《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》特殊な攻撃

(前回のお話)

味方に燃やされるなんて、ユキちゃん聖っぽい!

私がんでカナが燃やし、トウカちゃんが突っ込む。

これはもはや、ひとつの流れとして構築されつつあった。

フィールドで敵を発見した場合、まずわたしが【聖の咆哮】を使って敵を引きつける。

群がって來た敵対者を、カナは時には私ごと巻き込む形で一層。

最後に、討ちもらした対象に対して、トウカちゃんによる無慈悲な一撃。

1回吼えるごとに大事なものを失っているような気持ちが拭えないことさえ除けば、これは現狀完璧な作戦と言えるんじゃないだろうか。

現に、この草原にって何回も戦闘をこなしているけど、最初以外はまだ苦戦すらしていない。

「順調順調!」

「ユキさんの『がおー』がかなり効いてますねっ」

「やなー。それにしても、咆哮によるヘイトめっちゃ高くないか?」

「たしかにー。GAMAN使ってた時はここまで引き付けられなかったような」

「わたし、なんとなく理解できますよ!」

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「ほう?」

「と、いうと?」

「えっと、敵が正面にいたとするじゃないですか。なんかカウンター狙ってるなってじたら、ちょっと警戒するくらいだと思うんですけど。

もし目の前の相手にいきなりがおーーってされたら、委されるか、むかーーってなるんじゃないかなって!」

「……まぁ、せやな。基本的には威圧とか、威嚇とか、そういう場面で咆哮は使われるイメージ。

野生の魔視點やと、挑発行為にも捉えられるってじかもしれん」

いや、むしろそっちがメインか?

そう呟きつつ、カナは私の技能について思索する。

カナって、こういう仕様とかの考察も好きなんだよね。

「レベル的にも、相手は格上だもんねー」

「そうそう。なくとも、咆哮さえあればある程度ヘイトを取れるってのは確かみたいやな」

「敵さんが全部ユキさんに行くのでやりやすいですっ!」

「ふふ。私もトウカちゃんが薙ぎ倒してくれるから楽だよー」

えへへーっと破顔するトウカちゃんの姿に、私も目を細める。

なんというか、彼の雰囲気には和むものがあるよね。

この調子なら、全然問題はなさそう。

平原に突して、もう2時間くらいかな?

今まで倒した敵は、狼、野犬、鹿、兎……あとは、馬か。

野生が、たくさん。

どれもきこそ早かったけれど、私のHPを脅かす程の攻撃力は持ち合わせていなかった。

「結構奧まで來た気がするけど……」

「せやな……お?」

順調な探索。し緩んだ気持ちになりながら、3人で歩く。

すると、前方から大きな影が近付いてきていることに気づいた。

「象だーーっ!」

「あ、ちょっ、トウカちゃんストップ!」

「ふぺっ」

また飛び出していこうとしたトウカちゃんに、慌てて聲を掛ける。

カナはどうやらその前にが反応していたらしく、トウカちゃんの首っこを摑んでいた。

「はいはい、トウカ一旦ストップ」

「はっ……ご、ごめんなさい!」

「あはは……トウカちゃんが一人で行ったら、ぺちゃんこになっちゃうよ」

今回の制止は、無事に屆いたみたい。

ハンマーを構えたまま、その場に踏みとどまった彼の姿にそっと息をついた。

「……さて、誰が行ってもぺっしゃんこになりそうやけども。どうする?」

「とりあえず、同じ作戦でいいんじゃないかな?」

「りょーかいっと」

「わかりましたー!」

前方に見えているのは、高さ3mくらいの巨象。

目は大きく、どこかデフォルメ化されたじるものの、の大きさは凄まじい。

実際の象ってどの程度だっけ。2mくらい?

