２話更新です。

こちらは１話目。

まずは、Ｂ４サイズのカレンダーの裏に、俺の家の間取りを描いて名稱を書きれ、その下にレイモンドさんの手で、彼の國の言語で部屋の名稱をれてもらう。

小さい家の間取りなんて、軽く案しただけで覚えられるはずだけど、書いてもらうことで互いの言語を覚えることができる。単語一つでも、ジェスチャー込みでなら通じることもあるさ。

そして、それを元にして部屋の使い方や、設備の取り扱いに関してを説明した。渡したボールペンが原因で、どうも彼の心にこの世界の神へ畏怖の念が湧いたらしいのだが、職人が作り上げただと弁明したら、今度は職人マンセーが始まって大変だったから譲ってやった。カチカチとノックして楽しみながら、それぞれの部屋にメモ書きしてた。

それから、やっと瀬家へのご案が始まる訳ですが、その前に玄関先で、彼がにつけいていたあれこれを外したりいだりしてもらった。だってなー、もうボロボロだわ埃だらけだわ、このままじゃ室へはれられなかったんだ。で、半で浴室へ直行！今度は、シャワーや水栓の扱いを実踐して見せて、彼がＯＫを出した所で一旦退散した。

下著もな、俺の知ってるパンツじゃなくて、オヤジのステテコみたいなやつ。でも、ふんどしじゃなくて良かった。

レイモンドさんが風呂にってるに、彼のに付けていた異世界を洗浄してビニール袋に丁寧にしまい、それからキッチンカー部を隅々まで掃除・洗浄・消毒し、殘っていた商品は車から撤去した。食えるは夕食だ。

冷靜になってみて気づいたのは、レイモンドさんをこちらに引き込んだりして、々大丈夫なのか？だ。未知の菌やら病原やらに関してだが、例えば彼がこっちのあれこれに冒されたりしないか、彼があっちのあれこれを持ち込んでいないかだ。

食品を扱ってる以上は、普通以上に気を遣わないとならない立場だから、出來る限り清潔にしておかなければならない。それに、彼が病気になっても醫者へは簡単に連れて行けないんだ。気をつけるに越したことはない。

まあ、あまり心配してないけどね。弁當の輸(笑)を長々とやって來て、いまだに俺はピンピンしてるし、店にクレームもって來てない。

でも、きっちり掃除と洗浄は食い屋の常識だから、やり過ぎでも悪いことじゃない。

掃除の途中で様子見に戻り、心細げにタオルを巻いて所に立つ戦士様に、俺は謝りながらし大きめで新品の類を手渡した。頭の傷は、瓦礫が飛んで來て切った傷で、幸いなことに出も止まって膏と大判の絆創膏で処置できた。

その後は、彼に飯を食わせて、俺は風呂へ。戻って來たら、レイモンドさんはフォークを手に寢倒れていた。

これじゃ、どー見ても、日本へホームステイに來た外國人の夏休みだな。

心共に疲れ切ったんだろう。腹一杯飯食ってほっとしたら、意識が遠のいてダウンしたんだな。

俺も神的にすげー疲れてたけど、殘った掃除を片付けるために、気合をれて外へと出て行った。

レイモンドさんの目が、食事よりもＴＶに釘付けだ。

彼が睡から目覚めたのは、俺が夕食を作っている最中だった。食いしん坊戦士はその匂いで眠りの世界から召喚されたらしく、気づいたら俺の後ろに立って興味深げに覗きこんでいた。

食事の用意を整え、では食べようぜとなった所でＴＶのスイッチをれたんだが、結果は彼を戦慄させた。

リモコンでいきなりスイッチオンしたら、びくぅっと肩を震わせ固まって、戦々恐々として後ろを振り返って何か喚いた。何言ってんのか、分からんわ！

例のダンジョンマップ…じゃない、間取り図の居間を指し示し、その端に描いた四角を指でトントンした。

ＴＶは、彼にとって魔法の箱だ。こっちの世界では、電気と電波っつー魔力で、遠い所から送られて來る映像が見れると言っておいたんだが、現はやはり未知の脅威だったらしい。

