《【二章開始】騎士好き聖は今日も幸せ【書籍化・コミカライズ決定】》49.彼は今日も幸せだから※レオ視點
真の聖であることを國王に認められ、正式に我が國の聖となったシベルちゃんと、その聖を追放したマルクスに代わって王位を継ぐことになった俺との婚約は、無事に立した。
マルクスは自分の軽率な行をシベルちゃんに謝罪した。
しかしシベルちゃんは、「おかげでとても楽しい日々を過ごせましたので」と、笑って彼を許した。――というか、許すも何も、彼は最初からマルクスをしも恨んでなどいなかったのだ。
騎士が好きだというシベルちゃんにとって、確かに騎士団の寮で過ごした時間は充実していたのかもしれない。
マルクスは俺の代わりにトーリへ行くことになった。
追放というより、彼も騎士団に団して、心とを鍛えてこいと、父に言われたのだ。
マルクスの婚約者であるアニカと、その母親のヴィアス夫人も、彼と一緒にトーリ行きが決まった。
シベルちゃんは二人のことも怒ってはいなかったが、二人が王都に居づらくなったのだろう。
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たとえ本當に自分の娘が真の聖だと信じていたとしても、あの母親にはシベルちゃんに対して悪意があったし、アニカもシベルちゃんにいじめられたなどという噓をついて彼を陥れたのだ。
マルクスのことが好きだったアニカは、シベルちゃんに嫉妬していたことを認め、マルクス同様シベルちゃんに泣きながら謝罪した。
シベルちゃんは泣きじゃくる義妹を見て「貴も辛かったのね」と、聲をかけた。彼は心までも、真の聖だ。
だがシベルちゃんが彼たちを許しても、騎士団を始めとした周りの者たちがそれを許さなかった。
俺だってその一人だ。二人を野放しにはできないし、シベルちゃんの近くにいさせることもできない。
王都から離れたトーリの地で、彼たちは騎士団の世話をすることになる。
だが、シベルちゃんと違って彼たちは騎士が好きなわけでもなければ、家事なども一切できない。
これから苦労するだろう。
ひょろひょろのマルクスも、贅沢な暮らしですっかりえてしまったらしいアニカも、格が酷く歪んでいる母親も、しは心ともに鍛えられるといいのだが。
ああ、そうそう。トーリだが、シベルちゃんが聖の力に目覚め、エルガの魔石に聖の加護を付與してくれたこともあり、彼がいなくなった後も平和が続いている。
それでも魔が住まう森が近くにあるから、しばらくは騎士団を派遣させておくことになった。
しかし、マルクスが所屬することになるその騎士団は、第一騎士団ではなく、第三騎士団だ。
第一騎士団は、俺とともに王都に戻り、城を守る任務に就くことになったのだ。
シベルちゃんが一番危懼していた、「もう皆さんにお會いできない」という悩みも解決されるというわけだ。
ちなみにエルガ等寮母たちも、希する者は(まぁ、全員希したのだが)王都に呼び寄せ、王太子妃(シベルちゃん)の侍となる者と、王城に隣接した騎士団の寮で働く者とで新しい勤め先が決まった。
俺はとても幸せだ。
元々王太子の座に興味はなかったが、騎士としてこの國のために戦ってきたとして、これからは大好きなシベルちゃんとともにこの國の平和を守っていける立場となったことに、深く謝している。
父はもしかしたら、シベルちゃんが追放された時點で、こうすることを決めていたのかもしれない。
シベルちゃんが俺のいるトーリに追放されたのはマルクスが決めたはずだから、第一王子である俺と聖であるシベルちゃんが出會ったのはたまたまだと思うが……
父が黙っていたのは、俺たちがどうくのかを見極めるためだったのか……。
まぁ、そこまで考えると切りがないのでやめておく。
「――ミルコ、シベルちゃんを見ていないか?」
「なんだ、いないのか。それじゃあ、きっとまたあそこ(・・・)じゃないか?」
「ああ、やはりそうか……」
あれからもシベルちゃんは毎日を王城で過ごしている。