並んで、象がゆっくりと歩み寄ってくる。

後ろで魔力が強く高められるのをじながら、大きく息を吸い込んだ。

◆◆◆◆◆◆◆◆

名前:エレファン

LV:55

狀態:平常

◆◆◆◆◆◆◆◆

「がおーーっ!!」

私が吠えると同時に、強烈な敵意がを刺した。

ズシン、ズシン、と二頭そろって足を踏み鳴らすと、こちらへ向かってかけ始める。

その次の瞬間、背後から飛んできた熱線が、向かって左側の巨象を貫いた。

ナイス! と思う間もなく、たたらを踏んだ象に向かって小さな影が走り寄る。

「てーーーいっ!」

とっとっと……ドガーーン!

言葉にするなら、そんなじだろうか。

豪快な音が鳴り響いて、エレファンが一倒れ伏す。

「ナイスー!」

「えっへん!」

「一行ったで!」

「任せてっ」

仲間が倒されたことには、當然気づいているだろう。

怒り心頭といった様子の巨象が、私に向かって真っ直ぐに突進してくる。

まぁでも、大した問題じゃーないよね。

この五桁を超える私のHPにかかれば、なんの問題も…………

「ぎゃん!」

「ユキさあああん!?」

強い衝撃に全を打ち付けられ、勢いそのままに宙を舞う。

かなり長くじる滯空時間を経て、地面に叩きつけられた。

視界の隅でHPを確認……あれ? あんまり減ってない。

けた衝撃と、吹き飛ばされ合から相當やばい一撃だと思ったのだけども、どうやらそうじゃないみたい。

ひとり首を捻っていると、前からトウカちゃんが駆けてくるのが見えた。

「だいじょうぶですかーっ!!」

「ありがとう。余裕だよーっ」

手をぶんぶんと振って、大丈夫だとアピールしておく。

実際、特になんともないしね。

私が吹っ飛ばされている間にサクッと倒しちゃったみたいで、もうエレファンの姿は見當たらない。

レベルもかなり高いはずの巨象を瞬殺。

改めて、この2人の攻撃能力の高さを実するね。

「おー、派手に吹っ飛んだな」

「ちょっとびっくりした」

「ユキさんなら大丈夫だと分かってはいますけど、流石に象さんに撥ねられちゃうと心臓がきゅっとなりますね!」

「ダメージ的には大したこと無かったんだけどねー」

「吹き飛ばし系の特殊攻撃やろうな。ヒットしたらその時點で強烈なノックバック効果が付與される……みたいな」

「あー、そっか、そういうのもあるのか!」

「寧ろ、これからはダメージだけの攻撃の方がなくなってくるんちゃうか?

やっぱり難易度上げるなら、純粋な威力は勿論やけど搦手も大事やからな。ステータス低下とか、狀態異常とかも」

たしかに。HPの高さだけでずっと押しきってきたけど、他にもんな手段はあるもんね。

今回みたいな突き飛ばしだけじゃなくて、睡眠とか麻痺とか。そういうのも対策できないと、しんどくなるかもしれないんだ。

「わたしも、麻痺貰って何も出來ずに負けちゃったこと何回かありますっ!」

「そうなんだ。私が今まで運が良かっただけなのかなー」

「まあ、ユキの場合は、喰らったところでHPが高すぎて耐えられる可能も結構あるけどな。不測の事態を想定しておくに越したことはないんちゃうか?」

「だねー!」

「ですねっ!」

もしかしたら、狀態異常とかは裝備面で対策出來るかもしれないしね。

回復アイテムも、裝備も。々と探したり相談したりしてみようかな。

……え? 狀態異常対策にかなり秀でてそうな職業に就いている人のセリフじゃないって?

し、知らないったら知らなーい!

初見さん『明らかにヒーラー職ですよね。なんで支援回復をひとつもやらないんです??』

常連『凄サマだから』

初見『聖だから?』

常連『そう。凄

かなり遅くなって申し訳ありません!!Twitter見ていただいてる方はお察しのことと思いますが、新年度の忙しさ3割、Among Usにお熱が7割です(おい)

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