《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》パーティー結!
パーティプレイをやりたくなったユキ。
早速フレンドに募集をかけるのであった。
『ぼっちじゃないもん!!』
「……で、ウチが呼ばれたっちゅーわけか」
「……はい」
聖都ドゥーバの噴水前。
両手を腰に當て、カナはあきれたように私を見下ろす。
「それで? ぼっちじゃないと言い張る聖サマは、ちゃんと人數集められたんか?」
「え? えっとー……」
目線をさまよわせる。
も、もちろん、オンラインになっているフレンドに聲はかけたさ。
返事によれば、もう間もなく……
「お待たせしましたぁ~!」
元気な聲が響きわたり、これ幸いと顔を向ける。
とっとっと……しゅたっ!
そんな言葉が相応しいように軽やかに駆け寄って來たピンクの髪に、顔をほころばせた。
「おー! トウカか! 久しぶり……でもないな。イベントで會(お)うたし」
「はいっ! あの時は負けちゃいましたが……」
「はっはっは。あれはまぁ相がなぁ。
トウカの場合は、遠距離撃されたら何も出來んからな」
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「そうなんですよねー。今は、なんかこう、えいってやったらぶぅんっ! って出來ないかなって々試してます!」
そんな覚100パーセントな言葉を発しながら、大きくハンマーを橫に振るってみせるトウカちゃん。
たぶん、どうにか衝撃波とかを生み出せないか模索してる……ってところかな?
「前にゴーレムと戦った時、ものすごいパワーだったもんね。リーチ面が改善されたら手が付けられなさそう」
「遠距離からの砲撃をハンマーでやられたら敵わんけどな」
「えっへっへー。楽しみにしておいて下さい。なにか摑めそうなじなんですよっ!」
楽しそうな姿をみていると、こっちも笑顔になっちゃう。
前回遊んだ時は純粋なパワーで敵を砕していたはずだけど、そのスタイルを崩すつもりは今のところ無いみたいだね。
「……さて」
にこにこと笑いあっていると、不意にカナが言葉を発した。
「これで3人目。逆に言えば、まだウチ以外に1人しか來とらん訳やが……」
「……フレンドなら、まだあと一人いるよ?」
「そもそも1人しかおらんのかい!」
「し、仕方ないじゃん! ゼロからのスタートだったし、出會う機會もそんなに無かったんだよー!」
カナは元々の知り合いがあったかもしれないけど、私は殆どれてこなかったからね。
基本的に親友のライブを見るだけで、インターネット上のコミュニティには參加しない。そんなじだった。
まあ、このゲームを始めてからは、もっとそういうのにも手を出しておけば良かったのかなーってちょっと思っているけどっ!
「はっはっは。……で、その1人は?」
「…………こない」
一瞬の、沈黙。
「いや、こないんかーーーいっ!!!」
だ、だって、フレイさん配信NGだもん! えるわけないじゃんっ!
