻ってくることはなかった。
【書籍化コミカライズ】死に戻り令嬢の仮初め結婚~二度目の人生は生真面目將軍と星獣もふもふ~
★書籍化&コミカライズ★ 侯爵家の養女セレストは星獣使いという特別な存在。 けれど周囲から疎まれ、大切な星獣を奪われたあげく、偽物だったと斷罪され殺されてしまう。 目覚めるとなぜか十歳に戻っていた。もう搾取されるだけの人生はごめんだと、家を出る方法を模索する。未成年の貴族の令嬢が家の支配から逃れる方法――それは結婚だった――。 死に戻り前の記憶から、まもなく國の英雄であるフィル・ヘーゼルダインとの縁談が持ち上がることがわかっていた。十歳のセレストと立派な軍人であるフィル。一度目の世界で、不釣り合いな二人の縁談は成立しなかった。 二度目の世界。セレストは絶望的な未來を変えるために、フィルとの結婚を望み困惑する彼を説得することに……。 死に戻り令嬢×ツッコミ屬性の將軍。仮初め結婚からはじまるやり直しもふもふファンタジーです。 ※カクヨムにも掲載。 ※サブタイトルが少しだけ変わりました。
8 111【電子書籍化】婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣國へ行きますね
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。 幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。 失意のメリッサは王立寄宿學校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決斷。エミーと名前を変え、隣國アスタニア帝國に渡って書籍商になる。 するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出會う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。 ※エンジェライト文庫での電子書籍化が決定しました。詳細は活動報告で告知します。 ※この作品は他サイトにも掲載しています。 ※「小説家になろうnavi」で2022/10の朗読作品に選ばれました。
8 147妹はこの世界でただ一人の味方
小學六年生のとき霧崎 學の父が病気で他界する。その時の再婚相手である女は子供を置いて失蹤した。義理の妹である霧崎 結衣と父が殘した莫大な遺産で生活を送っていたはずだった。 お互いの考えを知った時二人の生活は180度変わる。 文章は下手くそです。長い目で見てくれると助かります(長い目で見てもらったところで何も成長しなかった男) ちゃんと両立出來てる人もいますが學生なので更新頻度は不定期です。ごめんなさい。 コメントを頂ければ基本的に返信します。どんどん送ってください。あ、コメント數見れば分かると思いますがちょっと異常な數字です。見つけるのに時間がかかる場合もあるので人によっては時間がかかってしまうかもしれません。 キャラぶれぶれ・・・。
8 187召喚チート付きで異世界に飛ばされたので、とりあえず俺を転移させた女神さまを召喚することにしました
MMORPGのつもりで設定したステータスを持って、相馬(そうま) 徹(とおる)は召喚士として異世界に転移した。女神さまから與えられたのは、ただひたすら召喚――つまりガチャを回すことに特化したチートだった。ソーマは召喚チートを駆使し、この世界で成り上がっていく。これは一人の少年が、魔王を倒し勇者に至るまでを描いた物語。※こちらの作品はまったり進行でお送りいたします。 この作品は『小説家になろう』様でも掲載しています。
8 61虐められていた僕は召喚された世界で奈落に落ちて、力を持った俺は地上に返り咲く
闇瀬神夜は世界に絶望していた。親からもクラスメイトからもいじめられ生に諦めていた。 ある日、いつも通りの酷い日常が終わる頃異世界に召喚されてしまう。 異世界でもいじめられる神夜はある日ダンジョンで、役立たず入らないと言われ殺されかける。しかし、たった一人に命と引き換えに生きる希望を與えられ奈落に落ちてしまった。奈落の底で神夜が見たものとは…… 仲間を手に入れ、大切な人を殺した人間に、復讐心を持ちながら仲間とともに自由に暮らす闇瀬神夜。その先にある未來を神夜は摑めるのか。 異世界召喚系の復讐系?ファンタジー!! なんだか、勇者たちへの復讐がなかなか出來なさそうです! 他にも「白黒(しっこく)の英雄王」「神眼使いの異世界生活」なども書いてます!ぜひご贔屓に!
8 186史上最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する ~剣聖と魔帝、2つの前世を持った男の英雄譚~
一度目の転生では《魔帝》、二度目の転生では《剣聖》と呼ばれ、世界を救った勇者ユーリ。しかし、いつしか《化物》と人々に疎まれる存在になっていた。 ついに嫌気が差したユーリは、次こそ100%自分のために生きると決意する。 最強の力を秘めたユーリは前世で培った《魔帝》と《剣聖》の記憶を活かして、Fランクの駆け出し冒険者として生活を始めることにするのだった――。
8 170