《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》ものすごく久しぶりの……!

地下墓地の最深部へ到達し、クエストも終わりと思われたその矢先

突如元のペンダントが反応し、ユキはさらなる探索を余儀なくされた

「……結構、深いね」

『たしかに』

『意外に長い』

『結構降りたよね』

『もしかして2フロア分以上?』

『あるかも』

『風景変わらんから余計に長くじるw』

玉座の下から姿を現した下り階段。

ゆっくり慎重に降り始めてから、すでに結構な時間が経過していた。

幸い、道中同様に明るさは問題なく、また敵も罠も今のところは見當たらない。

ただただ、長い階段を降りて行く。

「んー、そろそろ流石に…………お?」

変わらない風景にちょっと気が滅ってきたところ。

ようやくと言うべきか、足元の方向からのが増した。

喜び勇んで、階段をかけ降りる。

駆け下り突した先は、小さな小部屋だった。

中央に臺座と石板のようなもの。そして部屋の奧にも、両スミにこれまた石板がみえる。

『駆け下りてった』

『突撃したなぁ』

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『罠を警戒していたユキちゃんは何処へ』

『一番警戒する瞬間じゃないのか今って(困)』

『凄サマが我慢できるわけないだろいい加減にしろ』

『草』

これは……何の部屋だろうか。

中心部にある臺座には、何かが設置されている。杖、か?

「……なんだろ」

近寄ってみる。派手な裝飾のない、一本の杖。

どこか神的な雰囲気さえじさせる。

何かを待っているかのように、靜かに鎮座していた。

◆◆◆◆◆◆◆◆

アイテム:バギーニャ·トロスティ

分類 :両手杖(要求STR10)

能 :魔法攻撃+100 理攻撃+50 魔法による回復効果を増強

説明 :歴代の聖に代々け継がれてきた長杖。人々を護り救(たす)ける力を増幅させるという。

専用スキル[守護結界]

[イベントアイテム] [譲渡不可]

◆◆◆◆◆◆◆◆

注目していると、ウィンドウが表示される。

なるほどなるほど。代々聖様が用いてきた杖……えっ。

「そんなものが墓の奧地に眠ってて良いものなの!?」

『寧ろ逆では?』

『大切だからこそこんな場所に』

『ゲームではよくある話よ』

窟の奧に野ざらしになる勇者の鎧とかね(』

『その點、なんか々段階があった分、厳重とも言える』

「ふーむ、そういうものなのかぁ」

そのあたりの認識は、ゲーム慣れしているほど特に気にならないってじなのかな。

一歩一歩と、展示されている杖に近づいてみる。

あと2,3歩のところで、石板に刻まれた文字が読めるようになった。

「えーっと? 聖を継ぐものへ、これでより多くを護り救ってほしい。 ……なるほど」

そーっと、杖に手をばす。

なにかに拒まれるということもなく、すんなりと握ることが出來た。

淡いが、じんわりと溫かい。

◆◆◆◆◆◆◆◆

アイテム:バギーニャ·トロスティ

分類 :両手杖(要求STR10) ※要求筋力値を満たしていません

能 :魔法攻撃+50(+100) 理攻撃+5(+50) 魔法による回復効果を増強 AGI-10%

説明 :歴代の聖に代々け継がれてきた長杖。人々を護り救(たす)ける力を増幅させるという。

特殊な素材で作られているため、重量はかなり抑えられている……はずだが、重い人には重いらしい。

専用スキル[守護結界] 0/7038

[イベントアイテム] [譲渡不可]

◆◆◆◆◆◆◆◆

「ねえ」

『いや草』

『ウッソだろww』

『www』

『このゲーム明らかにおかしいwww』

『運営の顔拝みてえw』

『非力凄サマだもんな』

おかしい。どうして私はシステムウィンドウにまでバカにされなければならないのか。

いや、極振りで一切筋力値に振っていないのが悪いんだけども……!!

「ぐぬぬぬ……い、いや、ここは裝備させてくれるだけ溫と思おう。持てないよりはよっぽどマシだ」

『それはそれで面白かったけどな』

『職業裝備持てない聖様とかw』

能的には殆ど影響ないもんね』

『毆るのに使うのはライフだし、魔法も使わないから』

『魔砲は使うけどな』

『↑笑う』

として重要なのは、本來は魔法攻撃力。これは、回復魔法の威力に多とはいえ影響するらしい。

けれど、私は魔法を使わない(使えない)訳で。

AGIも割合減したところで、0に何を掛けても0だ。

あれ? ちょっとまって?

「確かにペナルティの影響に問題はないけど、そもそも能で私にプラス作用する項目無いのでは? これ」

『気づいてしまったか(』

『いや寧ろ気づいてなかったのw』

『意図して目をそむけているものかとw』

理攻撃→ほぼ意味無し 魔法攻撃→意味無し 回復魔法強化→意味無し』

『【悲報】職業裝備、飾りになる可能

『最後の希に託されましたね』

最後の希……いや、意図するところはわかる。

まだみが殘っていることを喜ぶべきか、それしか頼みがないことをかなしむべきか。

いや、大丈夫。なんとなく、運営? のイジワル傾向もつかめてきた。

こういう既に充分に落としてきた後は、だいたい上げてくれるんだ……!

専用スキルにフォーカスを合わせ、ウィンドウを共有!

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技能:守護結界

効果:任意の対象を中心に、半徑五メートルの範囲で外からの攻撃行を遮斷する結界を構築する。

結界の耐久値は、予め杖に込められたエネルギーと同値。

このスキルの所有者は、自の生命力を杖に予め込めておくことができるようになる。HP1に付き充填されるエネルギーは1で、チャージには24時間のクールタイムが存在する。最大値は所有者の最大HP-1。

◆◆◆◆◆◆◆◆

「よっしゃーー!! 目に見えて有用なスキル、久しぶりな気がするよ!」

『おお』

『おーー!』

『おめ』

『どっちかと言うとパーティプレイ用?』

『ぽいねぇ』

『保険にもなるね。予め貯めておけば』

『これは素直に強いやつだ』

『なんだろう。ユキが強化されることには僻みのが浮かばない』

『わかるw』

『それ以上に々と不憫だからでは(』

『外れ率高いもんなぁw』

「えへへ……これでカナと遊ぶときも護りやすくなるねっ」

ステータス面では殘念ながら恩恵がなかったが、この技能は充分に有用と言えるだろう。

改めて、手に持つし長い杖をギュッと握りしめる。

そっか、よく考えたら、ゲーム始まったばかりのとき以來になるのかな。武を持つのは。

代々伝わる杖なんだっけ。大事に使おう。

それから、軽く小部屋の中を見て回り、殘り2つの石版も確認しておく。

『次はレベルが50に屆いた頃に再び來る』ということを脳に刻んで、私はようやくカタコンベを出した。

軽い杖すらまともに持てないユキ、戦う者として非力すぎる。現実と大差ない筋力なので仕方が無いのですけども。

筋力は結構いろいろと大事なのですが、ユキ自が気づいていないことも多いのでまたいつかれると思います。

細々頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

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