前回、訪問する時に撮影関係はやめてねって言われてるからね。流石にうことは出來なかった。
「あはは。まあ、3人いれば充分。パーティですよっ」
「そうやな。一応、3人で組んでいればパーティではあるわな。
しかしよ、トウカちゃん」
「はい?」
「うちら3人で組んで、それがユキのやりたいことになるんか?」
「ほえ」
「ハンマー片手に特攻隊長1名。支援職を名乗りながら殺人線ばらまく奴が1名。そして最後に、最後方(さいこうほう)から炎放が1名。
これを果たして、一般的なパーティープレイと言えるんやろか」
「で、でもでも、一応ですけど、前、中、後衛ってじじゃないですかっ」
たしかに、この3人だと、前中後としっかり立ち位置は分かれる気がする。
それにしても、殺人線って。もうちょっとマシな言い方はないんだろうか。
「そうやな。立ち位置をみれば、たしかにそれっぽい。けどな?」
「けど?」
「見事なまでに、アタッカー……それも、特化型しかおらんのや。
果たしてこれを役割分擔と言って良いものか」
これに一人くらい支援系がおれば、まだそれっぽいんやけどなぁ。
そう呟いて、カナが笑う。
トウカちゃんは、特に気にしていないじだね。にこにこしてる。
「ふっふっふ。そんな二人に、朗報があるんですよっ!」
「ほう。なにか今の狀況を否定できる要素でも?」
「それがね。なんとなんと、もうすぐレベル50なんですよ」
「……ほう。それで?」
「50になったら、きっといいじのサポート技能も獲得できるよっ!」
「それはただの希的観測っ!」
「しかも、仮に修得したところで、それを扱えるかどうかわからないんじゃ……」
「トウカちゃん! それは言わないお約束なのーっ!」
「むしろその未來しか見えんが……。
まぁええや。結局どこ行くん?」
「え?」
「せっかく集まったし、どっか行くのは確定やろ? 予定は立てとるんかなーって」
「え、えーと……」
じとーっと見詰めてくるカナの視線から、思わず目をそらす。
はぁ~というため息を聞こえないふりしていると、トウカちゃんと目が合った。
ちょっとだけ考えるようなそぶりをみせた彼。不意に、ぴんっと耳を立てる。
「ダンジョン! ダンジョンいきましょう!」
「ダンジョン?」
「はいっ! 一昨日、ふら~っと探索しているときに、見つけたんです。
たぶん、まだだれも見つけていない場所ですよっ!」
「ほぉ!」
「今度、一人で潛ってみようと思っていたんですけど、せっかくなら3人で行ったら楽しいかなーって。
お二人さえよければ、どうです?」
「ウチは大歓迎や!」
「わたしも、行ってみたい!」
「じゃあ決まりーですねっ! こっちですっ!」
言葉を紡ぐやいなや、トウカちゃんは巨大なハンマーを片手にとことこと歩き始めてしまった。
後ろ目にもぴこぴこといてみえる丸い耳は、機嫌の良さを現しているのかな。
私たちが答える暇もないほどの行の早さに、カナと2人、顔を見合わせて笑い合う。
そして直ぐに、遅れないように並んで駆け出した。
……それにしても。
やっぱり彼のハンマー、前回に比べて二回り三回りくらい大きくなってない?
おそくなりました。
関係はようやく落ち著いたのでまた定期的に更新出來ればと思っております!
【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔術師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~
---------- 書籍化決定!第1巻【10月8日(土)】発売! TOブックス公式HP他にて予約受付中です。 詳しくは作者マイページから『活動報告』をご確認下さい。 ---------- 【あらすじ】 剣術や弓術が重要視されるシルベ村に住む主人公エインズは、ただ一人魔法の可能性に心を惹かれていた。しかしシルベ村には魔法に関する豊富な知識や文化がなく、「こんな魔法があったらいいのに」と想像する毎日だった。 そんな中、シルベ村を襲撃される。その時に初めて見た敵の『魔法』は、自らの上に崩れ落ちる瓦礫の中でエインズを魅了し、心を奪った。焼野原にされたシルベ村から、隣のタス村の住民にただ一人の生き殘りとして救い出された。瓦礫から引き上げられたエインズは右腕に左腳を失い、加えて右目も失明してしまっていた。しかし身體欠陥を持ったエインズの興味関心は魔法だけだった。 タス村で2年過ごした時、村である事件が起き魔獣が跋扈する森に入ることとなった。そんな森の中でエインズの知らない魔術的要素を多く含んだ小屋を見つける。事件を無事解決し、小屋で魔術の探求を初めて2000年。魔術の探求に行き詰まり、外の世界に觸れるため森を出ると、魔神として崇められる存在になっていた。そんなことに気づかずエインズは自分の好きなままに外の世界で魔術の探求に勤しむのであった。 2021.12.22現在 月間総合ランキング2位 2021.12.24現在 月間総合ランキング1位
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