でも、３０分もたたずに釘付けってどーゆーことだよ。何を言ってるか分かってないくせに。

で、今の所、彼の一番のお気にりは風呂だ。

この家は、俺の祖母が老後一人で住んでいた家で、ここから一時間ばかり車を走らせた田舎にある実家から、高校進學の為に俺は祖母とここで生活を始めた。

その時、親と祖母が金を出し合って、バリアフリーの名の元に改築し、ことに臺所と浴室は俺と祖母の願をたっぷり詰めて依頼した。次點がトイレ設備な。なので、どちらも広くて設備が新し目だ。

そして、浴室は何と言ってもびびできる広い浴槽！ばーちゃんが溺れたりしないように、ステップとグリップがついても邪魔にならないデカさだった。

その祖母も、俺が高校卒業間近に亡くなったが、俺は進學先が決まっていたので住み続けていた。

でだ、そのお気にりの浴室が今、ヤツに占拠されそうです。ＴＶリモコンの作より、追い炊きやジェットマッサージのリモコン作を先に覚えたほどだ。なんだ？脳みその差か？

それより先に、便座の上下リモコンボタンを覚えろっつーの！便に嵌って悲鳴上げられた時には、俺は心で涙流しながら便所のドアの蝶番を外した。

そんな楽しくも騒がしい家の中の生活だが、その間はちゃんと仕事をしてたんだぞ。

怒濤の初日の翌日、早朝からレイモンドさんを叩き起こして飯を食わせ、仕れのために彼を連れて出発した。いつもより早く出たのは、彼の買いがあったから。まず洋服だ。無理に著ればどうにか著れるが、いかんせん縦も橫も俺の負けで、Ｔシャツやボトムの買い出しをしなければならなかった。

だから、その分をきっちり働いてもらおう！と計畫したのだ。キッチンカーの中で、これからの話しをして要を聞き、またはお願いをしておく。彼用(笑)のボールペンでせっせとメモする姿が、真剣でいじらしい。（でも、俺は笑う）

安いですまんかったが、洋服でしでもイケメン度を上げてもらって、看板イケメンになってもらう計畫を発した。

俺が運転してる間は助手席を設置して乗ってもらい、あれこれ話してみる。初験の連続で固まりまくって大変だったが、危険が無いことが彼の第一條件らしく、それを知ればすぐに行してくれた。分からないことはその場でメモして、キッチンカーに戻った時に質問して來る。説明されても理解できない謎が一杯だろうに、これから仕事開始だと分かっているから彼は大人しく従ってくれていた。

「わー…バイトさん？」

「ええ、遠い國から留學してきて、今俺ン家にホームステイしてるんですよ。まだ言葉が分らないけど、試しに付いてきました」

「コンイーティワッ」

「はい、こんにちは！」

午前営業のビル街で、常連のＯＬさんたちに大ウケ。

キッチンカーの中でも、彼が『日本語』を話そうと意識して口をかすと、覚えたてのカタコト日本語になる。だから、営業窓からお客さんたちの話す言葉が通じていても、彼にはカタコトで挨拶だけにしてもらった。

下手に會話ができると知れて、応え辛い質問されたりしても困る。

「味しいお晝と目の保養だわぁ」

「あざーっす！」

「アーガトザスッ！」

シンプルなＴシャツとワークパンツに紺のエプロンを付けたレイモンドさんが、カタコト挨拶でにっこり微笑んで袋を手渡してお代をけ取る。ＯＬさんたちも満面の笑顔でお戻りだ。

…クククッ、計畫通り…。

そして、お客がいない間は、俺は料理と弁當のセットで、レイモンドさんは反対の窓からあちらの様子見。

小さな溜息と難しい顔で覗き見している彼の姿は、俺から見るとやっぱり帰りたいんだろうなとしか思えない。ここへ來たのだって、一時避難みたいなものだしな。

「……どんなだ？」

「ここからじゃよく分からない。瓦礫が撤去されていないのが…王城が機能しているのか、いないのか…」

家族の安否も心配だろうし、仲間だって…。

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