《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》【悪魔】の所業

自信持ち

に挑む 暗殺者

あえなく敗れ 理不盡を知る

「ふいーー」

イベントが幕を開けてから、もう早くも半分ほどが経過していた。

撃破數はひとつずつだけど確実に稼いでいて、ついさっき20を超えたところ。

一位ってことはないと思うけど、けっこう順調なんじゃないかって思うんだ。出會う相手は全て倒せているし。

一度だけ、ちょっと危ない戦闘があった。3人ほど連続で倒した後で、し気を抜いていたところだったかな。

不意に嫌な予がして振り向いたら、いつの間にか凄い速さで敵が近づいてきていたんだよね。

何とか後ろに飛び退いて避けようとしたんだけど、あとの祭り。

腹部に思いっきり刺突を食らってしまった。

結構なダメージと、その後しばらくの間、上手くかなくなっちゃって。

幸い、反撃で倒すことは出來たし、他プレイヤーによる追い討ちも無かったから一安心。

しばらくのんびりして、また敵を探しに行って今に至る……というわけ。

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ふよふよとわたしの周りを飛んでいるカメラさんが、何となく目に留まる。

うーん。なんだか暇そう。なんというか、インパクトに欠ける絵面になってそうだもんね……

「よし。もっとなんかこう、盛り上がることをしよう」

『www』

『急にどうした』

『突如気合をれ始める凄サマ』

「いや、このままビーム撃ってるだけじゃ新鮮味がなくて、みんな飽きちゃうかもなーって」

『余裕で草』

『映えを意識する配信者の鑑』

『空回るとみた』

『もうすぐ転移だしとりあえずそれからで良いのでは』

『確かに』

「転移……あ、そ、そうだね! うん勿論わかってた」

『噓つけ』

『噓だ』

『これは忘れてた顔』

『わかってた人は、わざとらしくアピールしないんやで』

ぐぬぬ。最近、視聴者さんたちが容赦ない気が……いや、元からか。

ともかく転移っていうのは、一定時間ごとにプレイヤーがランダムな地點に飛ばされること。

全プレイヤーが飛ばされる訳じゃなくて、事前に宣告された範囲の外にいる人間だけが対象。

次の戦闘可能エリアのどこかに飛ばされる。

私はあまりゲームにれてこなかったから詳しくないんだけど、この手のタイプのゲームでは、徐々に戦闘可能なエリアが狹まっていくんだって。

安全地帯(略して安地)とか、エリア。あとはサークルとかリングとか。ゲームによって々な言い方をするけども、指す容は全て同じ。

バトルロイヤルという仕様上、最初は溢れんばかりのプレイヤーがいる。

けれどその數は、終盤に近づくに連れて當然ながら減っていく。

した後でも當初と同じマップサイズだと、広すぎて決著がつかなくなっちゃう……っていうのが主要な理由らしいよ。

後は、芋対策でもあるんだって。芋っていうのは、建とか茂みとかにずっと立てこもって出てこない人のことを指す……って昔カナが凄く嫌そうに喋ってた。

それにしても、なんで、おいも?

引きこもるなら亀さんとかカタツムリとかのほうがそれっぽいと思うんだけどな。

逸れちゃったね。ざっくりまとめておこうか。

設定された時間になった際に居場所がエリア外だと、次戦闘エリアのどこかにランダムで飛ばされる。

エリアからエリア外へは、結界が張られるので出ることができない。

何回かの転移時間を経て、最終的に生き殘った人が勝利。

今回の私は、思いっきりエリア外に居るみたいなので……

『システムアナウンス。第一戦闘時間が終了しました。

5秒後に、第二戦闘エリアへと対象者の転移を行います』

きっかり五秒後に、私の視界が白く染まった。

◇◇◇◇◇◇◇◇

「……おー?」

転移が完了したので、周囲を確認してみる。

流石に、目視範囲に転移してきた人間は居ないみたい。

その辺りの配慮はされているのか、はたまた偶然か。

お。今度は次のエリアみたいだね。

北の方に微かに立ち昇って見える炎は、恐らく魔王様(カナ)のものだろう。

よし。 折角だし向かってみようか。

今度の地形は、村……っていえば良いのかな。

小さな民家のようなものが點在していて、隠れるにはもってこいってじ。

先ずは付近の安全というか、敵の有無を探りたいところだけど……あいにく、探索に適したスキルなんて持っていないんだよね。

まぁ、一つだけ、これぞってモノが思いつきはしてるんだけども。

……これしかないか。

「…………視聴者の皆、ちょっと目を閉じて耳も塞いでもらえる?」

『草』

『www』

『そんなことしたらなんも見えんがww』

『いきなりどうした』

『配信者にあるまじき要求』

『なんか察した』

「いいから。

みんなちゃんと耳塞いだ? ミュートにした?

……いくよ」

しっしと手を振って、カメラさんも追い払う。

目を凝らさないと見づらいくらいの距離まで離れて貰ったのを確認して、私は大きく息を吸った。

「がっっおーー!!!!!!」

【聖の咆哮】

本人は記憶の彼方に葬り去りたい程の、アレである。

しかし、このスキルは現狀において、あまりにも有効かつ兇悪であった。

しでも恥を、煽ってくる人を防ぐ為。

事前にミュートするように警告し、カメラも遠ざける。

しでも、観る人を一時的に減らそうという悪あがき。

だが哀しいかな。

本的にどこか抜けている所のある彼は気付いていない。

遠ざけた筈のカメラちゃんは、當然ながら『超高能のズーム機能』を持ち合わせている。

そして、『人間は言われれば言われるほど意識し期待する』ということ。

そのことに本人が気づくには、まだほんのし時間が必要であった。

「……うわぁ」

一気に3も増えた撃破數。

想像以上の果に、思わず出てきたのは呆れたような聲だった。

しかも、視界には狀態異常のスタンにかかっていることを示すウィンドウが2つほど。

近くの民家の壁越しに映し出されている。

「ま、まぁ、悪く思わないでね……っと」

なんだかいけないことをしているような気持ちになりながら、民家に侵

きが取れなくなっている人にそっとれて……ドレイン。

あっという間にHPを吸い盡くされて、儚(はかな)い粒子と化す他プレイヤーさんの姿に、私はなんとも言えないを抱くのだった。

きを封じて、吸で敵を葬る【聖

1週間空いちゃって申し訳ありません。

いやほんま、新年早々にPC、攜帯、お風呂と立て続けに壊れてマジでそれどころじゃなかったのであります……

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