《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》おばあちゃん、再び

ま、ま、まにあいましたぁ……!!

日付変更3分前。 なんとか隔日更新継続です。 頑張ったの……!

「はいはーいこんにちは。ユキですよーっと」

午前の部を終えてログアウトした私は、手早く晝食を済ませ。

家事など含む1時間の休息を挾み、またログイン。配信を開始した。

ふよふよと飛び始めるカメラに手を振りながら、冒頭の挨拶。

みんながこぞって打ってくれたコメントを眺めると、恵まれているなぁって実する。

「みんなありがとう。こんにちは~。 今日は東か西の方に行ってみようと思うんだけどどうかな?」

『ええやん』

『おー』

『いいね』

『ポーションは?』

「…………あ」

『草』

『忘れてたな』

『ポンコツ炸裂』

『このドポンコツ』

「わ、忘れてたわけじゃないよ! 探索の前に補充するつもりではあったもん」

『絶対ウソだw』

『噓が下手すぎるw』

『カメラを見ろww』

うぐぐ。あいも変わらず皆が厳しい。

いやまぁ、たしかに忘れていたから何も言い返せないんだけどさ!

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「あ、でも、補充するなら一回最初の町……アジーンだっけ。そこに戻りたい気もするよ」

『なして?』

『ああ』

『その辺じゃ駄目なん?』

『あのおばちゃんか』

「そうそう。せっかく良さげな出會いがあったから、どうせならそこで調達したいなーって」

南通りの何気なくった店で出會ったおばあちゃん。

なんとなくだけど、毎回あそこでポーション類は調達したいという気持ちがある。

実際、能も段違いだしね!

「そうと決まれば、早速街までマラソンかなー」

そういえば、貰った分証、もらった時から確認してなかったね。

アイテムとしての説明も見ておこうか。

「えーと。分しょ…………あれ?」

『ん』

『どした?』

「いや、いつの間にかインフォ來てたみたいで」

履歴をみてみると、今日のお晝前といったところ。

ああ、この街についたタイミングかな?

「えっと、々と気を取られて気付いていなかったんだけど、この街に來るとなんかチュートリアルが有るらしい」

『ほう?』

『ほほう』

『ほーー』

「なんかナビゲーションがあるみたいだから、ちょっとそれに従ってみるね」

んーと。中央広場に行けって書いてある。

今いるところが北通りだから……もう暫く町の中心の方に向かっていけば良いのかな。

し歩くと、かなり遠くのところに巨大な建造が見えてきた。

昔ながらのRPG作品やアニメでもみられるような、西洋風のお城。

聖都って言ってたっけ。 じゃあ、あそこに國のトップがいるんだろうか。

ちょっと気になる気もするけど、とりあえず保留。

目的の中央広場とやらについたわけだけど……ふむ。噴水にいけと。

街中央の大きな広場。そこの中心には噴水が建っていた。

奇しくも、最初の街アジーンと同じような立地。

噴水に近づいてみると、ポーン、とインフォが鳴り響く。

『聖都ドゥーバの噴水に到達しました』

『ワープ地點[聖都ドゥーバ]が開放されました』

『[エリア転移]が開放されました』

……エリア転移?

