《【書籍化・コミカライズ】三食晝寢付き生活を約束してください、公爵様》13.三人の侍

「リルでございます。ランブルド養學院を総合一位で卒業し、リンドベルド公爵家に侍として雇用され、七年になります。未だ勉強不足な面はあるかと存じますが、誠心誠意お仕えする所存です」

「ライラと申します。同じくランブルド養學院を実技一位で卒業いたしました。リンドベルド公爵家には昨年採用されました。最も得意なことは容やを整えることでございます。ぜひ奧様にお仕えし、自分の得意分野を生かしていきたいと思います」

「リーナです。今年度シャナク侍校を最優秀學生にて卒業しました。まだまだ、未ではありますが、一日も早く仕事を覚え、奧様の役に立つことをお約束いたします。どうぞよろしくお願いいたします」

三人って優秀そうだなぁって思ってたけど、本當に超エリートだった。

こんな人材を遊ばせてたなんて、逆にすごい。

でも、旦那様もよく三人に思い留まらせてたよね。

ランブルド養學院とは、この國一の使用人養學校で、それの歴史はかなり古い。

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しかも、そこを出た人はどんな績であってももれなく優秀。

確か、學科はいくつかあって、執事養科と侍科は學するのも卒業するのもとんでもなく大変だと聞いている。

そこの総合一位と実技一位ならば、皇宮で皇族にだって仕えることが出來るほど。

そしてシャナク侍校は、侍の育に特化した學校だ。

ランブルド養學院と比べると確かに名前は見劣りするかもしれないが、実は侍科という一點でみれば、シャナク侍校の方が學倍率が高いと言われている。

そんなエリートさんが、待遇面でいえば良くても仕事面で自分の実際にんでいた仕事じゃない事をやらされたら、普通は辭職しそうなものだ。

たとえ紹介狀がなくても、それだけ優秀ならばリンドベルド公爵家に盾突くことはできなくても學院だって、こっそりなんとかしてくれた可能があったわけで。

もしくは、親族を頼るか、知り合いを頼るか方法はいくらでもあったはず。

そう思うと、彼たちは本當にリンドベルド公爵家にとっては得難い人たちなんだろうなぁと思う。

「いいでしょう、とりあえずあなた方をリーシャ様付きとします。旦那様もよろしいですね?」

「任せる」

旦那様はラグナートに丸投げて、ラグナートはラグナートでそれが自分の役割とでも言うように采配する。

わたしが口を挾むようなことでもないんだけど、若干わたしが気まずい。

でも、三人はわたしの事を驚くこともなくれていた。

これはやっぱりはじめから知っていたんだよなぁ。

三人は優秀な侍として卒業した。

それなのに、邸宅の事をわたしに話し過ぎだとは思っていた。

もちろん、おしゃべり好きで噂好きなのは間違いないとは思うけど。

「よろしくお願いします、奧様」

ニコリと微笑むリルを筆頭に、三人が頭を下げた。

「あ、よろしくお願いします……」

わたしは気まずくて微妙な顔でそう言うと、早速と言わんばかりにリルが代表してラグナートに言う。

「できましたら、奧様の支度を整えたいと思いますが、よろしいですか?」

現在わたしが著ている服は市井のが著るような服だ。

楽だし、一人でぎ著できるけど、それが公爵夫人に相応しいかと言われると否である。

でも、ここでは誰も何も言わなかったので、ずっと楽に過ごしていた。

堅苦しい服は苦手なので。

「いいでしょう。ぜひお願いします」

ラグナートがあっさりと許可を出す。

わたしは及び腰で三人に連れられて自室に戻って來る。そこにはすでに々準備されていた。

手回しが良くて結構ですね。

できる方々は違います……。

「では、奧様。とりあえずぎましょう、そんなダサい――いえ、似合わない服は今すぐに」

「それにこの一週間で、なんだかがお疲れですよ。お風呂にってピカピカに磨き上げて――ではなく、マッサージしましょう! わたくし、とても得意なんですよ」

「わたくしはしっかりとお二人のサポートします!」

いやー、その前に言う事あるんじゃないんですかね?

なんだか、一人取り殘されております。わたしが。

「えーと、三人は知っていたんだよね?」

「もちろんです。すぐに正は分かりましたよ。下の服を著ていたって、本來持つべき資質と言うものは隠しきれませんし」

「それに、確かにはあまりいい狀態ではありませんでしたが、手が綺麗すぎですよ。なくとも下働きしているような人の手ではありませんでした。爪も綺麗に整えられていましたし」

「あとは、所作がやっぱり違うんですよ、貴族とそうじゃない人とでは。無意識に出る行はごまかせません!」

優秀な人は見るべきところが違いました。

無意識下のきまで見られて判斷されていたと言われても、どうすることもできません。

「あ、でも安心してください。ほかの人には言っていません。気付いてもいませんしね」

リルがなんだか棘のある言い方をした。

ふふふと笑う姿に、わたしは若干口元がひき吊った。

「では、まずはゆっくりを休めましょう! 戦いに赴くなら、きっちり準備をしなければ!」

えーと? 戦いとは一なんですかねぇ?

をゆっくり休める事は大賛ですけど、ちょっとわたしの希とは違いますよね?

わたしは三人の勢いに、されるがままになってそのをゆだねるしかなかった。

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