《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》メンテ明け 亀さん

尺を取りまくった(毆)定期メンテナンスがようやく明けまして。

「はーい。みんなこんにちわー。

メンテナンスも明けたし、早速だけど配信していくよ!」

『がおつー』

『がおつーー』

『ฅ( •ω• ฅ)ガオ-♡』

『がおつー』

『やっぱり視聴者増えてるね』

『晝の効果か』

『今日は予定あるん?』

「かな?

んーと。まずはアプデの後だし軽く報収集かな。

その後、S5エリア覗いてみたいなーって思うよ」

『いいね』

『技能とか増えたんやっけ』

報収集大事』

『これがまた魔改造を生む……』

『凄サマはどこまでゆくのか』

カナと話したことなんだけれど、もし仮に増えた技能の中に習得條件を満たしていたものがあったとして。

ログインした瞬間に増えるってよりは、1戦闘くらいこなした後に覚えられるんじゃないかなぁーと。

まぁ、あくまで予想だけどね。

取り敢えず、報収集……神殿にちょこっと顔をだそうか!

◇◇◇◇◇◇◇◇

馴染みになってきた、聖都ドゥーバの神殿。

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もはや顔パス狀態なそこを、奧へと進んでいく。

いつもの部屋に赴くと、グレゴールさんが待っていた。

軽く互いに挨拶をして、話を始める。

「……また一つ大きくなられたようですね」

「そうですか?」

「ええ。佇まいから分かるものです。この分なら……もしかするかもしれませんね」

何処か含みを持たせるような様子で、グレゴールさんが話す。

ん。このじ……なにか新しい報きそうだね?

「お伝えしたことは無かったですね。

古い文獻には、神に仕える者のみに許された、新たなるステージの存在が記されています」

「新たなる、ステージ?」

「はい。力を高め、天からの大いなる期待を一けることとなった人。

その者は、天の使い……【天使】の名を神より授かる……と」

ほえー。天使。また大層な名前が出てきたね。

これは新稱號……いや、新たなステージって言ってるし、職業かも。

「天使……ですか」

「神の代行者として、天より授かりし力を振るう至上の存在。

ユキ様がその境地にたどり著かれた暁には、間違いなく史に大きく名を刻むこととなりましょう」

そう締めくくり、にこやかに微笑むグレゴールさん。

初めて出會った……連行された時に比べたら、ちょっと表も言葉もらかくなった気がする。

……でも、大丈夫なのかな。

つい昨日、悪魔とかいう、いかにもヤバイ稱號もらっちゃったところなんだけど。

◇◇◇◇◇◇◇◇

「さて。アプデ明けの新エリア。気になっている人も多いと思うし……。

ここからは、S5エリアを探索していきましょー!」

『おー』

『88888』

『いいね』

『広がっているのは平原なのか』

『平原よく見るなぁ』

「いやまぁ、首都のすぐ南なわけだし、この先にも街とかあるんだろうしね。

いきなり森とか山とかあったらアクセス悪すぎるよ!」

なりとも整備された街道が、平原を真っ直ぐにびている。

この道沿いに進めば次の街に著くじかな。

なんとなく、道からはし外れたところを進んでみよう。

同じ平原でも、主要な道沿いよりはエネミーもでてくるかもしれないし!

そんな考えが功を奏したのかはわからないけれど、間もなく魔を確認できた。

一言で言い表すならば、凄く大きな亀。

巨大な甲羅の高さは、私のお腹くらいまで屆くんじゃないだろうか。

◆◆◆◆◆◆◆◆

名前:アイアンタートル

LV:40

狀態:平常

◆◆◆◆◆◆◆◆

「わーお」

『次は亀か』

『割と王道だな』

『ファンタジーの定番、巨大亀』

『レベル高っw』

『えぐいな』

『高難易度は伊達じゃないってか……』

「予想よりレベル高いね。これ、結構通れる人が限られちゃうんじゃ……」

寧ろ、それこそが狙いなのか。はたまた街道を通っていれば安全なのか。

まあ、そこを検証するのは私の仕事ではないだろう。

まずはこの亀をどうするか……と言っても、決まってるね!

「[充填]……守護結界はまだ使わなくて良いかな。一気に決めちゃおう!」

レベル40。けれど、所詮は雑魚敵という存在。

であるならば、威力は5000もあれば充分かな?

ズン、ズンと音を立てて、歩み寄ってくる巨大な亀。

そのきは、見た目相応に非常に遅い。

チャージ完了まで50秒弱の時間が必要だけれども、この分なら……ッ!

「ぎゃっ!?」

ピシャーンッ! という破裂音と共に、一筋の雷(いかずち)が迸った。

慌てて確認したHPは、恐らく今の攻撃では一割も減っていない。

危なかった。ちょっと油斷していた。

見た目で判斷しちゃいけないね。レベルは40もあるんだ。

今度は予兆を逃すまいと、じっと亀さんを見つめる。

……よし。もう充分だね。

「行くよっ! てぇぇい!」

アイアンタートルに向け、杖を突き付ける。

相変わらず重いけれど、ちょっとずつ馴染んできた相棒。

そこから、強烈な線が放たれた。

ぐいぐいと、白いビームが巨大亀に迫る。

今にも到達しようとした瞬間に、奴は全い甲羅の中に引っ込めてしまった。

……大丈夫。亀がピンチの時、甲羅に隠れるのは織り込み済み。

それを見越した上で、高めの威力に設定したんだっ!

──カァァン!

「え」

いかにも堅固そうな甲羅に線が直撃した瞬間、甲高い音が響き渡る。

予想と異なる音に思わず直した瞬間、また一筋の落雷が私に襲いかかった。

が収まった先。悠然と佇むアイアンタートルの姿が確認される。

信じがたいごとに、そのHPバーはピクリともしていない。

……うん。これは…………そうだな。もう手は一つしか無いかな。

「て、てったーーーいっ!!!」

この瞬間。

非常に、ひっっじょうに憾だけども。コメント欄は今日イチに盛り上がった。

???「こ、これは負けたわけじゃないから。勢ちょっと整えたいなって思っただけだもん」

本日で連載開始から丁度5ヶ月!

自分の亀より遅いペースは自覚しておりますが、なんだかんだしっかり続けられているなって思いです。

いつも応援、本當にありがとうございます。

これからもコツコツ自分なりに書き連ねてまいりますのでどうぞよろしくね。

遅筆に悩まされているけれど、書きたいこと自は有りすぎて困っちゃうくらいなんです!

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