《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》遭遇

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デーモンハンド!!さきゅばすせいじょ!!

第二戦闘時間。市街地に飛ばされた私は、咆哮を解

潛むプレイヤーを一人ずつ倒していっている。

道中立ち向かってきた相手も合わせて、今ので丁度32キル。

かなり良い調子と言えるんじゃないだろうか。

ちなみに、さきほど初めて使った時の反応に関しては……多分みんなの予想通りだったと言っておこう。

みんな、見ないでって言ったのに。

しっかり観て煽ってくるんだから、本當にもう!!

まぁ、そこで散々に弄られたからこそ吹っ切れて、いま多用しているとも言えるんだけどね。

「……それにしても、このコンボ。本當にいけないことしてる気持ちになるなぁ」

『笑う』

『実際ハメ殺しな訳ですし』

『キュン死かわいい』

『まぁキャハイドなんて瞬殺でいいよ』

『辛辣で草』

『公式と2窓してたら散々に言われててほんと笑うんだが』

思わず呟いた言葉に、視聴者さんたちが反応する。

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隠れるのもひとつの戦略だとは思うけどね。倒せちゃう手段がある以上、容赦なくポイントにはなってもらうよ。

……絵面が酷いんだけども!

「え、公式さんが?」

あー……公式さんの方でも実況解説配信してるって話だったね。そういえば。

うげ。もしかして、よりにもよってさっきの場面も放送されてたとか?

い、いや、流石に無いよね!

そんな都合よく、公式配信の方でも私の所業が映し出されているなんてそんなこと…………

「……もしかして、さっきからの場面」

『バッチリ放送中』

『たったいま別の人に切り替わったわ』

『同接また一気に増えてるw』

『悪魔の配信はここですか』

『公式から』

『公式配信からきました』

「ぐぬぬぬ……」

『デーモンハンドの使い手はここですか』

『相手を即死させる悪魔が居るらしい』

『悪魔の配信見に來ました』

『小悪魔聖の配信があると聞いて』

『サキュバス聖さん俺も吸って』

『修羅場で草』

『なんだこれ』

「ぐぬぁぁぁぁぁ!!!!」

公式配信、きさまら一何を言った!

たしかに視聴者さんの數はまた一気に増えた。それはありがたいことなんだと思う。

けど。けどさぁ!

ならまだしも、悪魔の手(デーモンハンド)やら小悪魔(サキュバス)聖やら、さすがに酷いでしょ!

そもそも、そんな大したことしてないし。

隠れている相手を探すために咆哮で炙り出して、判明した相手のところに行ったら完全にけなくなってたから。

これで倒さないわけにはいかないよねって右手をばして、ドレインでHPを削り取っただけだもん。

相手は抵抗してこないし、即死させられるし。

オマケに私のHPも減るどころか回復できるしで…………うん。

やってること、たしかに悪魔だし小悪魔だったかもしれない。

それに冷靜に考えたら、凄まじいだか凄慘なだか知らないけどそっちも大概じゃん。

ん。何も変わらない。いつも通り。気にするだけ無駄っ!

「……コホン。とりあえず、このまま上位目指すよっ!」

『切り替えた』

『早いなw』

『割り切りの速さは良いところ』

サマ頑張って』

「いやでセイジョは辭めてっ!?」

◇◇◇◇◇◇◇◇

さて、あれから一悶著。

視聴者さん達との相談の末、私の呼び方は凄、小悪魔聖に。

例のドレイン攻撃は悪魔の手(デーモンハンド)って呼稱されることになった。

なんか痛々しくない?? って思ったけど、みんなはそれが良いらしい。

あと、普通に聖って呼んでくれないのかとも聞いてみたけど、『らしくないし』と一蹴された。解せぬ。

まぁ、これも新しいスキルなり稱號なりが追加されるまでだけどね。

だけど、また何か生えてきちゃう気がするんだよな……。

さて、戦況の方だけれども。

一言で表すなら、順調。

というのも、さっきから人がどんどんこちらにやってくるんだよね。

市街地を抜けた、平原。また敵を探さないといけないかなーと思った矢先の出來事だった。

なんと、前方から人がぱらぱらとこっちに駆け出してくるのだ。 それも、かなり余裕の無さそうな全力疾走で。

理由は、すぐに察せられた。

人が走ってくるより、もっともっと奧。視界にはらないほどの前方に、炎が立ち昇っているんだよね。

それも、かなりの頻度で。

元々、炎を目印に進んではいたけれど、今はそれがもう骨にド派手に見える。

かなり近づいてきたってことなのか、それともあちらさんがギアを上げたか。はたまた、両方か。

まぁ要するに、この人たちは逃げてきたんだ。

圧倒的な力の、炎の暴力から。

生存者の數はもう早くも50人を割って、そこからもかなりのペースで減り続けている。

必死にここまで逃げてきた人には申し訳ないけれど……容赦はしないよ。

1人、1人と、充填した線で撃ち抜いていく。

元々消耗していたのか、それともそこまで強い存在では無かったか。

みんな、10%程度の威力を出せば簡単に倒すことが出來た。

さて、こうなると炎に追われてきた人達は堪ったものじゃないだろう。

何せ、前門に聖(悪魔じゃないよ)、後門には魔王だ。

進退窮まって、やぶれかぶれの突撃をしたりどうにか逃れようとしたりする人々をまた1人ずつ葬っていく。

これもなんか悪いことをしているような気分になってきたけど、勝負なんだし仕方ないよね。

『【無慈悲なるもの】を獲得致しました』

いや、ちょっと待って???

不意に響いた、あまりに不穏なインフォ。

またか。また、この類なのかと詳細を確認する。

その、瞬間だった。

不意に、前方15mほどの一帯が炎に包まれ、反的にウィンドウを閉じる。

即座にポーションを服用して、充填を開始。前を見據えた。

炎で閉ざされた視界が、ゆっくりと晴れていく。

そこに居たのは、やはり。

「よー。約束、果たしに來たで?」

魔王が、現れた。

二章ラスボス『魔王カナ』

これを書ききったあと、『ボス戦のBGMを流したい気分だ』ってツイートしようとしたら盛大に誤字って煽られまくって消沈中です。

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