《【書籍化・コミカライズ】無自覚な天才は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~》今日は特別な

何が駄目だったのか、見當すらついていない私は時系列順に思い出していく。

しかしそのしょっぱな、ルーマツグミ草の納品についてギルドが評価を訂正した話をしたら即行で「そこからか~」とフレドさんが天を仰いだ。

「……ごめん、もうちょっと詳細確認すればここで気付けたのに……」

「そんな! フレドさんは全く悪くないです! あんなにアドバイスしていただいたのに、生かせなかった自分のせいなので……そもそも、目立たないようにっていうのも私の事でしかないですし……」

フレドさんは十分に確認してくれていた。あの評価が『可』だったから、新人冒険者として埋沒する行がとれてると判斷したんだろう。その判斷は當然だと思う。

「いや、リアナちゃんが求められてた『最低レベル』っていうのが普通じゃないのは分かってたのに、頼まれ事があったりして実際に自分の目で確認できなかったから……」

お互いに謝罪合戦になりそうになったが、

「俺の方が……違うな。もうこの件で謝るのはお互いに終わり。ね?」

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と明るい聲でパッと打ち切ってくれたフレドさんによって、とりあえずご飯を食べに行く事になった。確かに、起きた事は仕方ないし、実際誰が悪いと言うとあの男職員がそもそもの原因である。

だから気にしなくても良いと言う事ではないので、當然この件で「自分がどう立ち回ればよかったか」はしっかり振り返らなくては。

私達二人が互いに自分が悪いと言い合う橫で、ちょっとオロオロしてたアンナに申し訳ないなと思いつつ気持ちを切り替えた。

私は最近依頼を頑張っていたおかげでし余裕が出來ていたお財布の中を頭の中で確認して、「帰ってきたお祝いに馳走させてしい」と二人を個室のある食事処へ連れて行く事にした。

「ルーマツグミ草の納品で『可』って言うと、特に何も考えず、手でつかんで引っこ抜いてそのまま持っていったら『可』になるかなぁ」

食事処について、頼んだ料理が來るまでの間にさっきの話が再度持ち上がって「例えば」について話題が移る。本來私が目指すはずだった「平凡な新人冒険者」としての行は何だったのか、気になって聞いてみたのだ。

私はその言葉に驚いてしまった。

「……それだと、一番薬効分の濃い先端部分が回収できないですよね?」

「そうなんだけどね。新人は普通『ルーマツグミ草はの先端が大事』とか知らないからな~。むしろ特優って何やったらそんな評価が付くの……?」

「畑の土を耕すのに使う生活魔法がありますよね? それを使って側も切らない様に注意深く先端まで掘り返して、長いを丸めて保護しつつ持ち帰りました」

なるべくを長く掘り返して傷付けずに持ち帰る、という依頼書に書いてあった通りの事をしただけなんですが、と言うとフレドさんの顔が引きつった。

「生活魔法でそこまで深く掘り返せるとか、逆にすごすぎて……きっと標本みたいにキレイな狀態で納品されたんだろうな~……そりゃ錬金師ギルドがありがたがって指名も來るよね……」

しみじみとそう言われて、私は本來の新人冒険者として不自然ではない枠どころか、自分がいかに常識外れの事をしたのか知って気分がどんよりしてきてしまった。

「ああ、いや! リアナちゃんは悪い事したわけじゃないから、落ち込まないで!」

「そうですよ! むしろお嬢様なら金級……いや白金級でもおかしくないのですから! 銀級で収まっていたなんて……とても! 実力を抑えることに功していたと思います!」

「は……い、ごめんな、じゃなくて。ありがとうございます。……アンナは、ちょっと私を過大評価しすぎだと思うけど……」

また謝罪しそうになって慌てて言い換える。口癖みたいに謝るのも、これから変えていきたい。

でも過大評価ではない、と自信満々で言い切るアンナが面白くて私はつい笑ってしまった。贔屓目が過ぎると思う。白金級だなんて……面映ゆいけど、嬉しい。

「俺もアンナさんの評価は言い過ぎではない気がする……ギルドとリアナちゃんの認識もズレてるというか、多分半分も出來れば良いと思って提案してたと思うな~」

「そ、そうだったんですか?」

「依頼の容を追って見ただけの推測だけど……向こうの想定より遙かに良い結果出すから次はまた難易度が高いものを提案されて、っていう繰り返しが起きてたみたいだね」

なんと。そこから認識が違ったのか。自分でも出來そうなものを、と相談して提案された依頼だから、「これは達できてもおかしくないと思われてるんだな」と判斷してたのだが。……私が「最低限」と考えてやった事は全部普通じゃなくて、いらない注目を集めてしまった。

高い水準を求められて、そこにはずっと手が屆かなかった。一度も認めてくれなかった家族の方がおかしいって分かってたつもりなのに、何が出來たら異質と思われるのか覚的に理解できない。

自分が合格點だと思っているラインは、家族から向けられていた評価を基準にしてしまっているんだなぁと自分で自分にわざわざ突き付けた気分だった。

「そうだ……お祝いしよう! お祝い。冒険者登録一か月で銀級になるなんて、英雄譚の書き出しぐらいでしか見ないような快挙だよ」

「そうですね、お嬢様、お祝いしましょう」

二人が心から、まるで自分の事のように喜んでくれているのが分かって、この件について……初めて心から「嬉しい」と思えた気がする。ギルドからは評価してもらえたけど、目立ってしまった、失敗してしまったってずっとの真ん中が重かったから。

「だからリアナちゃんがそんな申し訳なさそうな顔する必要なんてないよ。素晴らしい事なんだから」

「……はい、ありがとうございます……」

何を考えていたのかなんてお見通しのその言葉があまりに優しくて、私は甘えてしまった。

今日だけ。今日はちょっとだけ。だってお祝いだって二人が言ってくれたから。

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