《【書籍6/1発売&コミカライズ配信中】辺境の貧乏伯爵に嫁ぐことになったので領地改革に勵みます》第9話 ブールという土地

勘當ですって……?

「それって、どういうこと?」

「どういうことも何も、そのままの意味」

ああ。

だから、「貧乏伯爵」……。

バルニエ公爵家の縁続きなら、もうしマシな領地があったはずだ。

余りを賜ったというよりも、余りしかもらえなかったのだと理解した。

一晩という短い時間しかなかったが、アンジェリクはブールという土地について可能な限り調べてきた。

城の図書室にある中で、できるだけ新しい地理の本を探して読んだのだ。

ブールはアルカン王國最北の地。

その先は未開の土地だ。

文字通りの辺境。

土地は痩せていて、気候も厳しい。

アルカン王國自が溫暖なせいか、雪が積もることはないらしいが、冬は北風が強く吹き、土も凍るという。

隣接する國もないので貿易にも向かない。

深夜のランプの燈りの下で、アンジェリクは唸った。

貧乏卻の糸口を、アンジェリクなりに探ろうとしていたのだが、あまりにも打つ手がなさそうだった。

未開の地というのがどういうものかわからなかったが、北に続く土地が森なら樹木の伐採でもできないかと考えた程度だ。

以前植學の教授に聞いて知った、痩せた土地に向く作の種も持參してきた。

モンタン領の中にも痩せた土地はあるので、そこに蒔いてみようと思って取り寄せておいたものだ。

それはそれとして、なぜ勘當?

聞こうかどうしようか迷っていると、荷を運び終わったフレデリクが二人の前に戻ってきた。

「お嬢様、全て運び終えました」

「ありがとう、フレデリク。みんなも、ありがとう」

「アンジェリク様……」

悲しそうな顔をするフレデリクと侍たちに、アンジェリクは「大丈夫よ」と笑ってみせた。

「お父様とマリーヌとフランシーヌによろしくね。結婚式の準備が整ったら……」

整うのか?

一瞬、不安になった。

セルジュが後を引き取った。

「準備が整ったらご連絡します。今、し立て込んでいることがありまして、多お時間をいただくかもしれませんが……」

「わかりました。そのようにお伝えします。アンジェリク様をよろしくお願いいたします」

今夜は城下に滯在できるよう用意はしてあるとセルジュは言った。だが、まだ日があるので、ヴィニョアまで戻って休むとフレデリクが言い、侍たちを伴って城を去っていった。

小型の馬車一臺と白い馬を二頭殘して、一行が門を出ていく。

さすがのアンジェリクも目と鼻のあたりが熱くなるのをじた。

アンジェリクは、これで本當に、モンタン家のアンジェリクではなくなったのだ。

「お茶にしようか」

一緒に馬車を見送ったセルジュが、アンジェリクの肩を抱いた。

泣きたかったら泣いていいよと囁いて、そっとに包み込んでくれる。

トクンと心臓が音を立てた。

「大丈夫よ。ちょっと傷的になっただけ」

悲しいわけではないのだと笑ってみせる。

セルジュもにこりと笑った。

「お茶を飲みながら、家の者を紹介しよう。それから、一階があんなことになっている事も含めて、いろいろと話したいことがある」

「私も聞きたいことがあるわ」

「何でも聞いて」

「なぜブールなの?」

たとえ勘當されても伯爵の地位と領地をもらえたなら、ほかにも候補はあっただろうに。

セルジュは苦笑した。

「そのことも、一緒に話そう」

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