彼の妃教育はほぼすべて終了しており、あとはもう俺の立太子を経て籍をれる日取りを決めるだけなのだが……
彼は隙を見て、すぐにあそこ(・・・)へ行ってしまう。
「まぁ、いいじゃないか。彼らしくて」
「そうだな。きっとシベルちゃんは今日も幸せそうに笑っているのだろう」
第一王子(俺)の側近であるミルコと二人、肩を並べて向かったのは騎士団の訓練場。
やはり彼は、今日もそこで騎士たちの訓練を眺めていた。
「シベルちゃん!」
「レオさん、ミルコさん」
俺が聲をかけると、こちらを振り返って嬉しそうに笑ってくれる。
とても可い笑顔に俺とミルコの頰も緩むが、今は騎士服を著ていない俺はし不安にもなる。
「また騎士の訓練を見に來ていたのかい?」
「ええ、だってやっぱり騎士の方々は本當にすごいんですもの!」
「見學をするのも差しれを持っていくのも構わないが、あまり余所見ばかりされると、し妬けてしまうな」
「え……っ」
そう言って彼のを後ろから抱きすくめるように包み込むと、シベルちゃんのはあっという間にカチンと直する。
「レ、レオさん……、皆さんが見ています……!」
「いいじゃないか。見せつけているんだよ。君は俺の可い婚約者だからね」
「……そうですけど……」
耳まで真っ赤になって照れているシベルちゃんは、本當に可い。
今すぐ俺の部屋に連れて行きたくなってしまう。
「わかった。それじゃあ今夜のトレーニングの時間には、君も同行するかい?」
俺はここ最近毎日、ミルコとともに鍛錬を行っている。
「はい! ぜひ!!」
彼が俺とミルコのトレーニングを見るのが大好きなのは、もうわかっている。
だから元気よく頷いたシベルちゃんに、やっぱり俺も元気をもらってつい笑顔になってしまう。
「でもその後は、俺と二人きりの時間だよ」
「え……、あの……お手らかにお願いします……」
騎士のを見るのは大好きなくせに、まだまだこういうことには慣れていないシベルちゃんが、俺は可くて仕方ない。
「どうしようかな」
「……レオさん…………!」
耳元で靜かに囁けば、シベルちゃんの顔はますます赤くなっていく。
シベルちゃんと優秀な騎士たちがいれば、きっとこの國は大丈夫。
だって騎士が好きな真の聖(シベルちゃん)は憧れの騎士たちに囲まれて、今日も幸せなのだから――。
第一章、これにて終了です!
レオ、シベル、おめでとう!面白かったぞ!第二章も応援してやるよ!
などと思っていただけましたら、どうか祝福の評価を押して作者の背中を押していただけると嬉しいです!( ;ᵕ;)
ただいま書籍化作業を同時進行で進めております!
しでも早く皆様の手にお屆けできるよう、またWEB版より更に充実した容になるよう、一杯頑張っております!
第二章は王都編(婚約者編)の予定です。
プロットと書きためがし出來たら更新再開します!そんなに間はあけたくない気持ちですが、7月中頃になりそうです……( ;ᵕ;)
騎士好きを知られたシベルは王都でも騎士に囲まれる毎日を送って幸せ……!
そしてレオとの甘々な日々も増量でお送りする予定ですので、レオとのイチャイチャを見たい方はぜひお付き合いください(*´˘`*)
ブックマークはそのままで、ユーザーお気にり登録などしていただけると嬉しいです!
數字や想、しっかり見ております。
いつも本當に勵まされております……( ;ᵕ;)
★お知らせ★
同作者が書いております、
「無口だった婚約者は聲(イケボ)騎士でした~このは耳から始まった~」
が、本日より各電子書籍サイト様から配信されております!
聲から始まる語です。
ご興味がありましたら、ぜひよろしくお願いします!
詳しくは活報告にて\(^^)/
なろうの作品ページはこちら↓↓
https://ncode.syosetu.com/n7006hi/
それでは、また近々お會いしましょう(*´˘`*)ありがとうございました!
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