ウィンドウを開いてみると、ログアウトの一つ上に[エリア転移]という項目が出來上がっていた。

説明を見るじだと、転移可能地點にいるとき限定で使えるコマンドみたい。

「えーーと……みんな、わたしにちゅうもーーく」

『お?』

『どした』

『??』

ちょっとした、いたずら心。

ポチポチとウィンドウを作する。 えーと。転移先……【始まりの街アジーン】っと。

ブゥウンという音とともに、視界がぶれる。

気づけば、目の前にある噴水はもう何度も見たものに変わっていた。

『は?』

『え?』

『アジーンじゃん』

『え』

『見慣れた飾りがあるね』

『ほんとだ』

「えっと、なんかね。始まりの街と、さっきの街の噴水とでワープできるようになったみたい」

『はえー』

『くっそ便利じゃん』

『相変わらずぽんぽんと革命的な報をw』

『まあマップ間だいぶ広いもんね』

『助かるなぁ』

「マラソンしないといけないかなーって思ってたからすごく助かる」

『せやねw』

『おばあちゃん通いが楽になるw』

『移楽になるのは助かる』

『なお街につくまでが遠い模様』

『それな((』

「あはは。まあS2とS3のエリアボスさえ倒せば……あれ? 私のS3のエリアボスの扱いってどうなってるの? 」

S3のエリアボスに挑もうとした瞬間の、特殊クエストの発生。

流されるままに領して、聖になって、S4にいって……うん。エリアボス倒していない気がする。

ボス倒すまでは先にいけないシステムになっていたはずだけど、どういうことなんだろう。

ポーション屋さんまでの道すがら、視聴者さんたちとちょっと考察した結論。

それは、『結局よくわからないけど、なにか問題有ればアナウンスあるだろう』というものだった。

今のところはとくに大事には至っていないのだから、まあ良いんじゃないかってね。

運営さんの意図は私達にはわからないわけだし。

さて。そんなこんなで著いたわけです。

「ごめんくださ~い」

元気よくお店に乗り込む。

店員はもちろん、前回と同じおばあちゃん。

……の、はずなんだけど。

「いらっしゃい、お嬢さん。また來てくれたんだね」

「はい!前回はとても良いものをありがとうございます」

貫祿ある人だなとは思った記憶があるけど。ここまで圧というか、オーラをじる方だったっけ?

人の良さそうな笑顔の奧に、なにか強烈なものが視える気がする。

「しっかり全部使ってくれたみたいね。コチラとしても売ったかいがあるってものよ」

「えへへ。大活躍でした! あれがなければ勝てない戦いもありました」

クールタイム1分の、35%回復。

どちらがし足りなくとも、ジャイアントスケルトンは倒せなかっただろう。

「そうかいそうかい。どうやら、早くも死線を超えて一皮剝けたみたいじゃないか」

ふっと目を細めたおばあちゃんから、そんな言葉が飛んでくる。

え。そんなのわかるもの!?

「あたしくらい無駄に長く生きていると、わかるものなんだよ。々とね」

しみじみとした口調で語るおばあちゃん。

臺詞とは裏腹に、ただご高齢というだけにはとても思えない何かがそこにはあった。

「お嬢さんを観ていると、若い頃を思い出すよ」

「若い頃、ですか」

「ああ。あたしにもあったのさ。お嬢さんみたいに、キラキラした目をしてね。

口うるさくじるかもしれないけれど、今の気持ちは絶対に忘れないでおくれよ」

「……はい!」

キラキラした目、かぁ。くすぐったいものがあるね。

大丈夫だよ。わたし、今がとっても楽しいから。

「歳をとるとすぐに余計な話をしてしまうからいけないねぇ。ポーションだろう? ちょいと待ちな」

らかな微笑みを浮かべたお婆ちゃん。思い出したかのように、戸棚に向かう。

そして、カウンターの上に2つの薬を置いた。

一つは、前と同じ初級ポーション。

もう一つは、これまた凄い。

◆◆◆◆◆◆◆◆

名前;中級HPポーション

品質;A

説明;超高品質の中級HPポーション。HPを50%回復する。クールタイムは90秒。

製造;ミランダ

◆◆◆◆◆◆◆◆

「今のお嬢さんなら、これも良いんじゃないかと思ってね」

「ご、ごじゅっぱーせんと」

効果がすごい。一回で半分も回復できちゃうなんて。

今の私なら、2000以上も回復するよ!

「10本ずつ出せるけど、どうだい?」

「お金が足りるだけ買いたいです。あんまり持ち合わせがなくて……」

「素材の引き取りもやってあげるよ。スライムの素材とか、いい薬の素材になるからね」

「あ、スライムなら丁度たくさんありますよ!」

エリアボスであるキングスライム。そいつの高速周回もした。スライムの素材は潤沢にある。

そこからは、ちょっとした商談。と言っても、どっちかというと々と便宜を図ってもらったってじだけど。

10本ずつのポーションと、あとオマケに解毒薬を5つ。計25本の薬を購

こちらからは、キングスライムの素材を全部提供した。

「ポーションを全部使い切ったら、またおいで。

また一皮剝けた姿をみせにきておくれ」

「はい! がんばります!」

ありがとうございました。とお禮を言って、お店を出る。

いい買いをさせてもらっちゃった。期待してくれているみたいだし、頑張っていかないと。

ポーション20本使い切ったら、またおいでってことだったよね。

そのときには、また一回り二回りも大きくなった姿を見せるぞー!

自分がなからず長することではじめて見えてくるものって、世の中には沢山ありますよね。

これからもがんばります。

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