《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》ダンジョンへ

(一昨日にも2週間ぶりの投稿しております)

判定の末、何とかギリギリぼっちを回避したユキ。

集まった3人でダンジョンに向かうことになりました。

聖都ドゥーバから、かなり南西に進んだ先。

現狀解されているエリアの中では、ほぼほぼ端っこという場所だ。

例の、ゴーレムが沢山いるエリアを抜けた先だね。

付近のエネミーレベルは50前後と、なかなかに高い。

高い……んだけど。

「いっくでーーーー! 【フャイアボール】!!」

高らかな宣言とともに放たれた火球。

周りをうろついていた鉄の巨人に真っ直ぐに著弾したかと思えば、まるでダイナマイトでも発したかのように炎がほとばしる。

後に控える私たちがなんの手を出す隙さえなく、アイアンゴーレムは一撃で炎に呑み込まれて溶け去った。

「つぎは、わたし!」

間髪いれずに、ピンクの髪が飛び出していく。

その先には、レンガで構された巨人像。

飛び出すと言っても、トウカちゃんの速度は正直いって高くはない。

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の5倍はありそうな巨に向かって、とことこと駆け寄っていくその姿は、どうみても無謀の一言。

そして、あちら側は巨に似合わず速いんだ。

走ってくる小さなを、ゴーレムはどのように捉えているんだろう。

なくとも、なんの脅威も覚えていないんじゃないかな。

けれど、巖の巨人に容赦というものは存在しない。

敵対者を確実に叩き潰すために、その剛腕が振るわれる。

襲い來る、圧倒的なまでの質量の暴力。

それに対して、トウカちゃんは歩みを止めない。

あくまで、足は止めずに。ただ無造作に、ハンマーを橫に振るった。

ばっこーーん! と凄まじい音が響き渡り、空気が震える。

腕を振り下ろした勢のまま、その腕が元から吹き飛んでいる巖の巨人は、そのことに気付いているんだろうか。

小さなでするっと巨の足下に潛り込んだその存在に、気づけていただろうか。

いや、仮に、気づけていたとしても。

「すまーーーっしゅ!!」

眼下から襲い來る圧倒的な暴力に抗うは、もう無かっただろう。

「やるなぁ、トウカ。やっぱりえげつないパワーや」

「えっへっへー。カナさんこそ、ものすごい炎でしたっ」

「二人が凄すぎて出番ないんですけど?」

「あっ、ごめんなさいっ」

「はっはっは。ユキの場合は火力出すのに準備が必要不可欠やからな。

こうも出會い頭に瞬殺されていくと、手を出す暇さえないっちゅーわけや」

「まぁ、私の攻撃は自分のHPを使っちゃうし、チャージも必要だからねー。これだけ余裕なじなら、無理に攻撃するまでもないのかなーって思っちゃう」

「間違いないな。なんなら、これこそ本來聖としてあるべき姿ちゃうか?」

「たしかに」

「今は余裕ですし私たちアタッカーに任せてもらえれば!」

「なお控える聖様も中は超脳筋アタッカーな模様」

「カナーー!!」

「あははは……あ、もう見えてきましたよっ!」

ハンマーを抱えるようにして持って、前方をぴっと指さすトウカちゃん。

その先には、たしかに跡のような建造が配置されていた。

MAPをみてみると、やはり現在解放されているエリアの中でも最奧といったところ。

「……ほえー。こんな奧地に、ほんとにあるんだ」

「よく見つけたなぁ。ほぼ端っこやん」

「えへへー! このまえゴーレムさん倒してから、新ハンマーの実験がてらずっと探索してたんですっ!」

そう言って、得意げに得をぶんぶんと振り回してみせるトウカちゃん。

もう既に全長は彼の背丈を超えているようにみえるんだけれど、一どうやって持っているんだろう。

「それにしても……『試練の祠』か。いかにもってじやな!」

「えーっと? ダンジョン前はセーフティエリアになってて、休養やログアウトは自由……」

「説明を見るじ、死んだら街じゃなくて口に戻される形式みたいですね!」

「ほー。そりゃ便利や! 心ゆくまで挑んでみいってことか」

「だねーっ! しばらくやることも特に思い浮かばなかったし、次のイベントまで篭ってみようかな」

「私も、できる限りお付き合いしますっ!!」

ダンジョン、試練の祠。

私にとっては、カタコンベ以來2つ目のダンジョンになるかな。

あそこと大きく違う點は、やはり2つ。

目の前にセーフティエリア(もはや存在すら忘れかけてたけど)があっていつでもログアウト出來る點と、中で全滅しちゃってもあくまでダンジョンの口に戻される程度で済む點だ。

つまり、飽きるまで時間の許す限り、かなりの効率で挑むことが出來る。

かなり至れり盡くせりなシステム……ってじだね。

裏を返せば、それだけ厄介極まりないということなのかな。

それとも、とんでもない深度を誇っているとか。

まぁ、挑んでみれば分かることだね!

「どうする? 早速挑んでみるか?」

「そうですね! 取り敢えず毆り込んじゃいましょう!」

「わたしも構わないよー!」

「よし。じゃあ、いくで!」

カナを先頭にして、意気揚々とダンジョンに足を踏みれる。

はてさて一どんな容なのか。

試練と銘打つからには、やはりそれ相応の難易度であると考えるべきかな?

うーん。楽しみだね!

……あれ? カナ先頭って、よく考えたら不味くない?

現在の隊列

魔王▶ハンマーっ子▶凄

かなり早めですが、2週空いちゃいましたし、たまたま書けたのでお詫びも兼ねて投稿っ

(投稿8分後、あとがきで誤字ってるよって言われので速で直しました)

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