《【二章開始】騎士好き聖は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】》09.お二人とも、見目がいい
この地に來て、一週間が経った。
寮母の仕事は、基本的にはそれぞれの得意分野で擔當分けされている。
その日によって終わらなさそうなことは皆で協力したりもするし、騎士の方たちも自分の部屋の掃除や下著などの洗濯は自分で行ってくれている。
皆で協力して何かをするのはとても楽しいし、やりがいをじる。
私の擔當は、毎食の料理と洗濯を干すこと。料理の擔當はエルガさんも一緒だし、朝と夜は量が多いから他の先輩もいる。
けれど洗濯を干すのは私一人の仕事だ。
朝食の配膳や片付けをしている間に、洗濯擔當の方が洗ってくれたものを、私は干すだけだから一人でも全然大丈夫。
むしろ洗濯というのは洗うのが大変な作業なのに、手伝わなくていいのだろうかと思ってしまうくらいなのだけど、これは得意分野で分けた擔當だから、いいらしい。
「シベルちゃん」
「レオさん」
その日も中庭で大量の洗濯を干していたら、レオさんに聲をかけられた。
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隣には副団長のミルコさんもいる。
レオさんもミルコさんも二十五歳という若さで、団長と副団長職を擔っている優秀な方。
それも第一騎士団はエリートばかりの部隊だから、本當にすごい人なんだと思う。
「お疲れ様。すごい量だね」
洗濯の量を見て、レオさんは苦笑いしながら言った。
「お疲れ様です――」
――というか。
なんですか、突然! これはなんのサービスですか!
二人とも、私より頭ひとつ分以上大きな長をしている。
ひょろひょろだったマルクス殿下とは違い、騎士らしくしっかりと鍛えられたと、服の上からでもわかるたくましい筋……!
レオさんはそこまでガチムチということもなくて、すごくちょうどいい。すごく理想的!
ミルコさんは第一騎士団の中で一番か二番目にムキムキで、すごくたくましい。
そしてお二人とも、見目がいい!!
そんな二人が突然私の目の前に現れるなんて……!
騎士服がとても似合っている。
私にはキラキラ輝いて見える。
「……うっ」
「シベルちゃん? 大丈夫?」
「はい、ちょっと私には刺激が強くて……」
「え?」
「いえ、こっちの話です」
にやけてしまいそうになる口元を手で覆い、ぱっと顔を逸らした私を、レオさんはすぐに心配してくれた。
駄目よ、シベル。今は仕事中なのだから、しっかりしなくては。
気を取り直し、自分に喝をれて背筋をばし、二人に向き直る。
「お二人はどうされたのですか?」
「ああ、仕事でし出ていたのだが、戻ったら君が一生懸命洗濯を干しているのが見えたから」
「まぁ」
私を見つけてわざわざ來てくれたということ?
本當に、どんなご褒ですか。今日の報酬ですね。ありがとうございます。
「し手伝おうか」
「えっ」
レオさんの言葉にの奧をきゅんきゅんさせていたら、そんな私に構わず、洗濯に手をばすレオさん。
「大丈夫ですよ、お疲れでしょうから、中で休んでください!」
「いや、疲れてないから大丈夫だ」
「ですが……」
意外と手際よく洗濯を干していくレオさんに、ミルコさんまで続いた。
ああ……でも、お二人とも背が高いから、私が干すのに一苦労する一番上の竿にも、簡単にタオルをかけていってしまう。
たったそれだけのことなのに、彼らがやるとなぜか絵になる。
ピシッと、清潔のある騎士服を著て、腰には剣を所持しているのに、洗濯を干してくれているのよ?
しかも、騎士団長と副団長のお二人が……!!
なんて私得なギャップなのかしら!
私の手ではとても大きくじた類やタオルも、男の人の大きな手の中だと、いつもより小さく見える。
これはずっと見ていられるわ。
ついそう思ってしまったけれど、すぐにはっとして「そうじゃないでしょ!」と自分に突っ込みをれる。
「ありがとうございます。とても助かりました。でも本當に、もう大丈夫ですよ」
「いや、三人でやってしまったほうが早い。なぁ、ミルコ」
「ああ、気にしなくていいよ」
「……」
うう……二人ともなんてお優しいのかしら。
こうなったら、負けていられないわね。
お二人よりもたくさん干さなければと、余計気合いがった私は、高い位置に洗濯を干してくれる二人に素直に謝しながら、負けじと手をかした。
「――ありがとうございました。本當に助かりました!」
「いや、こちらこそ、いつもあんなにたくさんの洗濯を一人で干してくれているのかと思うと……なんだか申し訳ないな」
「いいえ! あれくらい全然ですよ!」
騎士の方たちが著たシャツや、使ったタオルを干せるなんて……私は幸せですよ。
という言葉は、呑み込んだ。気持ち悪いと思われてしまうことは、自覚している。
まぁ、先輩たちが洗ってくれた、綺麗なものなのだけど。
「そう言ってもらえてよかった。君はなかなか頑張ってくれているようだね」
「まだまだです」
本當に、騎士の方たちのほうが大変な仕事をしているのは知っているし、先輩たちに比べたらまだわからないことも多い。
「謙虛だな、シベルちゃんは」
「いいえ」
だから、レオさんはそう言ってくれたけど、これは本心だ。
「何か困ったことがあったらいつでも言ってくれ」
「はい! ありがとうございます」
「うん」
優しくて気配りまでできるレオさんに、心の底から謝してお禮を言った。
「……うん」
「?」
そしたらこの場は解散になるかと思ったけれど、レオさんはまだ何か言いたいことでもあるのか、私に視線を向けたままそこから離れようとしない。
どうしたのかしら?
「……レオ、行くぞ」
「あ、ああ。そうだな。シベルちゃん、それじゃあ、また」
「はい!」
とうとうミルコさんに促されて足をかしたレオさんだけど、何か用があったわけではないのだろうか。
次回、レオ視點です。
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